自意識過剰の心理~自然に振舞えるようになる為に~

誰といても自然な自分を表現できると、とても楽です。

ところが、自分に意識が向きすぎると「どう思われているのだろう?」「嫌われないかな?」などの怖れや不安が出てきて、過剰に人から自分がどう見られるかが、気になりだし、自然な自分というのが、出せなくなってしまうことがあります。自意識過剰な状態になってしまうわけです。

自意識過剰とは、「自分を見つめる他人の目」が、異常に気になることです。
自意識過剰になってしまうには、ちゃんと理由があります。昔、誰かに自分を受け入れてもらえなかったなどの、心の傷から、受け入れられるような自分になろうと、自分を監視する他人の目を、作り出してしまうのです。
原因となる過去の傷や痛みを癒していくことで、自意識過剰から抜け出すことができます。

◎リクエストを頂きました◎
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自分は女性、特に美人な人やとても外向的な人、また、尊敬できるような人と一緒にいると自意識過剰になってしまいます。
緊張して自然に振る舞うことができなくなってしまうのです。

その結果、打ち解けるまでに時間がかかります。
自分なりに分析してみると、これは“嫌われたくない”“良く見られたい”“自分に自信がない”という意識の現れだと思うのですが、さらに深く分析していくとどういうことなのでしょうか?
誰とでも自然に振る舞えるようになりたいです。
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自意識過剰というのは、自分を意識する心のことです。

「人からよく見られたい」「人からどう思われているか」「人から嫌われたくない」などのように、常に他の人のから自分がどう見られるかを意識する心なんですね。
自分を意識しているのに、他の人を意識するというのは、何だかややこしいですが、「自分を見つめる他人の目」と、考えていただえると、少しはわかりやすいかなと思います。
自意識過剰な状態になると、心の中に恐怖や不安が生まれます。今まで自然にできていた会話や、態度ができなくなったりします。

リクエストをいただいた方の場合は、「美人」「外交的」「尊敬できる」という要素を持っている人といると、特に自意識過剰になってしまうわけですから、「美人」「外交的」「尊敬できる」という要素に対して、何らかの恐怖や不安があるということになります。

なにも、「美人」「外交的」「尊敬できる」そういう人を単純に怖いと思っているわけではありません。
そういう人を前にしたときに、自分の心の中に恐怖や不安が生まれる状態になるのです。

どうしてそういうことになるのか?ですが、美しい人、外交的な人、尊敬できる人というと、何だか素晴らしい人という感じがしますよね。
そういう「素晴らしい人と一緒にいる自分」に意識が過剰に反応してしまい、「それに比べて自分は・・・」「自分はどんな風に見られているんだろうか?」「変な奴だと思われたらどうしよう」という恐怖や不安につながっていくわけです。
つまり、自意識過剰の下には、恐怖や不安があるというわけですね。

緊張して自然に振舞えないのは、恐怖や不安があるからなのです。
怖い時、不安な時というのは、身体がガチガチに硬い状態になりますよね。身体が硬い状態ですと、心も硬い状態、、つまり緊張する状態になるのです。
身体の緊張を和らげるには、ストレッチをしたりして、身体を伸ばしていきます。
心の緊張を和らげるには、恐怖や不安の元を発見して、取り除いていくのです。

誰といても、「嫌われる不安や恐怖」を感じない状態であれば、常に自然に振舞えるようになります。
だからと言って、「嫌われる不安や恐怖を感じないようにしよう」と思っても、なかなかうまくいきません。
心の緊張を和らげていくには、どうして嫌われる不安があるのだろう?と原因を探る質問を、自分自身にしてみる必要があります。

不安や恐怖を感じるようになったのにも、何か必ず原因があるはずなのです。
例えば、人に認めてもらえなくて、すごく傷ついた経験があるとか、自分は人に嫌われるんだと、感じるような出来事があって、ものすごく傷ついた経験があるとかですね。
何らかの痛みがあって、もう二度とそんな目には会いたくないという思いから、「人に嫌われない自分」に意識が集中しているのかもしれません。

自分にはいったいどんな痛みがあるのだろう?
いったい何に恐怖や不安を感じているのだろう?
何があって、恐怖や不安を感じるようになったのだろう?
そんなふうに、自分の心を少し掘り下げて見ていくといいと思います。

そこで気付いた恐怖や不安を感じる原因を癒していくことで、必要以上に「人に嫌われない自分」に意識が向かなくなります。
「人に嫌われない自分」に意識が向かなくなるということは、自意識から解放されて「自分は自分」と、自分自身を受け入れている状態になるということですから、誰といても自然に振舞えるようになってきます。

 

この記事を書いたカウンセラー

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恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より3冊出版。