繰り返される片思いの心理

“誰かを好きになっても諦めなければならない”というような、同じような恋のパターンや「愛することへの恐れ」という罠にはまり続けている場合は、愛情や親密感に関して、とても傷ついた体験があり、いまだに過去の傷が癒えずに残っていることを示しています。

こういった体験や傷は潜在意識や無意識に埋もれていて、覚えていないものもありますが、今の恋愛パターンにも影響を及ぼします。
「心の傷」や「意識」とは不思議なもので、本人がその傷に気づき、癒そうと思うように、必要な状況や出来事を起こします。
心の痛みをともなう出来事や同じようなストーリーが何度も何度も繰り返されると、「何でいつも、こうなってしまうんだろう?」って考えさせられますよね。そこには無意識からのこんな意図が含まれているようでもあります。

「そろそろ、違うやり方があなたには必要なんですよ」
そのことに気づかせるための、人生のサインといってもいいでしょう。
そして、傷が癒えた時には、恋のギフトが待っていてくれるのです^^

◎リクエストを頂きました◎
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私の好きになる人はいつも決まって、学校の先生だったり、美容室の美容師さんだったり、習い事のインストラクターだったり、病院の先生だったりと、お客さんや、患者、生徒という立場でしか人を好きになれません。
その人が、優しかったり親身になってくれるのも、仕事上だからだとわかってはいます。告白したりなども難しいですから、恋愛に発展することもなく、片思いのまま終わってしまいます。
そして学校の同級生や、サークル仲間、会社の同僚など身近にいる男性は、恋愛対象としてみることができません。
どういう心理が潜んでいるのか教えていただけるとうれしいです。
(一部を編集させていただいています)
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最初の失恋のルーツ

いつも片思いに終わってしまう「好きだけれど諦めなければならない」といった恋のパターンのルーツはどこから来ているのかというと、その原体験は、家族との関係にみることができます。

いわゆるエディプス(エレクトラ)コンプレックスですね。

子供たちにとって異性の親は自分の初恋の人だと言われています。
なかには認めたくない方もいるかもしれませんが、基本的に私たちが「好きで好きで大好きなはじめての異性」というのは自分の父親や母親だったわけです。

エディプス(エレクトラ)コンプレックスは、異性の親をめぐる競争の心理を表すものですが、この異性の親に対する愛情というのは、成長段階で同性の親との関係から必然的に抑圧されることになります。

「パパのことが大好きでパパのお嫁さんになりたいと思っていたけど、パパが選んだお嫁さんはママだった!」というような感じですね(笑)

ここまでは誰でも経験する自然なことなんです。

ところが問題になるのは、ご両親の夫婦関係が危機にさらされていたり、家族の中に競争心理が紛れていて家族との絆が希薄であったり、十分な愛情が得られなかった場合です。

目上の人に対して威厳を重んじるような家庭で育った場合にも、親密感というよりもその人との心理的な距離を感じながら寂しさを抑圧していくことになります。

具体的には、「もっと甘えたい」「寂しい」「もっとかまって」などの感情ですね。
このような子供らしい感情も一緒に抑圧してしまうと、恋愛がうまくいかなくなったり、恋に悩んだりしてしまいます。

そこには異性の親に対する未完了な思いが隠れているともいえます。

また、欲しい愛情が得られない、あるいはタブーとして抑圧した度合いだけ、そういった対象への思いや欲求は潜在意識に深く刻まれることになります。

ですから、意識の上ではすっかり忘れていても、潜在意識が未完了な問題を完了させようと私たちが忘れたころにリベンジを図ろうとするのです。

同じような感情を自分より年上の兄や姉に感じる場合もあります。
年上の兄や姉は幼い自分にとっては何でもできるあこがれの存在です。

とっても大好きな存在なんだけど、お兄ちゃんやお姉ちゃんは幼い妹や弟には眼中なく、「あっちいってよ~」なんて追い払われたり、自分のことに夢中でかまってくれないというような態度にも幼い恋心が深く傷ついてしまうことがあるんですね。

