今回のテーマは、「聴き上手」です。
聞こえてくるものを耳にする「聞く」よりも、より能動的・積極的に耳を傾ける「聴く」というのが上手にできる人というのは、愛されます。
「話を聞いてほしい」という多くの人が持つニーズを満たすことができるからというだけではなく、「聴く」ことができる心の余裕を持っているというところが、魅力になるのです。
●「聴き上手」になろう
まずは、「聴く」についてです。
「聴く」というのは、ここでは、聞こえてくるものを耳にする「聞く」よりもより能動的・積極的に耳を傾ける状態のことを言います。
「聴く」というのはコミュニケーションにおいて非常に重要なものになります。
それはどうしてかというと、私達の心には、「自分の話を聞いてもらいたい」という欲求があるために、自分の話を聴いてもらえることで心理的な距離が縮まり、逆に、聴いてもらえないことで不満を感じたり、距離ができたりする要因となるのです。
ちょっと想像してみていただきたいのですが、人と話している時に不満を感じることがあった時、「自分の話を聞いてもらえない」という不満と、「相手の話の話を聞けない」という不満とでは、どちらが多いでしょうか?
どちらが多いか?と聞かれると、多くの人が前者を選ぶのではないかと思うのですが、いかがでしょう?
「自分の話を聞いてもらえない」という不満は、非常に多くの人が抱く不満です。
裏を返すと、「聴く」ことでその不満を解消し、ニーズを満たすことができると、それが相手の心を掴んで、その人との距離を縮めることにつながるということになります。
●「聴き上手」になる秘訣
「聴き上手」になる秘訣は、とてもシンプルです。
それは、「相手に興味を持つ」ということです。
シンプルではあるのですが、なかなか難しくもあります。
「ふむふむ、相手に興味を持つことで聴き上手になれるのか、じゃあ、相手に興味を持ってみよう」
そうして頑張って相手に興味を持とうとしている時、「自分がちゃんと興味を持つことができているだろうか?」と自分に興味を持っていた…というようなことは、とてもよくあることです。
「自分の話を聞いてもらいたい」という欲求があるというのもそうなのですが、私達の興味や意識は、しばしば自分に向いています。
ですので、相手に興味を持つということがうまくできなくても、それはある意味当たり前で、それ自体は大きな問題ではありません。
ただ、あなたの心が何に興味があって、どこに意識が向いているのか?というのを把握しておくことは大事なことです。
私達の心が興味を持っているところには、欲求が隠れています。
その欲求に気づいてそれを満たしてあげることはもちろんなのですが、その欲求を満たすことができなかったとしても、ただその欲求の存在に気づいてその存在を認めてあげるだけでも、心は軽くなります。
そうして心を軽くしていくことは、言い換えると、心に空きスペースを作っていくことでもあります。
その空きスペースの広さと、相手に興味を持てるようになる度合いは比例関係にあります。
イメージ的には、その空きスペースが、興味を持った相手を入れてあげるスペースであるという感じ、というと、想像がつきそうでしょうか?
「聴き上手」の秘訣である「相手に興味を持つ」ができるようになるためには、まずは自分の興味や欲求に気づいてそれを受け入れるということから、心の空きスペース作りを始めてみることをお勧めします。
>>>『魅力アップの心理学「きき上手」(3)~「訊き上手」になろう~』へ続く