これまで3回に渡って、質問というコミュニケーションと心の関係をご紹介してきました。
今回は、欲しいものを手に入れやすい質問に目を向けて、よりよい質問を練り上げていくためのヒントをご紹介したいと思います。
よい質問を通して本当に必要な答えを得られる質問ができるようになるには、心が感じているもの、信じているものや求めているものに目を向けることが役に立ちます。
「その質問は適切な聞き方か?」「その質問で欲しいものが手にはいるのか?」というのを、思考レベルだけではなく、感情レベルで吟味するのです。
言い換えると、「じっくり考える」のではなく、「じっくり感じてみる」のです。
質問を感じてみるというのはあまり馴染みがないかもしれませんね。
でも、誰から何かを聞かれた時、「感じ悪いな~」という印象を持ったことはありませんか?
例えば、あなたが女性で、男性から次のような質問をされたとしたら、どんな感じがするでしょうか?
「女って、なんですぐに泣いたりわめいたり、中身のないくだらない話しかしないくせに何時間もグチグチ話し続けることができるの?」
あなたが男性で、女性から次のように聞かれたとしたら、どんな印象を持つでしょうか?
「男って、どうして弱いくせにくだらないプライドばかりを大事にしたり、浮気とか風俗とかセックスのことしか考えていないの?」
カチンときたり、ムッとしたり、嫌な感じがしたりしませんか?
その「感じ」や「印象」の部分です。
本当に求めているのは「異性のことがわからないから教えてもらいたい」ということなのですが、異性に対して心で感じていることや信じていることが影響を及ぼしてこのような質問になり、その質問の仕方から、嫌な感じを感じさせているのです。
このようにして、自分自身の質問に対しての「感じ」や「印象」を感じてみるのです。
もしあなたが今、知りたいことがあるとしたら、それを知るための質問を紙に書き出して「質問リスト」を作ってみてください。
質問リストができたら、その質問リストを眺めてみましょう。
そして、その質問リストの雰囲気を感じてみましょう。
その質問の内容から、どのような印象を持つでしょうか?
その質問は、あなたを幸せにしてくれそうな感じがするでしょうか?
それとも、あなたを苦しめるような感じがするでしょうか?
厳しすぎたり、ひねくれていたりする印象はありませんか?
そこで感じる雰囲気や印象というのが、あなたの心の中の様子に近いのかもしれません。
そして同時に、その質問をする相手が感じる雰囲気や印象なのかもしれません。
その質問は、あなたの心が本当に必要としているものをもたらせてくれそうでしょうか?
その質問をあなたが答えるとしたら、親身になって答えてあげたくなるような感じがするでしょうか?
その質問を今よりも“いい感じ”にするには、どのように書き換えればよいのでしょうか?
そうして質問を吟味して練っていくことは、実は、自分の心が感じているものや信じているもの、本当に求めているものをより明確にしていくことでもあります。
心が本当に感じているものや求めているものをキャッチし、それを言葉に反映することで、欲しいものが手に入る「よい質問」ができるようになるでしょう。
(完)