将来について:大学院?就職?

相談者名
変人28号
こんにちは。大学1年次・男性(文系・社会学)です。将来について,悩んでいます。私は,まだ大学院進学も,就職も,どちらも選択肢として残しています。前者には,普通の人よりは関心があります・・・というか私の気持ちはどちらかというと前者よりなのですが。採用は厳しいと言われつつも,研究職への興味もありますし,最低でも修士号位は取りたいな,という気持ちでおります。私の専門にしたい分野が面白くていろいろ学んでみたいということと,大学受験で悔しい思いをしたので今度こそは・・・という2つの理由からです。また,私は教授とのお話や専門分野の勉強が大好きで,許可して下さったある教授の研究室に週1で足を運んでいましたから,その影響もあるかもしれません
実はこのことは,よく話をする教授にしか,告げていません。(教授はもしかしたら大学院一本で私が進路を考えているとお思いかもしれません)両親には話をしていません,というよりは言いづらいのです。大学院は就職できない人が行く所,という固定観念があるようで,よくそういう話をされます。大学院2年行って零細企業でパート並の仕事をしている人の話など。好きで行く人もいるんだ,と反論してみましたがそれは就活するだけの能力が無いからだ,などと言われました。大学院に行くなんて御免だ,学費は自分で出してね,と言われます。奨学金を利用すればそれも叶うかもしれません。しかし,そういう問題でもないように思います。早く自立して生活して欲しい,そういうメッセージに聞こえますし,そういう意味合いで「早く就職してくれ」と言われることも勿論あります。それゆえ,今の段階から両親は私の就職を気にしているようです。
将来に迷いがあるのはそういった事情もありますが,私自身が大学院で活躍できる自信も,民間企業で職をこなしていける自信もないことにも起因します。どちらに進もうとしてもなかなか厳しい現実のようですが,判断材料に乏しいのです。これから見聞を広めていけばよいとも思いますが,皆くちぐちにいいます。「『将来』は,もうすぐだよ。早く決めなさい」両親には進学を反対されています。しかし諦めきれない,どうしても選択肢として残したいという思いが強いです(先日も教授から多くの本を頂いたばかりです)。諦めきれない。でも,なかなか思うようにいきません。それで行き詰っています。どうしたらよいのでしょうか?
カウンセラー
中山けんたろう
変人28号さん、はじめまして。
ご相談を担当させていただきます、中山けんたろうです。
よろしくお願いいたします。

さて、将来に関するお悩み、真剣にご自分の将来を切り拓いて行こうというお気持ちが伝わってまいりました。
今が大学1年次、4月からは2年次になるわけですね。
現在のところ、大学3年次の12月から就職活動が解禁されますから、あと1年9ヶ月もすれば、周りは就職活動を本格的に開始する状況になりますね。

変人28号さんのお気持ちは、大学院進学にかなり傾いているように文面からは読み取れましたが、いかがでしょうか。
親御さんのご意見や思いを考えると、大学院進学を諦めて就職一本に絞らざるを得ないのかなと思いつつも、一方で、教授の研究室に週1で通い、教授から多くの本もいただいたことでもあるし、研究職への興味は諦めきれない・・・。
非常に迷われる状況だと思います。

さて、一つ質問です。
「ご両親に大学院進学の意思を言いづらい」のは、なぜでしょうか。

経済的に親御さんに頼っていらっしゃることもあると思いますし、ここまで育ててくれたご両親の意思を尊重したいという思をもお持ちなのかもしれません。
変人28号さんは、決して変人などではなく、ご両親思いでとても思いやりのある親孝行息子でいらっしゃるのです。
ですから、自分の進みたい道に行こうか、親が薦める道に行こうかで迷っていらっしゃるわけなのです。

結論から申し上げますと、今すぐに進路を決める必要は全くないと思います。

今、変人28号さんにできることは、専門にしたい分野を興味のおもむくまま「本気」でいろいろ学んでみること、そして、研究室の教授ともっと近づいて、さらに様々な情報を入手されたり、教授から変人28号さんご自身に対してもっともっと興味を持ってもらうことなのではないかと思います。
そのことによって、今まで見えて来なかったものが見えてくる可能性が広がると思うのです。

もうすぐ大学の2年次。
大学生活を思いっきり味わえる時期なのではないかと思うのです。
まずは、この今の大学生活を、ご自分の興味が向くことに対して思いっきり突き進んでみられることをお奨めします。

なぜなら、今のまま迷い続けていたとしたら、大学院へ行くにしろ、民間企業に就職するにしろ、後から思い返した時に、「自分は大学生活を楽しんだだろうか。自分にとって大学生活は何だったんだろう」と後悔されるかもしれないということを危惧するからなのです。
「もったいな~い!!」と思うんです。(^ ^)

但し、迷うことを否定するわけではありませんよ。
将来の進路についていろいろな考えが出てくるのもしょうがないとは思います。
その思いは思いとしてご自分で否定することはせず、将来のことについて決めかねているご自分をまず受け止めていただければと思うのです。

「よい」、「悪い」という価値判断は抜きにして、ただ単に、「将来のことについて決めかねている自分自身」を、自分自身が認めてあげる。
自分が自分の味方をすることによって、自分の味方が一人増えたのも同然ですし、そのことによって自信も湧いてくるものですから。

