愛し上手、愛させ下手を返上しよう(3)~カウンセリングの実際 助けを求める前編~

助けをもとめることが苦手なタイプな方が、助けを求めることに取り組んでいった、実際にあったカウンセリングの事例をご紹介させていただきます。
なぜ苦手になったのか、どんなことにチャレンジしていったのか、そして乗り越えた結果どうなっていったのかを前編、後編にわけてご紹介します。前編は、カウンセリングによって、なぜ苦手になったのかの理由がわかったお話です。

助けを求められないパターンができたわけ

前回の心理学講座は、助けをもとめることが苦手というタイプの人のお話でしたね。

助けを求めることが苦手な理由は、人それぞれさまざまですが、一般的に自立心が強い人は『自分でなんとかしなくっちゃ』と思う傾向が強いので助けをもとめることが苦手になるようです。

今回は、助けをもとめることが苦手なタイプの人の、ある事例をご紹介させていただきます。

(※事例紹介は クラアントさんの ご協力をいただいて許可をもらってさせていただいています。ご協力ありがとうございました)

ある女性から「仕事を辞めようかと思っているんですが・・・」というご相談をいただきました。

彼女は、自分を取り巻く環境、今起きている状況、そして今の心情などなど、いろいろお話くださいました。

その話を聞かせていただき、僕が思ったことを伝えさせていただき、一つ質問をさせていたきました。

「とても、しんどいと思うんですね。よく今までがんばられたなぁと思います。
その、しんどい思い、僕いがいに誰かに相談したことはありますか?」

いろいろ溜め込んでおられたようなので、こう聞かせていただきました。

すると、彼女は誰にも相談したことがないと話してくださいました。
同僚にも、一緒に暮らしている彼氏にもです。

彼女は、職場でつらい思いをして、たくさんの苦しさや、しんどさを心に いっぱい溜め込んでいました。

彼女は誰にも助けを求めることができず、自分の中にすべてを溜め込む人でした。苦しさを一人で溜め込んでいたそうです。
ですので、彼女は、このしんどさから解放されるには、辞めるしか方法がないと思ったそうです。

カウンセリングを進めていくと、彼女が 助けを求められない(助けを求めるのが苦手)理由が、両親との関係に起因していることがわかりました。

彼女のご両親は自営をされていて夜遅くまで働いていたそうです。
その両親をみて『大変そうだなぁ』と幼い頃の彼女は思ったそうです。

大変そうと思ったので、両親に これ以上 負担をかけたり、心配をさせてはいけないと思ったそうです。

その為、本当は両親が夜遅く帰ってくるので 寂しかったり、不安だったりしても言わずに一人で抱えていたそうです。

愛する人の負担になってはいけない、迷惑になっていはいけない、心配をかけてはいけないという心理パターンができたのでした。この心理パターンがあったために、彼女は彼にも(愛する人)相談できずにいたようでした。

そして、「もし、会社をやめる以外で、解決できる方法があればどうされますか?」と聞くと、チャレンジしてみたいと言ってくれました。そして違うかたちで解決していけるために、今までの心理パターンを変えていくことにチャレンジしていくことにしました。

>>>『愛し上手、愛させ下手を返上しよう(4)~カウンセリングの実際 助けを求める後編~』へ続く

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。