受容の力

ある人物や状況に対して、否定や否認の気持ちを抱いたままでいると、気分が悪いものですよね。

頑固にずっと抵抗し、批判し続けなければならない分だけ、自分のエネルギーをたくさん消耗してしまうのに、人も状況も変えることができません。
それはまるで「自分が無力で、役立たずで、そして神は理不尽である」と証明するようなものです。
どうしようもないとき、かなわないとき、それはそのすべてを【ただ受け入れる】ことが求められています。

【受容性】は女性性の機能ですが、男性でもそれを持つことができると、魅力的なリーダーシップやカリスマ性となって現れます。
男性性と女性性のバランスがうまくゆくと、物事に楽に対処でき、幸運の流れに乗っていられるのです。
厳しい状況下や、人生の荒波の時期にこそ、ぜひ女性性を受け取ってみてください!

◎リクエストを頂きました◎
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父との関係で困っています。かんしゃくや偏見や差別発言が多くて、そういうのは嫌だなと感じるのと、すぐ怒鳴り散らすので大きい声とかも苦手です。そういう父を嫌っているせいか、周囲の威圧的な態度の人がすごく目障りに感じます。怖いし、反論もせずその力に屈してしまう自分もいやです。そういう人たちとの関わり方・付き合い方をリクエストします。
(一部を編集させていただいています。)
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リクエストをありがとうございます。
御依頼者は「対立」「競争」などの男性社会のストレスを、お父様を通じてヒシヒシと肌で感じていらっしゃるのでしょう。
こういったストレスを緩和するのに、とても役に立つものがあります。
それは女性性です。【受容性】と言ってもいいでしょう。

【受容性】は女性性の機能ですが、男性でもそれを使うことができると、魅力的なリーダーシップやカリスマ性となって現れます。
男性性と女性性のバランスがとれているとき、物事に楽に対処でき、幸運の流れに乗っていられるのです。

●抵抗することはいつまでも続く

ある人物や状況に対して、否定や否認の気持ちを抱いたままでいると、気分が悪いものですよね。頑固にずっと抵抗し、批判し続けなければならない分だけ、自分のエネルギーをたくさん消耗してしまうのに、人も状況も変えることができません。
「自分が無力で、役立たずで、そして神は理不尽である」と証明するようなものです。

どうしようもないとき、かなわないとき、それはそのすべてを【ただ受け入れる】ことが求められています。

『抵抗することは、あなたが受け入れるまで、ずっと続く』という言葉があります。
言い換えれば、受容力さえ身につければ、状況はどんどん変化してゆく。人生の流れに乗って、楽で簡単に物事に対処できるようになるのです。

●愛を選択する

自分の大切にしている好みの考え方や正しさよりも、ただ相手と繋がってみようという意識をもってみましょう。繋がることは愛の行為です。
「正しさ」と「愛」は両立しません。どちらか一方しか選ぶことはできません。
「正しさ」と「愛」どちらを大切にしたいですか?

偏見に満ちたことをいう人、聞く耳を持てない人、癇癪を起こす人は、もう無力感でいっぱいいっぱいなのかもしれません。その人が欲しいのは、心のゆとりなのかもしれません。ただ、優しく受け入れてほしいだけなのかもしれません。自分の欲求を自覚できないくらい、一人で頑張り続けてきたのかもしれません。
そんな寂しいお父さんの味方に徹することができたら・・その時に初めて、お父さんはあなたの話にも耳を傾けてくれるのかもしれません。

●悩み・問題の下には才能がある

人は、100%不可能なことでは悩みません。
あなたがそれだけお父さんのことで悩み、怖い嫌いと感じながらも、心から排除できないのは、あなたにそんなお父さんを助けてあげられる才能があるのでしょう。
それをどこかで知っているからこそ、お父さんを受容できない自分を責め続けているのではないでしょうか。

●受容と信頼が奇跡をもたらす

人間が自分から悩みを深くしてしまう自己攻撃の習性について、うまく例えている話があります。
飛行機の事故などで砂漠に遭難したとき、助けを求めて歩き回った人から先に死んでいくという話です。
砂漠の真ん中はどこを見ても360度おんなじ砂の景色ばかりで、どうしていいかわからなくなります。でも動かずにいられないのです。怖くて、じっとしてはいられない。まさか、空から救助がやってくるなんて信頼できないんです。だって、自分は空から落っこちたせいで、こんな酷い目に遭ってしまったのですから・・だからつい、救いがないのを分かっていても歩き回ってしまうんですよね。不安で不安で仕方がないから。でもそれで、気力も体力も使い果たしてしまうんです。
砂漠の救助隊によれば、じっとしていた人、辛抱強く待つことのできた人のほうが、体力が温存され、生存率が高くなるそうです。

砂漠に限った話ではありません。辛い状況の中で、「ただ信頼して、待つ」という行為は、なかなかできるものではありません。誰だって焦って、なんとかせねばと思うでしょう。

しかし、ただ信頼して待っている、つまりその状況を受け入れた上でリラックスできている時、思いがけない援助やチャンス、またはインスピレーション(新しい答え)に気づくことができるのです。

問題への執着というのは、究極的には、神や運を信頼できないという不安感・不信感から、生まれるのです。
怖れや批判精神から自分が「よい神」になろうとして、失敗する。これが自己攻撃の始まりです。

人間関係においても、「自分にはもう、何もできない」と認めること、観念することが、奇跡を起こす鍵になることがあります。
これは、臆病心や面倒臭さから問題を見なかったことにすることではありません。
これから自分の器を広げていくために、さらに大きく受け取り、前進するために、今まで大切にしてきた自分の持ちものを大胆に捨てる、一種の決意のようなものです。

あなたの心が、まるで海のように無限に広がってゆくイメージをしてみてください。
そうして気持ち良くなったら、そのイメージをお父様へ贈るイメージをしてみましょう。

批判ではなく、受容すること。
人間関係の奇跡はここから始まります。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

対人関係、恋愛、個性、才能、感情の問題など、様々なお悩みに対応するベテランカウンセラー。 深い意識を熟知し、問題を根本解決へと導く。 世界各国で長年にわたり精神世界を学ぶ一方、大手芸能事務所の番組制作協力をワンクール担当する等、豊かな感受性を生かしてカウンセリング生活を楽しんでいる。