「私自身が大学院で活躍できる自信も,民間企業で職をこなしていける自信もない」とお書きいただいていますね。
大学1年次の今の段階で、大学院で活躍するにしろ、民間企業で働くにしろ、自信がないのは当たり前だと思うのです。
少し見方を変えるなら、「自信がない」と思えるくらいに将来のことが見えて来られた証拠だと思うのです。

ここは、「迷う」ことにエネルギーを注ぎ込むのではなく、まず、興味の向く方向にご自分のエネルギーを注ぎ込んで、「本気」で進んで行かれるのがよいと思います。

お書きいただいた次の二つの思いに対して悔いを残さないためにも、そうされることをお奨めします。
・私の専門にしたい分野が面白くていろいろ学んでみたい。
・大学受験で悔しい思いをしたので今度こそは・・・。

興味の向く方向にご自分のエネルギーを注ぎ込んで、本気で進んで行かれた経験は、民間企業への就職活動にとっても、必ずプラスに働くと考えます。
なぜなら、何かに対して「本気」を出したことがある人は、目標が変わったとしても、その目標に対してやはり「本気」を出せるものだからです。
上辺だけでなく心から「本気」で向かってくる学生の思いは、企業の採用担当者にも伝わるものです。
「この学生は何かを持っている。」と思ってもらうためにも、迷うことばかりに意識を向けず、「本気」で興味がある専門分野の学びを深めていかれたらよいと思うのです。

別にいただいたメッセージにおいて、
「他人が敷いたレールの上をひたすら歩む人生にだけはしたくない」
「組織の歯車になるようなことだけは避けたい」
とお伝えいただきました。

ひとつお伝えしたいことは、目標を設定されるときは、「否定形」ではなく、「肯定形」で表現してみてください、ということです。
我々の意識は(諸説ありますが)、「意識」、「潜在意識」、「無意識」に分かれていると言われています。
その内、「意識」はたったの3~4%しかないと言われています。
残りの96~97%が、潜在意識と無意識となります。

目標達成にとって、この潜在意識と無意識を味方に付ける必要があるのです。
いくら「意識」が100%「右へ行く!」と思ってもたったの3~4%。
潜在意識・無意識が半分くらい「左へ行こう」と思ったとしたら、頭では「右」と思ってはいるんだけど、なぜか「左」へ進んでしまったということになってしまうのです。

さらに、潜在意識・無意識は、「否定形」がわかりません。
否定形がわからない潜在意識・無意識に対して「他人が敷いたレールの上をひたすら歩む人生にだけはしたくない」と強く思い込ませれば思い込ませるほど、「他人が敷いたレールの上をひたすら歩む人生」へ進んでしまうのです。
ここはポイントですので、よく理解して、目標設定をされる際に十分気をつけていただければと思います。

さて、最後に、ご両親の思いをどう受け止めるかですね。

ご両親は、「大学院は就職できない人が行く所という固定観念」をお持ちなのですね。
ご両親が学生時代だったときはそういう人が多かったのかもしれませんし、ご両親の周りにそういう人が多かったのかもしれません。
何れにしても、ご両親の思い込みであり、誤解であることには変わりありませんね。
ご両親も人間ですから、思い込みや誤解があっても全然おかしくはないのです。

それから、先ほども述べましたが、「本気」で専門分野の学びを深められた方は、一旦、目標を変えられたときは、やはり「本気」で取り組めるものです。
もしかしたら、ご両親は学生当時、大学院か就職かを迷っている学生をご覧になって、「就活するだけの能力が無い」と思われたのかもしれません。

変人28号さんが大学院進学を目指したからと言って、直ちに、「就活するだけの能力が無い」とは決めつけられませんね。
ご両親の思いは思いとして大切に受け止められて、その上で、変人28号さんが、「本気」で進みたい道に進まれたらよいのです。

ご両親は、「(大学院の)学費は自分で出してね」とおっしゃっているのですよね。
裏を返せば、「学費を自分で出すなら大学院に行ってもいいよ」ということになりますね。
例えば奨学金を利用するなどして、ご自分の道に進まれたらよいと思うのです。

親であれば、「早く自立して生活して欲しい」と思うのは当たり前のことです。
でも、子どもの幸せを願ってのことなのです。
また、変人28号さんのようにご両親思いの子どもであれば、ご両親のメッセージを「早く自立して生活して欲しい」と受け止められるのも無理はないでしょう。

でも、自分で納得のいかないまま、ご両親の敷いたレールの上を進むことが、本当に「自立」につながるでしょうか。
迷いは持ちつつも、自分の興味がある専門分野の方向へ「本気」で進んでみられて、「やっぱりこの道を進もう」と思われるのか、「やはり就職しよう」と思われるのか、ご自身で決定されることが真に「自立」した生き方につながると思われるのです。

現在は、大学院か就職かで迷われていますね。
でも、場面が変わった時、例えば、結婚相手を決める時、仕事で決断を迫られる時、家を買う時、子どもを授かろうとする時など、今後の様々な人生の局面で、自分で決定する場面が出てきます。

今回のご相談は、今後の人生で応用が効くものですし、役に立つものと思います。
但し、自分一人だけで決定する必要はありません。
様々な情報を入手されたり、周りの人に相談してみたりした上で、最後は「自分で決める」。
そのようにした人だけが、自分の人生を自分で切り拓いていっているという実感を味わえるものなのです。

今回のご相談が、変人28号さんの何かのヒントになれば幸いです。
カウンセリングサービスには、私をはじめカウンセラーが多数在籍しております。
お一人で抱え込まずに、お気軽に電話や面談でご相談をいただければと思います。
それではまた(^o^)/~~~

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