相談者名 | みん |
大学院の修士課程に入ったころから生きるのがつらいと思うことが多くなり,卒業した今でもちょっとしたことで泣いてしまいます。大学院に入った頃は,私は優秀だと自信を持ってわくわくしていました。しかし,入っていきなり先輩に「あんたは頭が悪い。ばかでしょぼい。もぐりだ」と言われ驚きました。そして実際に知らないことが多く,研究室の仕事を手伝えば必ず失敗し,一度聞いたこともすぐに覚えられず,一年先輩の,教授に嫌われれて発表も露骨にいやな顔をされている人を見ては,自分はそうなりたくないとおびえていました。 そのうちに,人の言葉がすぐに理解できなくなり,考えたことが言葉に出来なくなりました。話し相手と目線をあわせられなくなり,簡単な頼まれごとでさえできなくなりました。研究室には顔を出さなくなり,一人で街を遊び歩いていました。働くわけでもなく日々消費するだけの私は,いてもいなくても同じで,もし突然ここからいなくなっても,世間の人々は普段と同じ生活をするんだとおもうと,いたたまれない気持ちになりました。 なんとか論文は提出して卒業をしましたが,入学当時に抱いていた夢をすっかり捨ててしまったことに罪悪感を感じます。「何のために大学院に行ったの?」とみんなに責められている気がしてなりません。学校に行っているころは,母とけんかするたびに「何で働かないのか」と怒られてていたため,よけいに,学校に行った意味がないということに罪悪感を抱くのかもしれません。 両親は,私が大学院に入った頃から別居し,このごろ離婚しました。両親がお互いをののしりあっているのをみていると,自分を否定されたような気持ちがしていました。母に復縁をしてもらおうと話しましたが,「お父さんと一緒に暮らすくらいなら,死んだ方がましだし,そうでなければ殺すかもしれない」と言われ,大変傷つきました。 今は求職中ですが,履歴書の「志望動機」の欄をみると,面接官に大学院に行ったことを責められる気がしてそれ以上何もしたくなくなります。いやな出来事を想像すると,そのとおりのことが起こる気がするのです。例えば,彼氏が浮気を隠しているのではないかと思うと,もうそれが本当のことであった気がして憂鬱になります。また,耳掻きをする時,何かのはずみで耳の奥まで耳掻き棒がつきささってしまうのではないかと想像してしまいます。 人前では極度に緊張して何も考えられなくなります。人の言葉を解釈するのに時間がかかったり,返事だけして何も聞いてなかったり,何度も同じことを聞いたりしてしまいます。 今度履歴書を提出しに行く予定ですが,こんな状態で面接すると考えると不安でいっぱいです。 | |
カウンセラー | 根本裕幸(退会) |
みんさん、こんにちわ。根本です。 ご相談ありがとうございました。 大学院に入って“自信”というダムが決壊してしまったみたいですね。。。 それはちょうど、オセロで四隅を押さえられてパタパタと自駒がひっくり返っていくような感覚かもしれません。 > 大学院の修士課程に入ったころから生きるのがつらいと思うことが多くなり,卒業した今でもちょっとしたことで泣いてしまいます。大学院に入った頃は,私は優秀だと自信を持ってわくわくしていました。しかし,入っていきなり先輩に「あんたは頭が悪い。ばかでしょぼい。もぐりだ」と言われ驚きました。 優秀さに自信を持っていた裏に、どこか恐れみたいなものは感じていたのでしょうか? 僕達にとって“自信”というのはとっても大切なアイテムで、それがなくなると、あらゆる面で不安になったり、恐れを感じたりするようになりますね。 それは心理的には、潜在意識に持っていた不安や自信の無さが、何かのきっかけで噴き出てくるもので、それは更に自分を強くするための成長プロセスになりますが、余りの衝撃に自分を見失ってしまうことも少なくないようですね。 > そして実際に知らないことが多く,研究室の仕事を手伝えば必ず失敗し,一度聞いたこともすぐに覚えられず,一年先輩の,教授に嫌われれて発表も露骨にいやな顔をされている人を見ては,自分はそうなりたくないとおびえていました。 以前の自分ならば、失敗したり、覚えられなかったり、嫌な顔をされたときに、どんな態度をとっていたと思いますか? 自信を失ってしまったジャンル(みんさんの場合は研究だったり、勉強だったり)については、弱くなってしまったり、卑屈になったりしてしまいますよね。 その後も、その気持ちを誰かに伝えることなく我慢してこられたのでしょうか。 > そのうちに,人の言葉がすぐに理解できなくなり,考えたことが言葉に出来なくなりました。話し相手と目線をあわせられなくなり,簡単な頼まれごとでさえできなくなりました。研究室には顔を出さなくなり,一人で街を遊び歩いていました。働くわけでもなく日々消費するだけの私は,いてもいなくても同じで,もし突然ここからいなくなっても,世間の人々は普段と同じ生活をするんだとおもうと,いたたまれない気持ちになりました。 ちょっと自信を失う前の自分を思い出してみてください。 そして、次は、昔の自分はなぜそれを拠り所とし、どうしてその目標や夢を持っていたのかを考えてみてくださいね。 > 人前では極度に緊張して何も考えられなくなります。人の言葉を解釈するのに時間がかかったり,返事だけして何も聞いてなかったり,何度も同じことを聞いたりしてしまいます。 死と再生のプロセスというのがあって、僕達は成長していく上で、何度も自分を作り変えていきます。 みんさんにとって、一つのきっかけが元で、人に対してものすごく恐怖心を持ってしまうようになった背景には、過去から今に至るまでの何かしら見過ごしてきたものがあろうかと思うんです。 それは、ご両親の不仲を見るに付け意地を張ってしまった部分や、不安を押し隠して夢中になってきたものがあるのかもしれませんし、プライドを持って、早く自立しようと急ぎすぎた結果なのかもしれません。 どちらにせよ、これはみんさんがもう一回り人間として成長するチャンスと捉えてもらいたいんです。 辛いときには一人で我慢せず、誰かを頼りにしてみてください。 ありがとうございました。 |