「自分にとってマイナスな発言」は、自分自身の未来に対して自分が否定的に見ている、という風にも捉えられます。
仕事を失う不安以上に、「自分自身に対して諦めを感じたり、悲観的になりすぎている」のかもしれません。
このような状態になってしまうポイントとして、「自分に対する評価」が考えられます。自己評価が低いと、「投影」によって、自分だけではなく、自分以外のものからも否定的に見られていると感じやすくなるのです。
すると、我々はあまりこの状態にい続けたいと思いませんから、場合によって「この状態から逃れよう」とする「防衛的な心理」が働き、自分自身を守ろうとするのです。その結果が「自分に対してマイナスな発言」となって現れることがあるのですね。
もしあなたが同じような状態ならば、あなたの心の中にどこか心の痛みや、自分自身に対する誤解があるのかもしれません。
◎リクエストを頂きました◎
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ここ最近の不況で私の職場でも人員削減のウワサがあり、従業者の大半に人事からの個別面談までありました。
今の仕事は好きなはずだったのですが、最近、部署が変わって馴染めなくいたこともあって士気が下がっていて、面談の時もうまく自己アピールができず、「私を辞めさせたいのならそれでもいいです」とマイナスな言い方をしてしまいました。
もし辞めても、この不況で次の仕事もそう簡単には見つからないだろうし、不安もあります。
何故このようになってしまうのか?心理学講座も取り上げていただけたら嬉しいです。
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「あの時、何であんな事を言ってしまったのだろう」
「ちゃんと自分の本心を言っておけばよかった」
時に私たちは、いろんな場面で「本当は自分をもっとアピールしたいのに上手く表現できなかったり、逆に自分に不利な表現をしてしまうこと」があるのかもしれませんね。
今回は「なぜ自分の本心とは違うことを話してしまうのか?」について考えてみたいと思います。
■それは「自分を守るための反応」かもしれません
今回いただいたリクエストにあるような「自分にとってマイナスな発言」は、自分自身の未来に対して自分が否定的に見ている、という風にも捉えられます。仕事を失う不安以上に「自分自身に対して諦めを感じたり、悲観的になりすぎている」のかもしれません。
このような状態になってしまう一つのポイントとして、「自分に対する評価」が考えられます。言い換えれば「普段の自分への扱い方」のようなものです。
例えば。
もし、あなたの自己評価が低いとしましょう。すると、自分で自分を否定することにどこか同意してしまいがちになりますよね。自分の至らない部分や欠点に意識は向きがちですし、自分の中でも自分に否定的な思いや心の声が聞こえてくることがあるかもしれません。
(リクエストの内容では「士気が下がっていて」「自己アピールが上手くできず」という部分がそれに当たりますね。そのような自分をどこか否定的に捉えているといった感じです。)
このような状態で私達が感じている感情があります。そのの一つが「罪悪感」
「罪悪感」とは「自分が悪かった」「自分には価値がない」といった、自己攻撃性を持った感情。「自分はダメだ~」と感じて自分を責めてしまうのは、この罪悪感がなせる業なのですね。
そして、この罪悪感という感情は、他人に写って見えることが多いのです。これを心理学で「投影」とよびます。
「投影」とは、自分が「自分の中にある感情」を周囲や人に映し出す心理作用のこと。
つまり、自分が自分に対して否定的であったり、攻撃的であった度合いだけ、この罪悪感は周囲に写ります。どこかで「他人も自分と同じように否定的なのだろう」「自分を責めようとしているだろうと」感じてしまうのです。
例えば、自分にどこか隠し事や後ろめたさがあると、人と接するときに少しぎこちない対応になってしまうときってありますよね?要は「自分の隠し事や後ろめたさを感づかれたくない」といった感覚。そのとき感じている感覚とよく似ています。
とにかく自己評価が低いと、自分だけではなく、自分以外のものからも否定的に見られていると感じやすくなるのです。
どうでしょう?この状態、あまり気分のいい状態ではありませんよね。
すると、我々はあまりこの状態にい続けたいと思いませんから、場合によって「この状態から逃れよう」とする「防衛的な心理」が働きます。
その結果が「自分に対してマイナスな発言」となって現れることがあるのですね。
リクエストの例で言うと、実際に「仕事を辞める」という選択をすれば、今の状態から逃れることが出来ますよね。自分の中で「自分が仕事を続けなければ」嫌な思いをしなくてすみますから。
また、相手から解雇通告を受けるより、自分から辞めると言うほうが、自分の心の準備が出来ている度合いだけダメージが少ないと感じている、とも考えられます。
どちらにしても、この「自分にとってマイナスな発言」は、現状から「自分を守るための心の反応」からくる、とも考えられるのです。
このような状態になる場合、自らの言動は理性の判断で行われていることは少ないですから、やはり感情的な判断が優先されがちになるもの。発言もどこか衝動的でその場限りの発言が多くなるかもしれません。故に、後になって冷静になると「それは困る」と思い、結果的に後悔となって跳ね返ってくるのですね。
■もっと自分を大事に扱ってみよう
ということで、普段から自分自身の欠点や至らなさばかりに意識が向いていたり、自分に対して低い評価を与えていると、自分の長所を見失うばかりか、上に書いたような、わざわざ自分自身にも痛みを伴い言動が出てくることもあるのですね。
もしあなたが同じような状態ならば、あなたの心の中にどこか心の痛みや、自分自身に対する誤解があるのかもしれませんね。
それがどこから来ているのか?を見直すことで、少しずつ自分自身に対する評価を変える事が出来ます。それは「自分をもっと大切に扱うという意欲」でもあります。自分の傷ついた心を癒して、自分を信頼する、即ち、自信を取り戻すのです。
つまり、自分本来の素晴らしさに出会うことで、この問題は解決できる側面がある、ということですね。
以上、みなさんの参考になれば幸いです。