魅力アップの心理学「成熟さ」(3)~「自立」の先にある段階~

依存から自立へ、という心の成長プロセスの先には、「相互依存」といわれる段階があります。

自立ができていて、その上で依存も受け入れられるという相互依存の段階に入ると、相手も自分も人との関わり方が楽になるだけでなく、「包容力」などの「成熟さ」という魅力が前面に現れてくるようになります。

●自立の先にある段階

他者に依存をすることで傷つき、自分の欲求を満たしてもらえないことから自立をしていくとう、依存から自立へという心の成長プロセスを見てきましたが、自立が終着点というわけではありません。

自立の先には、また別の新たな段階があります。

それは、「相互依存」とか「共同創造」といわれる段階で、一言でいうと、依存を受け入れていくプロセスになります。

依存の時代というのは、自立をすることができずに他者に依存していました。
それは、言い換えると「依存はできるけれど自立ができない」状態ということができます。

そして、自立の時代というのは、依存を嫌ったり否定したりすることで自立していきます。
それは、言い換えると「自立はしたけれど、依存を受け入れることができない」という状態ということができます。

その先にある「相互依存」や「共同創造」とは、「自立もできて依存もできる」状態になっていくというプロセスになります。

自立ができた上で依存を受け入れることができるようになると、「自分の幸せは他人次第」「愛されるために誰かに合わせる」というような“自分がない状態”ではなく、それでいて、「自分のやり方」や「正しさ」という理性的な判断などによって人を遠ざけることがなく、自分や他人の依存心と上手に付き合えるようになります。

また、依存を受け入れて上手に付き合えるようになるというのは、角度を変えて見ると、感情と上手に付き合えるようになるということでもあります。

自分の感情とうまく付き合えるようになることで、必要以上に感情をコントロールする必要がなくなり、それに伴い、他人の感情をコントロールする必要もなくなってきます。

依存の時代には依存している相手にコントロールされ、自立の時代には今度は自分が他人をコントロールするようになるのですが、相互依存や共同創造の段階に入ると、コントロールから解放されるため、自分も相手も楽で自由な関係性になっていきます。

このように、「相互依存」「共同創造」の段階というのは、依存と自立のバランスが取れた状態であり、感情と理性のバランスが取れた状態であり、自分と他人のバランスがよい状態になります。

そうすると、他人との距離が近づき、その関係性には自由さがあり、その関係性の中で、感情レベルのコミュニケーションが取れる“血の通った”人付き合いができるようになるのです。

この「相互依存」「共同創造」の段階に入ると、

・自分をしっかりと持っていながら、他人のことも尊重したり信頼することができる人。

・理性的な判断や行動ができる一方で、自分や他人の感情ともうまく付き合える人。

といったように、その心の状態であることで、「成熟さ」という魅力が前面に現れてきます。

>>>『魅力アップの心理学「成熟さ」(4)~「成熟さ」をアップさせるために~』へ続く

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