前回は、「自分が(自分自身も含めて)誰かを愛することをしていないこと」が愛されないという本当の理由であるというのをご紹介しました。
今回は、その本当の理由を元に、「愛されている」と感じられるようになる秘訣や、そのアプローチをご紹介します。
前回は、私が愛されないと感じるのは、『自分が(自分自身も含めて)誰かを愛することをしていないこと』というのが本当の理由であるというのをご紹介しました。
今回は、「愛されている」と感じることができるようになるためのアプローチをご紹介します。
●「愛されている」と感じられるようになる秘訣
対人関係の中で問題があって「私は愛されていない」と感じる時、そこから「愛されている」と感じられるようになるには、まずは、“相手を愛することをやめてしまった自分”に気づいて受け入れるというプロセスが必要になってきます。
前回もご紹介しましたが、自分が相手のことを愛していないというのを認めて受け入れるというのに抵抗を感じることが少なくありません。
それは、その状態を認めることで、罪悪感や自己嫌悪といったネガティブな感情を感じることになるからです。
そこでお勧めしたいのが、そのネガティブな感情の下の層に隠れている、「相手を愛する気持ち」に気づいて受け入れていくということです。
自分が相手のことを愛していないということで罪悪感を感じ、そんな自分を嫌ったり責めたりしてしまうというのは、裏を返すと、それだけその人のことを愛したくて、その人のことを愛することができる自分になりたいという欲求を持っているということです。
また、「大好きな人に愛されたい」と望むことはあっても、「大嫌いで顔も見たくないような人に愛されたい」とは思いませんよね。
愛されないことで傷ついてしまうのは、その相手の人に愛してもらいたいという欲求を持っており、その欲求は、自分が相手の人を愛しているところから生じる欲求なんですね。
これら全ての元になるのは、「あなたが相手を愛して求める気持ち」なのです。
この気持ちに気づき、感じて認めることができた時、「どう愛してもらおうか?」から「どう愛していこうか?」へと心の状態が変わってくるのです。
相手を愛する気持ち、大切に思う気持ち、求めている気持ち… そうした気持ちを、言葉や態度や行動といった様々な形で表現していくことで、「相手のことを愛していない私が愛されるはずがない」という投影から作られる誤解を解いていくことができます。
そして、相手を愛していくプロセスで経験する“うまくいかないこと”、例えば、「言葉で伝えようとしても、やってみると恥ずかしかったり怖かったりしてなかなかできない」といったことを通して、「相手も相手なりに愛してくれようとしていたけど、(自分が今やっているのと同じように)こんな感じでうまくできなかったのかもしれない」といったような形で、相手の愛を感じることができたりもします。
このように、「愛されている」と感じることができるようになるのに一番重要なのが、「自分から愛する」という姿勢、そして、自分の愛を相手に与えていくことです。
しかしながら、“愛されていると感じることができるようになるために”という目的で与えていくということをやると(それは与えるとは言えませんが)、「こんなに愛してあげたのに全然愛してくれないじゃない!」とうまくいかなくなってしまいます。
まずは、自分の心と向き合って、
相手がしてくれていないにもかかわらず、「してあげたいな」という気持ち。
相手が喜んでくれること自体が自分の喜びとなり、それで満たされた気持ちになること。
そうした気持ちを探して触れてみるということから始めてみてはいかがでしょうか?
あなたの心の中にあるそうした愛に触れること、そしてその愛を発揮していくことが、「愛されている」と感じられるようになる秘訣となります。
(完)