癒着という言葉を聞いたことがありますか?
“本当は離れているものがくっついている状態”の時に使われる言葉。心理学でもこの言葉は使われます。心理的な距離がちかくなりすぎてまるでくっついているかの状態になっている時に使われます。
癒着が起ると自分と人生と相手の人生の境目がわからなくなってしまうことや、自分の問題と相手の問題の境目がわからなくなってしまうことや、相手の感情と自分の感情の境目がわからなくなってしまうことがあるようです。
その癒着状態について今回は親子関係での癒着について焦点をあててご紹介いたします。
どうやって親子関係での癒着は起きていくのか、親子関係の癒着が起こす問題にどのようなものがあるのか?、癒着を手放す為にはどのような心がけするといいのかをご紹介致します。
●癒着とは
何かと何かがくっついている状態の時に癒着という言葉を使うことがあります。
例えば、手術をして炎症を起こした組織と組織がくっついている状態のことを癒着といいますね。
ニュースでは政治と企業の癒着というような言葉である組織と組織がくっついている状態を表現します。
このように本当は離れているものがくっついている状態のことをあらわすときに、私たちは癒着という言葉を使います。
心理学でも、“本当は離れているものがくっついている状態”のことをあらわすときに癒着という言葉を使います。
心理的な癒着は、心理的な距離がちかくなりすぎてまるでくっついているかの状態になっている時に使われます。
この心理的に癒着が起きている時は、相手と自分の境目が当の本人にはわからなくなってしまうことがあります。
自分と人生と相手の人生の境目がわからなくなってしまうことや、自分の問題と相手の問題の境目がわからなくなってしまうことや、相手の感情と自分の感情の境目がわからなくなってしまうことがあるようです。
またこの癒着で培った心理的な距離が、他の人との距離の基準になってしまうと近すぎる距離感を作ってしまい、これが束縛や干渉といった問題に発展することもあります。
●親子の癒着が生まれる経緯
癒着が生まれる深層心理をみていくと、つながりの欠如があるときに癒着が起こるようです。
どうやら、つながりがっている感覚の不足から、ひっつこうとする心のメカニズムが生まれているようです。
癒着が生まれる関係で代表的なのものが親子関係。
親子関係での癒着が生まれるケースでよくあるケースが、夫婦の関係に距離ができた時にその距離を埋めるかのように親が子どもに癒着するケースがあります。つながりの欠如が癒着をうむわけです。
このケースの場合、母親と子どもが癒着するケースが多いように思います。
夫婦関係を続けていると何らかの事情で夫婦の関係に距離ができる場合があります。
例えば、仕事の事情で生活のリズムがあわなくなる、それがきっかけで会話が少なくなっていくということから徐々に夫婦の関係に距離ができはじめることがあります。
もちろん、ほかのプロセスで夫婦関係に距離ができていくこともありますね。
そうするとこの開いた距離にスペースができますね。
その開いたスペースが寂しさという感情を作ったり、空虚感というった感情を作ります。
このスペースを埋めるべく、親は子どもと癒着をしていくケースがあります。
親と子どもという関係は一人と一人の人間関係のはずなんですが、癒着が起こると心理的な境目が無くなり、まるでくっついていしまうかのような関係になってしまいます。
また、子どもの出産と同時に生活の中心が子ども主体となり、意識が子どもに集中する状態があたりまえになるがあまりパートナーへ意識を向けることを忘れ自然と癒着状態が生まれる場合もあります。
パートナーシップに意識を向けることは癒着状態を作らない為にも大切なわけですね。