同じようなパターンを持つ場合でも、ハートブレイクの原体験につながる人物が誰だったかで、無意識に心惹かれる対象も人それぞれ違ったケースになります。

●片思いにみる権威との葛藤

また、心理学では学校の先生や病院の先生など、その道の専門化をはじめ、親・上司・先輩・祖父母など、従うべき尊厳のある立場の人をさして「権威」と言ったりします。

職場での人間関係で、特に上司との関係にでてくる葛藤として、“権威との葛藤”というお話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。

簡単に説明すると、「自分より目上の権力を持っている人」に対する心理的な葛藤をさしています。

恋の対象として、こういった立場の方に心が惹かれてしまうけど、いつもその恋が成就しないという場合方にも、この“権威との葛藤”があり、権威との心理的距離が葛藤となって恋愛心理に現れてきます。

「とっても素敵な方だけど、私とお付き合いをするなんて、きっと無理に違いない」
「立場が違うんだから、どうせ、恋愛対象としてみてくれるはずかない」

など、そこには権威に対する「あこがれと諦めのパターン」があります。

“好きだけど、諦めなければならない”といった想いは、このようなパターンを持つ人が知らずと大事にしてしまっている信念でもあります。

心の深いところでは、「大好きな人から愛されるはずがない」というような思い込みや「自分はあんなに素敵な人(対等)になれるはずもない」という思いが隠れているんですね。

恋心を抱いた対象との親密さやコミュニケーションをとろうする代わりに、自己完結型の諦めを選んでしまう人は「自分は愛されるはずがない」といった無価値感が強いといえるかもしれません。

そして、この無価値感があると、与えられていることに気づけなかったり、心から受け取ることができないので、その結果、自ら相手との距離をとってしまうことになるのです。

無価値感が強くある場合は、心の痛みを伴っていることが少なくないので、無価値感が強くなっていった、原体験的なものをじっくり癒やしていかれると良いと思います。

●家族との絆を癒す

こういった問題をきちんと解決するためには、誰に対するどんな感情なのか、しっかりと意識化する必要があります。

特にこういうケースでは、心の中で失われた「父親との絆」をもう一度取り戻すことが大切です。
あなたが男性であれば「母親との絆」になりますね。

カウンセリングでは、その原体験の痛みを見ていき、その時感じた感情を感じ
てもらいます。

一旦その痛みを大人になった今の自分が受け止めることで意識にあげていき、そうして、その感情を解放していくアプローチを取りながら過去を理解しハートブレイクを手放していきます。

父親との絆、父親からの愛情を取り戻したり、感じたり、思い出すことが大切なのは、それを癒さないでいる限り、真実のパートナーではなく、父親の残像を無意識に追い求めてしまうからです。

見つけてしまえば、それを誤解として手放すことができるのです。

あるいは、今ある人間関係の中で父親代わりになってくれるような先生や上司、先輩と良い関係を持つことで、父親との関係に横たわっていたわだかまりが変容していくこともあります。
その人とのコミュニケーションの中から得た気づきを使って父親を理解することで、結果、父親との関係も良好になって行くことがあるのです。

そうすることで、男女関係に父親との葛藤を持ち込まず、幸せな恋愛関係を手にすることができるようになります。

一人でやるのは難しいそうだなと思う時や、頭ではなんとなく理解できるけど感覚的につかめない時、やってみたけどコツが上手くつかめない時などはカウンセリングを上手く利用してみてくださいね。

この記事を書いたカウンセラー

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恋愛、夫婦関係、職場の人間関係、転職・キャリアほか、自己実現など幅広いジャンルに対応する。 わかりやすいレクチャーをモットーに、感覚やインスピレーションを活用するハートフルなセラピーとの両面で癒しのプロセスを後押しするのが強み。自分のペースで気づき、変化、成長できると好評である。