嫌われないために「いい人」をやるというのは、「いい人」という鎧や仮面を身に纏って生きているようなもので、鎧の重さや仮面の息苦しさや視野の狭さによって、ちょっとしたことでも疲れやすい状態ということができます。
そればかりか、その鎧と仮面を身に纏うことで、人との間の距離が埋まらず、愛や評価を受け取ることができなくなってしまいます。
いるというお話をしました。
愛されるために「いい人」を頑張るのは悪いことではありませんが、時として、その頑張りほどに報われなかったり、頑張るほどに欲しいものが遠ざかっていくこともあります。
今回は、そんな、「いい人」を頑張ることで欲しいものが遠ざかっていくことについてのお話をしたいと思います。
いい人を頑張るというのは、「いい人」という鎧や仮面を纏って生きるようなものです。
鎧は重いし、仮面をつけていると息苦しいのですが、それでも、その鎧と仮面を纏うことによって愛されるのなら、その苦労を厭わない…
というのが、「いい人」であるために頑張っている状態です。
鎧や仮面を纏っている本人は、その鎧や仮面を纏うことで人との距離を近づけようとするのですが、まわりの人からすると、鎧や仮面を使って自分から距離を取られているように感じます。
あなたは、自分との間に隔たりを作って距離を取ろうとする人は好きですか?
「まぁ、私からそんなに遠ざかるなんて、素敵な人だわ」「隔たりが大きければ大きいほど、好きになっちゃうのよね」という人は、あまりいませんよね。
鎧や仮面を纏うことで「いい人だ」と評価や愛情を与えてもらうことはできます。
ところが、鎧や仮面を纏っている本人は、そうした評価や愛情を受け取ることができなくなってしまいます。
「いい人」をすることで「あなたはいい人だね」と誉められても、自分が誉められているというふうには感じられず、自分が纏っている鎧や仮面を誉められたとしか感じられないのです。
「いい人」をすることで、「そんなあなたが好き」と言われても、自分が纏っている鎧や仮面が愛されているとしか感じられません。
それどころか、まわりの人が愛せば愛すほど、「本当の自分を愛されているわけではない」という思いが強化されていきます。
このように、「いい人」という鎧や仮面を使うことで手に入れようとしたものが、その鎧や仮面を使うことで遠ざかっていってしまったり、手に入らなくなってしまうことが起こるのです。
逆に、その鎧や仮面を脱ぎ捨てることで、人との距離は縮まり、愛を受け取りやすくなります。
こんな話をした後に、次のような質問をさせていただくことがあります。
「それでも、まだ『いい人』を続けますか?」
「『本当の自分が愛されている』という感覚を感じたいとは思いませんか?」