脱「いい人」へのアプローチ(1)~「いい人」ほどやめられない~

カウンセリングやワークショップで、多くの「いい人」とお話をさせていただきます。

元々いい人なのにいい人を頑張りすぎて疲れてしまったり、いい人ゆえに傷ついてしまったり、いい人をすることでその人らしさが出せなくなってしまっていたり、時には自分で自分の気持ちがわからなくなってしまっていたり…
そんな時、「もう、『いい人』やるのを終わりにしてみませんか?」という提案をさせていただくことがあります。

今回の心理学講座では、「いい人」をやめることで、ありのままの自分でいられる自由さや楽さ、そしてたくさんの「ワクワク」が手に入る、脱「いい人」へのアプローチを紹介します。

カウンセリングやワークショップでお話を伺っている時に、よく感じることがあります。

それは、「この人、いい人だな~」ということです。

例えば。

「浮気をした旦那さんを許して、もう一度信頼できるようになりたいんです。」

「でも、どうしても感情的に納得できないし、信頼することができないんです…」

「裏切られたという気持ちがどうしても消えないんです……」

こんなお話を伺った時、「この人は、なんていい人なんだろう」と思うのです。

そして、「いい人な分だけ深く傷ついて、いい人な分だけ苦しい思いをされているなぁ…」というふうにも思います。

そんな時、こんな提案をさせていただくことがあります。

「これまで本当に頑張ってこられましたが、もう、『いい人』やるのを終わりにしてみませんか?」

「『いい人』やるのをやめると、状況がいい方向に変わるかもしれませんよ」

お客様はこの提案を聞いてびっくりします。

まず、自分で自分のことを「いい人」だと思っていないので、「いい人」と言われたことにびっくりします。

そして、「いい人」をやめることで状況をいい方向に変えるというアプローチにびっくりします。

そして、「いい人」をやめることに対して少なからず抵抗を感じます。

その抵抗は、「いい人」ほど大きくなる傾向があります。

そこで、「いい人ほど『いい人』をやめることに抵抗を感じるんですよね」と伝えると、いい人ほど「いや、私はそんなにいい人ではないです」と否定します。

話が少しややこしくなってしまったかもしれませんので、一旦仕切り直します。

 

「いい人」にとって、「『いい人』やめませんか?」というのは、

「それじゃあ、私に悪い人になれというんですか!」
「じゃあ、今までの苦労は何だったんですか?」

と、時として怒りを誘うことがあります。

その怒りは、「悪い人」にならないように、「いい人」であるために頑張ってこられた証の1つなのだと思います。

もちろん、「『悪い人』になれ」と提案しているわけではありませんし、「いい人」をやめたからといって、「悪い人」になるわけでもありません。

頑張って「いい人」をしている人というのは、心のどこかに「自分は悪い人だ」という自己概念を持っています。

その「自分は悪い」というのを隠すために、頑張っていい人をしている部分があります。

だから「『いい人』をやめる=『悪い人』になる」という発想になるのかもしれません。

でも、それは真実ではありません。

「いい人」をやめるとどうなるかというと、楽で自由になるだけなんです。

しかも、自分の大切な人を大切にしながら、自分らしく生きることができるようになるんです。

そこで、私は、「いい人」を頑張ることで疲れたり傷ついてしまった人に対して、

・「いい人」でいようとする心理
・頑張って「いい人」をすることで出てくる弊害
・「いい人」をやめるためのヒント

…等をお話させていただくことで「『いい人』やるのを終わりにしてみませんか?」という提案の真意を理解していただき、それを望む人にはサポートをさせていただいています。

 

今回の心理学講座では、「いい人」でいることで疲れてしまった人のために、脱「いい人」についてのお話を4回に渡ってお届けします。

>>>『脱「いい人」へのアプローチ(2)~「いい人」の裏に隠れた我慢と依存~ 』へ続く

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