自立的な生き方をしている時は、一人で頑張り、一人で問題を背負う、一人で戦います。
このやり方が成功をもたらす時期もあるのですが、やがてデッドゾーンのステージにはいっていくと、このやり方が通用しなくなり燃え尽きをもたらします。
デッドゾーンのステージがやってくるということは、この自立的なやり方を手放して新しいやり方を手に入れましょうという生まれ変わりのメッセージでもあるのです。
●一人で生きる生き方から、誰かと共に生きる生き方へ●
『シェーン』という映画をご存じでしょうか?
西部開拓時代のアメリカを舞台にした映画でずいぶん古い映画です。
この映画の主人公の流れ者のガンファイターであるシェーンが悪党から開拓農民の村を救う物語です。
悪党を倒した後、シェーンは馬に乗って村を去って行くシーンがあります。
シェーンを慕う村の子どもの「戻って、シェーン!シェーン、カムバック!」の声を後に村を去っていきます。
シェーンは一人で悪と立ち向かい勝利という成功を得るのですが、慕われて平和に暮らすというご褒美を受け取らず去っていくんですね。
そして一人で生きていくんです。
とっても自立的な生き方です。
映画の解釈はそれぞれですが、自立タイプや、デッドゾーンの特徴が学べる映画ともいえます。
デッドゾーンでは、一人で頑張って成功を手にするんですが、本人的には成功している感じがしません。
一人で問題を背負う、一人で戦う、愛と親密感とは離れた生き方をします。
自立が極まりデッドゾーンにはいると、燃え尽き感、義務と役割、倦怠感、失敗感、死んだような感覚、自分は偽物のような感じ、無感覚などを感じます。
これは、自立的なやり方には限界がきましたというメッセージでもあるんです。
一人で頑張る自立的な生き方が頭打ちになり、次の生き方が求められるんですね。
なのでデッドゾーンのステージは、生まれ変わりのステージでもあるのです。
一人で問題を背負う、一人で戦う、愛と親密感とは離れた生き方から、助け合っていく、一緒にやっていく、誰かと共に生きていくやり方に変えていくことが求められるんです。
新たなやり方に変えていく、新たな生き方に変えていくので、生まれ変わるステージでもあるんですね。
しかし、デッドゾーンのステージに行くくらい、自立をしてきた人にとって、自立を手放して誰かに頼ってみましょう、助け合いを大切にしましょう、誰かと一緒にやっていきましょう、つながりを大切にしましょう、愛と親密感を大切にしましょうというやり方に変える時に抵抗感がでることがあります。
エゴのマインドが「一人で頑張るのをやめるとダメになってしまうのでは?」「誰かに頼ると拒絶されて傷つくかもしれないぞ」「自立を手放すと人に依存をして奴隷のような生き方になってしまうぞ」「つながりとか愛とかが何の意味があるんだ」などの声をささやきかけてきます。
それは一人で問題を背負う、一人で戦う、愛と親密感とは離れた生き方を手放さないように必死で働きかけてくるんですね。
エゴがささやく声は巧妙でもっともらしく聞こえるので、ついついエゴの声に耳を傾けてしまうのですが、デッドゾーンを抜け出す為にエゴの声を振り払うことがいるんですね。
このエゴの声を振り払う為に、「もう一人で問題を背負って、一人で戦って、一人で頑張る生き方を手放すんだ」「今のやり方だと今の状態のままなんだ!今のやり方を変えよう」「この生き方を変えよう」など、今までのやり方を変えるコミットをしてみるんですね。
一人で考えていると、ついついエゴがささやく心の声にはまりやすいようです。
ですので、デッドゾーンから抜けるようとする時は誰かにサポートしてもらうといいでしょう。
また誰かのサポートを受けること自体が、一人で頑張るパターンを変えることにつながっているのです。
>>>『デッドゾーンの心理学(3)~義務と役割と規則~』へ続く