自分の「芯」の部分を感じるためには、自分という存在、そして自分という存在のルーツに目を向けることが役に立ちます。
お父さんとお母さんがいて、自分がいる。そして、お父さんにもお母さんにもそれぞれお父さんとお母さんがいる。そうして連綿と続くあなたのルーツを辿り、そこにある(あった)「命」を感じることで、今自分が生きているという「命」と「存在価値」を感じることができます。
そうしたルーツを辿ることで自分の存在価値や愛を受け取る鍵になるのが、「許し」です。
●自分のルーツを肯定する
自分の「芯」の部分から湧き出てくる自信を感じるためには、自分という存在に目を向ける必要があります。
それは、自分のルーツ(起源)に目を向けることでもあります。
そのルーツを肯定し、尊敬と感謝の念を持つことができた時、自分自身の存在を肯定し、自分に対する尊厳を感じることができます。
もう少し具体的にしてみましょう。
あなたは、いつから存在していたのでしょうか?
あなたは、どうしてこの世に存在することができたのでしょうか?
大袈裟な書き方をしましたが、簡単です。
お母さんの身体の中で、お父さんの精子とお母さんの卵子が受精し、あなたという命を宿しました。
あなたが生まれてくる10~11ヶ月程前の話です。
1年弱の時間をかけてお母さんのお腹の中で成長し、あなたの誕生日の日に、あなたは生まれてきました。
・あなたのお父さんとお母さんがいたからあなたが存在している。
・あなたの半分はお父さんでできていて、もう半分はお母さんでできている。
好きか嫌いか、望むか望まないかは別として、これは事実です。
もし仮に、あなたが両親のことを全面的に肯定して、感謝と尊敬の念を抱いていたとしたら、あなたは揺るぎない自信を持っています。
「だって、お父さんとお母さんの子だもん!」といった感じです。
もし仮に、あなたが両親のことを否定し、怒りや恨みの感情を持っていたとしたら、あなたは自分に自信を感じることができません。
「こんな親から生まれたから自分は…」といった感じです。
このように、自分のルーツを肯定することができる分だけ、自分自身を肯定することができるようになります。
あなたのルーツは、お父さんお母さんだけではありません。
両親にも両親がいて、そのまた両親がいて…と、何代、何十代にも渡って連綿と命のリレーが続いた結果、今のあなたの命があります。
十代遡るだけで、1,024人のご先祖様の存在があります。
1,000人以上のご先祖様が自分の命を使って新しい命を育んだ結果が、あなたなのです。
あなたが生きているということは、そういうことなのです。
二十代遡ると、その数は100万人を超えます。
あなたの存在の後ろには、何千、何万という命があり、その命と想いと愛によって、あなたは生まれてきて、今、生きているのです。
その悠久の時と、幾多の命と想いと愛を思い遣ると、どんな気持ちになるでしょうか?
自分の存在、自分の命、そして、今、自分が生きているということについて、何を思うでしょうか?
あなたの大切な人もまた、そうして命を授かり、存在しているということについて何を感じるでしょうか?
そうした幾多の命と想いと愛が、過去だけではなく今の日常の中にもあることについて、どのように感じるでしょうか?
そこに喜びや尊さを感じている時、あなたは自分自身の存在を心から肯定していると言えるでしょう。
そして、決して誰かに侵されることも奪われることもない、揺るぎない自信が心を満たしているでしょう。
●鍵は、「許し」
「情けは人のためならず」と言いますが、「許し」もまた同じことが言えます。
あなたが誰かを許し、その存在を肯定することができた時、同時に自分自身を許し、自分自身の存在を肯定しているのです。
自分のルーツである両親やご先祖様を許し肯定することで、自分自身を許し肯定するだけでなく、許しに伴って出てくる感謝と尊敬の気持ちによって、何よりあなた自身がより多くの喜びや幸せを受け取ることができます。
そして、その両親やご先祖様に対する感謝や尊敬の気持ちが、あなたの自信と存在価値を、より大きく深く育んでくれるでしょう。
(完)