許しの心理学~自分が許されていること、知っていますか?

自分を許すこと、というのは多くの観念に囲まれて生きている私達にとっては、とても大きな課題となります。

誰かの目を気にしたり、束縛されたり、禁止したり、犠牲したりして私達は心の自由を奪われているのかもしれません。
許しは、そんな自分を解放し、心から人生を楽しむためのプロセスとなるでしょう。
そのために、今のあなたが、ただそのままで許されていることに気づき、受け入れることが大切なのです。

●自分が許されていること、知っていますか?

さて、そんな許しのプロセスですが、もっとも難しいのは自分自身を許すこと。
意外に感じられるでしょうか?それとも、納得されるでしょうか?
また、「私はもう自分を100%許している」と思われるでしょうか?

さて、私達が自分自身に課している禁止や義務、罪の意識などは途方もないくらい強く、大量にあります。

あなたが何かに対して窮屈さを感じ、圧迫感を感じ、息苦しさを感じ、自由でない感覚、何かに縛られている感覚を感じるとすれば、それはあなたが自分自身に許していない何かがあることを示唆しているのです。
具体的には、あなたの中に「~しなければ」「~すべき」「~してはいけない」などの観念があるとすれば、まだまだあなたには許す対象があるということなのかもしれません。

例えば、勇気がなくて、新しいプロセスに踏み出すことができないでいるとしましょう。その新しい世界は自分にとって間違いなく素晴らしい世界であることが分かっているにも関わらず、なぜか、踏み切れない・・・とします。

そうすると、ここでいう「自分」は大きく二つのものを自分に許していないと言えるんですね。

一つは、勇気を持つこと。新しい世界を前に、自分の可能性や能力をちっぽけに感じてしまい、怖れに飲み込まれてしまっているのかもしれません。そうすると、私達は勇気という、とても大きな力を使うことができなくなります。
(その勇気と言う力は、何の努力をすることもなく私達の心の中にちゃんと収められているものです。ただ気づいて許せば、その手に確信できるものでもあるのです!)

もう一つは、新しい素晴らしい世界の住人になることを自分に許せないでいるようです。
「え?そんなことはない!それを望んでいるのに、勇気が出ないだけなんだ!」と思われるかもしれません。
意識レベルでは確かにその通りかもしれませんが、無意識的には、その新しい世界の素晴らしさを自分には相応しくないものと“決め付けて”いるのかもしれません。

思い起こせばその理由はたくさんあるのかもしれません。罪悪感や無価値感は素晴らしい世界の住人には相応しくないと思わせるに十分な感情です。

そして、多くの方をカウンセリングさせていただいて感じたことは、

『自分自身が許された存在であることを感じられないところにあらゆる問題が生まれてくる』

ということなのです。大胆に言い換えれば、

『あなたはそのままで、ただただ、許されている』

ということなのです。

そのままとは何か?といえば、今のあなた、今いる場所、今の部屋、今いる場所のことです。
そして、今の人間関係で、あなたがどのような仕打ちを受け、苦しむ状況にあろうとも、あるいは、多くの賞賛を得て、多くの人たちの支持を仰いでいる状況であろうとも、どちらも等しくあなたは許されている、ということなのです。

そして、許しとは、そのことに気づくこととも言えるのです。
すなわち、何もしなくても、今のあなたのそのままで「許されていること」を知ること。
これが今の私達にとって、とっても大切なテーマなのかもしれません。

私達はずっと“何かをするから愛される”、“愛されるために何かをする”、という思想に囚われてきました。

でも、私達は本当は、何もできなくても、何もしなくても、そのままで許され、愛される存在なのです。

それを感じられなくなったとき、私達は、犠牲や我慢、抑圧などの愛されるための行動に出ようとするのかもしれません。(そして、残念ながらそれらは愛情をもたらしてはくれないものなのです)

>>>『許しの心理学~許しの実習を試してみましょう。』へ続く

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