相手のことがわからない時、自分のこと理解してもらっているかわからない時、どうしていいかわからない時… 日常の中で「質問」を使う状況というのは数多くあります。
知りたいことや欲しい答えを得るために「質問」というコミュニケーションを使うのですが、質問の仕方によって、返ってくるものが変わってくるのです。
言葉を使ってする「質問」は、思考レベルで行われるものですが、実は、質問をする人の心が大きく関わっています。
心で感じているものや信じているもの、望んでいるものが「答え」として返ってくるのです。
欲しいものを手に入れるためには、欲しいものが返ってくる質問の仕方というのを知っておくことが役に立ちます。
「質問」を通して、心が感じているものや信じているもの、望んでいるものに目を向け、それを元に、欲しいものを手に入れやすい「よい質問」を導き出す質問術をご紹介いたします。
コミュニケーションには様々な形がありますが、日常の中で多く使われるのが、言葉によるコミュニケーションではないでしょうか?
そして、自分のことを理解してもらい、相手のことを理解していくという相互理解を深めていく際のコミュニケーションでよく使われるのが、「質問」です。
「わからないことは人に聞く」
とてもシンプルなことです。
とてもシンプルなのですが、同時に奥が深いものでもあります。
それはどういうことかというと、質問の仕方によって手に入るものが変わってくるのです。
言い換えると、よい質問ができるほど、欲しいものが手に入るのです。
では、欲しいものが手に入りやすい質問というのは、どのような質問なのでしょうか?
そのカギは、「心で感じているものや信じているもの、望んでいるもの」にあります。
言葉を使って質問をするというのは思考レベルで行われるものですが、実は、心が及ぼす影響というのが大きいのです。
例えば、お付き合いをしている彼に対して、「私のこと好きなのかな?」と不安を感じることがあったとしますよね。
そして、その不安を解消するために彼に質問をするとします。
質問A:「ねぇ、私のこと嫌い?」
質問B:「ねぇ、私のこと好き?」
質問Aと質問Bは、聞きたいことは同じなのですが、聞き方が違いますよね。
この聞き方の違いによって、手に入るものが変わってくるのです。
この質問を言葉通りに受け取って素直にそのまま答えるとすると、(往々にして、男性はこのような答え方をすることが少なくありません)
Q:「ねぇ、私のこと嫌い?」→A:「いや、嫌いじゃないよ」
Q:「ねぇ、私のこと好き?」→A:「うん、好きだよ」
という答えになります。
どちらの答えの方が、不安を解消してくれる答えでしょう?
「うん、好きだよ」という答えだと、彼の気持ちを知ることができて安心できますよね。
それに対して、「いや、嫌いじゃないよ」という答えだと、彼が私のことを嫌いじゃないのはわかりますが、好きなのかどうかはわかりにくいですよね。
そうすると、「嫌いじゃないけど、好きなのかどうかわからない」という不安や疑いが出てきて、「ほんとに!?」と聞いたりします。
そうすると、彼がまた素直に答えます。
「うん、本当に嫌いじゃないよ」
そうすると、「じゃあなんで『好き』って言わないわけ!?」と腹が立ってきたり、「『好き』って言わないってことは、私のことが嫌いなんじゃないの?!」とますます不安や疑いが出てくることになります。
その不安や疑いを解消するために、「ほんとに!?」「ほんとは嫌いなんじゃないの?!」と繰り返すことで、質問をされている彼からすると、「嫌いじゃないって言ってるじゃないか!」と、だんだん腹が立ってきて、その瞬間相手のことを「嫌い」な状態になったりします。
あなたはその様子を見て、「彼は私のことが好きなんだわ~」とは感じられないだけでなく、「私のことが嫌いなんだと」という信頼が深まることになってしまいます。
このように、質問の仕方によってその後の状況や手に入るものが変わってくるのです。