プレイボーイを求める心理~怖れと自己価値の証明~

失恋すると、もう二度と傷つきたくはないと思ってしまいます。

しかし一方では、心のどこかで情熱的な恋愛をしたいという本来の欲求も残っています。そうすると、失恋しても余り傷つかない恋愛を選ぶ事になります。
プレイボーイとの関係は、1対1の関係に比べて例え失恋しても傷つく事が少ない関係です。彼に選ばれない多くの女性仲間がいる事もその一つの理由です。

また、前の彼(男性)へのリベンジの気持ちと、他の女性との競争の中で勝利して自己価値を認めたいという気持ちがあります。
ここから抜ける方法は、失恋は私が悪いからと自分一人のせいにしない事です。そして私が悪いと感じる心理パターンを変えようと思い続ける事です。
そして、一人の人と一対一できちんと関わるおつきあいがしたいのであれば、先ずはそうする事を決意しましょう。今好きな彼かどうかはわかりませんが、きっと欲しい関係が手に入ると思います。

◎リクエストを頂きました◎
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プレイボーイにばかり惹かれてしまいます。
5年ほど前失恋して、そのあと、寂しさに負けて、それほど好きでもなかったプレイボーイとつきあっていた時期がありました。
その後も、不倫など、一番ではない存在か、誠実な人には好きになっても相手にされません。
それ以前は、誠実な人としかつきあったことがなかったのですが。今好きな人もやはりプレイボーイで、女性の影が常にあります。

前とちがってその人のことは本当に好きですし、できれば自分だけを見てほしいのですが、
「1人の人ときちんとつきあう」という概念自体がないようです。
もう一度、一人の人と一対一できちんと関わるおつきあいがしたいのですが、一度道を踏み外した私には、もう難しいのでしょうか?
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1.傷つきにくい恋愛

失恋は、とっても辛いものですね。
自分の全人格を否定されてしまった感覚や、失敗してしまった感じ、そしてもう二度と私の前にあんな素晴らしい人は現れないという絶望。身の置きどころの無い寂しさなどが襲ってきますね。
こんなに傷ついて辛い思いをするのであれば、もう二度と恋なんかしない、などと感じる人もいます。
リクエストを戴いた方の心の中でも、そんな気持ちが渦巻いたに違いないのではないかと思います。心のどこかでもう二度と傷つきたくはないと思ってしまったのでしょう。それは、頭で考えてわかる顕在意識の中にあるかもしれませんし、心の奥深く、頭で考えてもわからない無意識の中にあるかもしれません。
しかし一方では、心のどこかで情熱的な恋愛をしたいという本来の欲求も残っています。
何故ならば、大きく傷つくほど恋愛に情熱を傾けたい人なのですから。
一方では傷つくのが怖い、しかし一方では情熱的な恋愛をしたいとなると、その折衷案として失恋しても余り傷つかない恋愛を選ぶ事になりますね。のめり込むような恋愛は怖くてできなくなってしまいます。
プレイボーイには多くの女性の取り巻きがいるわけですから、1対1の真剣な関係を作るよりは緩やかに関係性を作り始める事ができますね。その男性の周りにいる大勢の中の一人になるのですから、逃げ出そうと思えば、いつでも逃げ出せるポジションです。そして、たとえその恋愛関係が上手くいかなくても色々な言い訳が成り立ちやすい相手でもあります。例えば、彼に選ばれない多くの女性仲間がいる事や、「彼はプレイボーイだから私も真剣ではなかったのよ」という感じです。そうすると、前の真剣な恋愛のように傷つかなくてすむ訳です。
不倫関係もある意味同じポジションです。「彼には奥さんがいるから」「彼は家庭を選んだのよ」と前の真剣な恋愛のように傷つかなくてすむ訳です。
しかし、実際に傷つかないかというと、そうではありません。傷つかないふりができるだけなのです。

2.リベンジ

もう一つの側面として、リベンジの気持ちが働く場合があります。
前の失恋で「私では駄目なんだ」という気持ちが心の中にあると、これをずっと感じ続ける事はとても辛い事ですね。どこかで「私はOKなんだ」という承認が欲しくなります。
プレイボーイの周りにはたくさんの取り巻き女性がいる訳ですから、その中で一番になれればそれを感じられる事になります。難しいと感じる相手であればあるほど自分の価値を認める事ができる訳ですね。前の彼(男性)へのリベンジと、他の女性との競争なのです。
しかし、実際に勝ってしまうと、相手に用は無くなってしまいます。目的を達成してしまったわけですから、何かつまらないと感じて次のより難しいターゲットを定め、そちらにチャレンジして、より高い自分の価値を認めたいと思うのです。

3.本当に欲しいものは何ですか?

以上の事から、リクエストを戴いた方は、まだ前の失恋を引きずっているという事になります。そこで受けた「私は駄目」というダメージを回復したいと無意識に操られてしまっている感じですね。
では、ここからどうしたら抜け出せるでしょうか?
もともと、失恋で傷ついたのは、「私は駄目」と感じて自己攻撃をしてしまった事ですね。
失恋は、どちらかが悪くてどちらかがいい、という結果ではありません。
人間は、誰しも様々な心のパターンや問題を抱えています。特に恋人や夫婦というのは一番近い他人の関係であり、それらがもろにぶつかり合う関係なのです。お互いがお互いに影響を及ぼし合う関係なのですね。
だからその中で相性も出てくるでしょうし、お互いに理不尽だと感じる事もあると思います。
先ずは、失恋が「私のせい」「私が悪い」という考え方、感じ方を止めようと思い続けられる事ですね。これは、心の癖ですから、何も恋愛関係だけに現れるパターンではありません。日常の様々なシーンで出てくる気持ちだと思います。そんな気持ちを感じる度に「また癖が出た」と認識され、「私のこのパターンを変えよう」と思い続けるのです。そうすると、無意識レベルにある心の癖も、だんだん無くなってきます。

さて、心理学の鉄則なのですが、私が相手から欲しい物を手に入れる一番良い方法は、先ず私からそれを相手に差し出す事です。
「一人の人と一対一できちんと関わるおつきあいがしたい」と思われるのであれば、先ずは自分がそれを心に決められてはいかがでしょうか?そしてそんな関係を作ろうとされてはいかがでしょうか?
今好きな彼かどうかはわかりませんが、きっと欲しい関係が手に入ると思います。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。