過食嘔吐とコンプレックス - カウンセリングサービス心理学講座

相談者名	橋本
３年くらい前から過食嘔吐を繰り返しています。初めはお腹が空いて食べたけど太りたくなくて吐いていたと思います。しかし、最近ではお腹が空いていないのに（むしろお腹がいっぱいで気持ちが悪いのに）吐くために食べている感じです。一日に何回も。過食しているときにふっと思うのです。なぜ私は今食べているんだろうって。すごく辛いです。やめたいのにやめられません。この先どうしていいかわかりません。一度心療内科に行ったのですが、薬を飲んだら過食嘔吐も減るだろうということで薬を渡されました。だけど、一向にやめられないんです。過食嘔吐と関係があるかどうかわかりませんが、最近自分に自信がなくなってきました。全部に自信がないわけではなくて、彼氏に対してです。2ヶ月で５キロ太ったんですが、太ったことによって彼氏に嫌われるんじゃないかとか、私といるより友達といたほうが楽しいし彼のためなんじゃないかとか、女性の人とすれ違うたびに彼氏は今の人と私を比べてるとか・・・ものすごく気になって怖くて彼氏の顔をみれなくなってしまいます。性格も服装も体系も常に他の女性と比べられている気がして。そして、なんだか私と付き合っていることに罪悪感さえ覚えます。わたしなんかより可愛い人はたくさんいるのになんで私と付き合ってるんだろうって。わけがわからなくなって勝手に涙が出てきます。本当にこんな自分が嫌で嫌で仕方ありません。お話を聞いてくださりありがとうございました。
カウンセラー	大谷常緑
橋本さんこんにちは。担当させて頂く大谷です。よろしくお願いします。さて、御相談を読ませていただいて、随分と辛い状況だなぁと思いました。過食嘔吐、彼との関係で出てくる不安感、自己嫌悪、心身ともに随分と辛い毎日をお過ごしなのではないか、と思います。先ずは、橋本さんが行われていたり、感じられている感情について少しご説明します。橋本さんの中にある問題の根本は、自分には価値がないという感覚です（「無価値感」と言います）。この感覚とは随分昔からのおつき合いなさっているのではないでしょうか？そこから来る寂しさや悲しさが橋本さんの心の中にあると思います。それを何で埋め合わせるか、という中で、太る事への怖れ（もともと、この怖れを随分とお持ちのようです）を使って、過食嘔吐という形が出てきたようです。実際に意識しておられないかも知れませんが、心の奥深く（深層心理）では、次のような事が起こっています。過食は、心の隙間を食べ物で埋め合わせる行為です。何か物足りない、何か寂しいという感覚を、満腹感で埋め合わせようとするんですね。でも、心の隙間は食べても埋まらないので、食べ続けます。一方、嘔吐は、自分を虐める行為です。自分を虐めることで、生きている感覚を味わう場合もあれば、無価値な自分を罰するために行っている場合もあります。そして、心のどこかで、こんな無価値な私からは、彼が離れて行くに違いないという怖れがあって、彼との関係で不安感や自己嫌悪を煽っているようです。すなわち、過食嘔吐、彼との関係で出てくる不安感のいずれもが、心の奥深くに潜む橋本さんの無価値感から出てきているんですね。さて、橋本さんのこの問題は、先ず、勘違いから始まっていると思ってください。何が勘違いかというと、「自分は無価値だ」と思ったところです。御相談には書いてありませんでしたが、おそらく子供の頃に、ご家族の関係でそんな感覚をお持ちになったのではないかと思います。ご家族の誰かを助けたいと思われていたとか、兄弟姉妹で２～４歳ぐらい年の差のある方がおられて、自分よりその方の事をご両親（あるいはお父さんかお母さんのいずれか）は愛していると感じられたとか、あるいは、自分はその方にかなわないと感じられたとか、そんな事は無かったでしょうか？その関係性の中で、おそらく橋本さんの無価値感が形成されたのではないかと思います。しかしながら、「無価値な子供」なんて世の中にはいないですよね。ここの部分を、頭ではなく、心で理解していただくことが、必要です。ここをご理解いただくと、過食嘔吐も、彼に対する自信のなさも、根本から無くなってくると思います。ただ、一人でこれをやるのは辛いですし、難しいです。御相談の文面だけでは詳しい内容がよく分かりませんので、一度、電話カウンセリングを受けられる事をお薦めします。次に、当面の彼との関係について、少し書かせていただきます。恋愛中は、色々と自分の自信のない部分が出てきます。しかし、少しここで考えてみてください。彼は、どうして橋本さんとおつきあいをなさっているのでしょうか？橋本さんの事が好きだからですよね。橋本さんは、この彼の感情を無視して、ご自分でご自分の自信のない部分ばかりを見つめておられることに気づいて欲しいんです。彼は、橋本さんを選び、そして橋本さんは彼を選んだんです。この事実を先ず受け入れてください。そして、彼との関係の中で自分の痛み（心の傷や嫌なところ）を見つめるのではなく、彼が発している橋本さんに対する愛情を感じてみてください。きっと、彼から様々な形で、橋本さんに対して愛情が送られていることを感じる事が出来ると思います。そんな目で、彼の事を見てあげてください。そうすると、橋本さんが彼に与えているものもたくさんある事に気づかれるのではないか、と思います。彼との関係で、色々自分の自信のない部分を見つめて、ああでもない、こうでもない、というネガティブな状況を考える事を、「エゴが騒ぐ」と言います。エゴは、ご自分の中にあるのですが、その正体が怖れでできていて、起こりもしない事をさも起こるように思わせます。彼との関係を進まさないようにしているんですね。そんな時には、大きな深呼吸をしてみてください。鼻からゆっくりと大きく息を吸い込んで、ゆっくりと口から吐き出します。吐く息の中に、何か黒い物が混じっているイメージを作ってみてください。自分の体の中にある、黒い物が出て行くイメージを作ってみてください。そうすると、少し落ち着くのではないかと思います。ご参考になれば幸いです。