抑圧された罪悪感が作り出す罠の1つとして、「人との間に距離ができる」というものがあります。
人との距離を縮めようと努力をするにもかかわらず、なかなかその距離が縮まらない時、そこに罪悪感が隠れていることがあります。
その罪悪感が怖れや疑いを生み出すために、人との間に壁ができてしまい、距離ができてしまうのです。
●人との間に距離ができる
抑圧された罪悪感が作り出す問題としてもう1つ挙げられるのが、「人との距離ができる」というものです。
それは、表面上の意識では「もっと近づきたいな」「仲良くなりたいな」と思っているにもかかわらず、相手との間に距離や壁があるような状態を作り出します。
そして、同じく表面上の意識では、自分ではなく、相手が自分との間に距離や壁を作っているように感じられます。
例えば、彼の浮気が発覚してそのことでケンカをした後、それでもお互いにやり直すことを選んだとしますよね。
そこから二人が再び親密になるために、心理的な距離を近づけていきます。
あなたも彼も、相手との距離を近づけようと努力をします。
「もっと近づきたい」と思っているにもかかわらず、二人の距離が縮まらない…
それは、罪悪感が作り出した罠にはまってしまっているのかもしれません。
この状況で、彼があなたに近づきにくいのは想像しやすいですよね。
彼は自分が浮気をしたことであなたを傷つけてしまったわけですから。
彼があなたを傷つけてしまった罪悪感からあなたに近づくことができなかったとしても、あなたが彼に近づけば、その距離は縮まりますよね。
二人の距離が縮まらないということは、彼があなたに近づいていないのと同時に、あなたも彼に近づいていないために、その距離が縮まらないのです。
ここで想像してみていただきたいのですが、「あなたが彼に近づけない理由は、あなたが彼に罪悪感を感じているからなんですよ」と言われると、どんな気持ちになるでしょうか?
「彼にとって、まだあなたに許される必要があるのと同じように、あなたにも、まだ彼に許される必要がある部分があるようですね」と言われると、どのように感じるでしょうか?
「は?」「なんのこっちゃ!?」と感じるかもしれませんね。
それは、ある意味では当たり前の感じ方ということができます。
「浮気をしたのは彼。それを許してもう一度その彼とやり直すことを選んだのは私。それなのに、なんで私が許してもらわなきゃいけないの?」という感じですよね。
しかし、そこにも罪悪感が隠れているのです。
それは、ケンカの最中に彼を責めたことで持った罪悪感かもしれませんし、彼を十分満たしてあげることができていなかった罪悪感かもしれません。
そうした罪悪感がある時、同時に、「こんな私でもいいのかな?」「私が本当に彼を幸せにしてあげることができるのかしら?」などと心の深いところでは感じていたりするのです。
こうして罪悪感が怖れと疑いを生み出し、結果的にそれが人との距離や壁となってしまうのです。
でも、まさか自分がそんな罪悪感や怖れや疑いを感じているとは思いませんよね。
だから、「やり直すって言ったのに、何で近づいてこないのよ!」と、近づいてこない彼を責めてしまうのです。
そうして罪悪感の罠に引っ掛かって罪悪感が積み増されていくのを見て、罪悪感はニヤリとほくそ笑むのです。
>>>『罪悪感が作り出す罠(4)~罪悪感が問題を作り出す目的~』へ続く