離婚の危機も去り、数ヶ月が過ぎると、少しずつお互いが落ち着いてきます。
しかし、この時期は以前の状態に戻ってしまう危険な時期でもあり、より一層絆を再構築する意識が求められるときなんです。その際、改めて、今回の意味を見つめなおし、より絆を深めるために“新婚旅行”に出かけてみたり、セックスを通じて心の解放や信頼関係を深めたりすることがとても大切なんです。そうして、お互いが改めてお互いを選択しあうことができると、今まで感じたことも無いようなロマンスが訪れるのです。
●もう一度、ロマンスを。
そして、この2、3ヶ月を乗り越えたら、今度は「許し」の段階へ入りましょう。
これはこの離婚問題を通じて、自分が成長した点、ご主人が成長した点に注目をしていきます。
・この問題で私たちは何を学んだのだろうか?成長したのだろうか?
・この問題がもたらしてくれた恩恵はなんだろうか?
・この問題をきっかけに、私たちはどんな夫婦になれるだろうか?
それは「この問題が起きたお陰で二人の絆は更に深められた。だから、この問題に感謝したい」というところが究極の目標です。
これは全ての問題に通じるところでもあるのですが、こうして感謝の気持ちを持つことで、お互いの関係性を再構築し、新たなステップに進めるのです。
でも、いきなりは無理でしょう?
だから、はじめは数ヶ月の“猶予”が必要なんです。
離婚問題がひとまず落ち着くと、すぐには不安定になりますが、数ヶ月経つうちに、お互いも少し落ち着いていきます。
そうすると、しっかりと現状に向き合い易くなるんですね。
でも、それは同時に、「まあ、いいじゃないか」という甘えや、「このまんまで良くなるかも知れない」という馴れ合いにも陥り易いんです。
だから、その段階で、私はある提案をすることが多いんです。
それは「もう一度新婚旅行に行ってください」ということ。
二人の関係の再出発の象徴として。また、お互いを労うために、そして、もう一度、ロマンスを作り出すための提案なのです。
●セックスとロマンス
実は、離婚問題を扱っていくと、セックスレスやセックスそのものの問題をよく耳にします。そして、その危機を乗り越えた後は、急に解決するわけも無く、その問題は引き継がれていくのです。
特にセックスレスになりやすい傾向にあるかもしれません。
離婚問題を境にはきりと「溝」が出来てしまったのかもしれません。
セックスはお互いを繋ぐもの、親密感や愛情表現などの意味を持ちます。
だから、夫婦の間に溝や壁が出来てしまうとすれば、セックスはタブーになってしまいやすいんです。
しかし、「もう一度始める」のであり、男と女であり、パートナーシップであるということは、余程のことが無い限り、セックスは大切な要素になります。
また、そこに浮気の問題が絡んでいるとしたら、セックスがないことは、相も変わらず女性として否定されているように奥さん側は感じますから、一層辛いんです。
一方、離婚を切り出したご主人側とすれば、まだまだ自分を許せていません(罪悪感に苛まれます)。
だから、性の対象としてよりも、罪悪感の対象として奥さんを見てしまうことが多く、「もうセックスなんてしなくていいじゃないか」という態度を取ることも少なくないのです。
だからこそ、ここで許しのプロセスがとても大切になってくるんです。
それは、「私を被害者に、ご主人を加害者にしないこと」でもあります。
お互いにとって今回の問題は気付きと成長の宝庫であり、必要なものであり、だから、この問題は感謝できるもの、と感じていないと、また、帰ってきたご主人を追い出すようなことをしてしまいがちなのです。
離婚の危機に面した夫婦がセックス(それも、充実したセックス)を取り戻すには、それ相応の時間が必要な場合が圧倒的に多いんです。
セックスは心を解放しあうものですよね。
だから、不信感や怒り、痛みなどが強いうちは、できなかったり、形ばかりのものになりやすいんです。
だから、先の「新婚旅行」はいいきっかけになりやすいのですが、お互いを見つめ、愛し合うことで、二人の間にあったデッドゾーンという溝を乗り越えていくことができます。
そうすると、もう一度ロマンスを感じることができます。
しかも、デッドゾーンを越えた後のロマンスは、付き合い当初よりも10倍のエネルギーを持つと言われます。
何故かと言えば、何も知らなかった付き合い当初の二人ではなく、お互いに最悪な部分も見せ合った二人がお互いを選ぶわけですから、もう隠すものも何もないわけです。
そのとき二人は本当に対等な関係を結び、信頼しあい、愛し合うことができるようになっています。
対等性の元でなければ、信頼も愛も一方通行になってしまうんです。
すると、必ず二人の下に素敵なギフトがやってきます。
例えば、かわいい赤ちゃんが大きな贈り物としてやってきます。
例えば、将来のヴィジョンが二人の前に鮮やかに繰り広げられるようになり、一緒に生きていく存在であることが肌で実感できるようになるんです。
それを実感したとき、「この問題は二人にとって本当に大切で意味のあるものだった」と強く感じられることでしょう。
(完)