人間関係は代理戦争?(1)~パートナーに映し出す過去~

人と人との関係で、ありのままの、素の状態で向き合い、付き合うことって実はとても難しいことなんです。

「投影」が起こり、少なからず、その人の“過去”を相手に映し出してしまうからです。
それはすなわち“代理戦争”と例えることができるんです。
昔の彼に言いたかったことを、今の彼にぶつけてみたり、ご両親から満たされなかったものをパートナーに求めたりしてしまうようになり、関係性を悪化させるばかりか、誤解やすれ違いをたくさん生じさせるようになるんです。

「本当は好きなのに、でも、愛せない」そんな苦しい状態を作り出してしまうのです。
しかし、そのことに気付き、その投影を手放すと、より素の状態で相手を見つめ、お互い向き合えるようになるんです。
そこでは、本当に人と人との“裸の付き合い”があり、信頼関係と共に、心の中に平和を築くことが出来るようになるのです。
今回はその原因と対策について4回シリーズでお届けしたいと思います。

●パートナーに映し出す過去

こんな経験、したことありませんか???

あなたのパートナーが、あなたに不安をぶつけてきます。

「いつかは捨てられるのではないか?」「

「自分よりも魅力ある人になびいてしまうのではないか?」

「自分は何も役に立っておらず、申し訳ない気持ちでいっぱいになる・・・。」

それを聞いているあなたは何か不思議な感覚、違和感を持ちます。

「自分は別にパートナーを捨てようと思ったことはないのに・・・」

「魅力を感じるし、その存在にずいぶんと助けられているのに・・・」

「しかも、そのことを事あるごとに伝えてきたはず・・・
でも、なぜ、そんなことを言うのだろう?
まだ足りないというのだろうか?それとも伝わっていないのだろうか?」

こうした不安をぶつけられたとき、もしかしたら、それはあなたを通して、別の誰かに伝えたいメッセージなのかもしれません。
つまり、その言葉は必ずしも「あなた」に向けられたメッセージかどうか、限らないのです。

私達の心のパターンには「投影」といって、目の前の人に別の人に向けた感情を映し出す傾向があります。

大人になって様々な経験を積めば、その人をありのままに見ることは実は少なくて、色んな影を相手に見ながら人間関係を築いていくことの方が多いくらいなんです。

つまり、あなたのパートナーが過去に「ひどく捨てられた」経験があるとすれば、それをあなたにも被せてしまうことが少なくないんですね。

つまり、「前の人に捨てられたように、あなたにも捨てられるかもしれない」という感覚を持ってしまうんです。

いわば、あなたは昔のパートナーの代理人のような状態になってしまうわけです。

逆に、もしあなたが不安をぶつけてしまったことがあるとしたら、チェックしてみて欲しいんです。

その不安をぶつけたいのは、ほんとうに目の前に居るパートナーなのか?というところ。

もし、あなたが過去の恋において、一生懸命頑張ったのに捨てられた経験があったり、別の魅力的な人に恋人を取られた経験があったり、そして、無力感や無価値感をずっと感じてきたりしたのであれば、その経験を今のパートナーに投影し、まるで同じ事をされるような不安ちを持ってしまうんです。

それくらい今のパートナーというのはあなたの心を映し出す鏡なんですね。

そして、あなたの今のパートナーは時に前のパートナーの姿になり、さらにその前のパートナーになり、さらにはその前の、時には片思いだった人の、そして、やがてはあなたの両親へと自在に変化するのです。

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それはまだ手放しきれていない経験、癒されていない過去の思いが今のパートナーに映し出されているのです。

だから、今のパートナーを見つめ、愛していくことで、過去の思いも清算できるようになります。

ただ、怒りにせよ、不安にせよ、今の彼のものではない部分をぶつけていますと、関係性を悪くしてしまいますよね。

今のパートナーからすれば“言いがかり”をつけられたに等しくなりますから。

だから、「あ、これは今の彼に向けたものじゃないな」と思ったら、素直に謝るようにしてみましょう。ちょっと勇気は要りますけれど。

そうすると、彼も一緒にあなたの過去を癒すお手伝いができるようになります。

過去のパートナーに対するものなのか、今のパートナーに対するものなのか、感情ですから、その見極めは難しいのですが、その時分からなくてもいいんですね。

あとから振り返ったときに気付けばいいんです。

>>>『人間関係は代理戦争?(2)~溢れ出る思いもよらない感情~』へ続く

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