「好き」だけでなく、私達の心は「ワクワクすること」「喜び」「楽しみ」が大好きで、それを得られるためならば、普段以上の力を発揮して頑張ってしまうものなんです。
それを「感情的メリット」と名付けてみました。感情レベルで得られるメリット、報酬のことで、物理的な報酬よりも遥かに大きなモチベーションを与えてくれるものなのです。そして、その生き方は“ヴィジョンを生きる”ということとなり、さらなる好循環をもたらしてくれるのです。
●理性的な「意味」では動けない=感情的メリットを探す
「頭では頑張らなきゃいけないって分かってるのに・・・どうもモチベーションが上がらない・・・。」
そんな思いを抱くこと、ありませんでしょうか?
心理的に見れば、ストレスが溜まっていたり、本当にやりたいことじゃなかったり、義務感に追われていたり、“やりたくないなりの理由がある”という見方をするのですが、ビジネスの世界ではちょくちょくこういう場面に出会うものだと思うのです。
前回「好きを持ち込んでみる」という話をしました。
今回はその続きになるのですが、「好き」に限らず、心がわくわくすること、ついニコニコしてしまうものに対して私達は勝手にモチベーションが上がっていきます。
なぜかというと、私達は、このワクワク感、喜び、楽しみが大好きだからです。
もっといえば、達成感や一体感、満足感、充足感など、心が震えるものが大好きなんですね。
だから、それが得られると思えば、自然とモチベーションは上がっていくのです。
それを“感情的メリット”と言ってもいいでしょう。
実際に報酬や名誉などの目に見える形のご褒美が与えられる場合もありますが、それ以上にこの感情的メリットは私達のモチベーションに対して重要な意味を持ちます。
「感情的」なわけですから、決して、頭で考えられるものではありません。
だから、頭で分かったとしても、心が付いて行かなければ意味がないのです。
むしろ、「これを頑張ったら、あの報酬が手に入る」と頭だけで理解してムチを入れたとしても、それは犠牲になってしまうのです。
その結果、たとえ成功して報酬を手に入れたとしても、期待通りの喜びは得られないでしょう。(これを繰り返すと、燃え尽き症候群になっていきます)
頭だけなのか、感情的メリットなのかを判別するのは、実はそれほど難しくありません。
つい「でもなあ・・・」と言い訳探しをしてしまうのが前者で、「よっしゃ!」と思えるものが後者です。
具体的には「このテーマをクリアしたら、どんな感情的メリットが得られるのか?」をじっくり想像してみるんです。
このイマジネーションはものすごく大事です。
どれくらい達成感が得られるんだろう?
どんな喜びがやってくるんだろう?
どんな風に心が震えるんだそう?
そんな想像を掻き立てるんです。
そうすると、モチベーションが湧き上がってくるのが感じられるでしょう。
そして、面白いことに、このモチベーションが上がってくるときには、既に“成功した気分”なのです。
すでにその達成感を味わい、喜びを感じ、そして、心が震えています。
つまりは「ヴィジョンを生きる」という状態になっているのです。
これは感覚の先取り効果があって、故に、成功確率が非常に高まり、更に現実的にその達成感を味わうことができるようになるのです。
>>>『モチベーションの心理学(4)~最大の感情的メリットとは~』へ続く