自信をなくしました

相談者名
亜季
学生の頃は本当に世間知らずだったんですが、何度失敗しても立ち向かっていくだけの根拠もない自信がありました。

でも、社会人になって、初めての職場の先輩に私のミスが原因で、感情的に怒られ、それが段々エスカレートしていき「非常識」「気が利かない」「頭がオカシイ」「給料泥棒」などいろいろと面と向かって直接言われ、朝、挨拶をしても無視や睨んできたりで、私の存在まで否定されたようで、自分に自信を持てなくなってしまいました。

それ以来、何度も転職を繰り返してしまうのですが、そのたびに上司だけでなく後輩にまで少しでもきつく言われるとビクビク過剰反応して泣いてしまったり、それでさらに環境が悪くなって悪循環です。

働き出すといつも「非常識」だと言われます。「そんなことも知らないの?」「そんなこともできないの?」と責められるたびに、情けなくて、でもみんなの言う「常識」が理解できなくて、そういう時は、後から彼氏に相談して、何が常識なのか詳しく理解できるまで教えてもらっています。教えてもらえないと分からないんです。

彼氏は「確かに常識ないけど頑張ってるから」と言ってくれますがやっぱり彼氏から見ても私は常識ないんだと思うとしんどいです。

また、昔から絵を描くのが好きだったのですが、人の反応や評価を気にして昔のように絵が素直に描けなくなりました。

今、無職になって4ヶ月目に突入しましたが何度も転職を繰り返したせいで、スキルも中途半端ばかりだし気の強い感情的な人はどこに行っても一人はいるかと思うと働くのが怖いです。今までの職場でも必ず一人以上いましたし周りにもいて当たり前と言われます。
自分が何がしたいのかも分からなくなってしまいました。

家族や彼氏や友達は応援してくれるけど応援の言葉が他人の押し付けのように聞こえたりします。気持ちがついていけません。

「人間関係にすぐに負けすぎ。いままでの経験を活かして」とか「やればできる。努力が足りないだけ」とか「なんとかなるよ」とか。

自分に働ける場所がない気ががしてなりません・・・。好きだったはずの絵を人の意見にすぐ左右されて描けないのもツライです・・・。今は何をするにも自信がないです。

カウンセラー
山下ちなみ
亜季さん、ご相談ありがとうございます。
今回、担当します山下と申します。

亜季さんは、最初の職場で、先輩からの感情的な叱責がエスカレートしたことから、すっかり自分に自信を失ってしまったのですね。
その後も、過剰反応してしまうために環境が悪化してしまい、転職を繰り返してしまうのですね。

一般的に、新入社員の挫折経験は、「慣れないのに完璧にこなせない」「仕事の量が多く、やりきれない」ということからくるようです。
考えてみれば、先輩のようにできなくて当たり前なのに、私たちは能力がないと自分のことを責めてしまう傾向にあるようです。
特に、日本社会では、高・大学時代の学生時代と、社会での常識が違いすぎて、誰もが戸惑うといわれています。

亜季さんは、学生時代は優等生なタイプだったのではないでしょうか。
学生時代には、周囲の期待に十分に応えることができるくらい優秀だった、だから少々失敗してもできるのだという自信があったのかもしれませんね。
でも、学生と社会では、まるで違う国のように、ルールが異なるものですし、今までと同じやり方では通用しないもの。
また、業界や会社の数だけ、特有のルールがあります。
長く業界や会社にいるひとからすればそれは常識かもしれませんが、どの会社でも通用するルールなんて、実はないのですね。
亜季さんは、こうした構造の違いを全く考慮に入れずに、ご自分だけが悪いもののように思っていませんか?

こんな状況であっても、亜季さんは友人や彼の協力を仰いで、会社の常識にあわせてついていこうと努力するだけの、真摯な姿勢や、パワーを持っていますよね。
転職を繰り返しながらも、前に進もうとするだけの強さも持っています。
協力しつづけてくれるひとがいることも、亜季さんの才能のひとつではないでしょうか。
こんなご自分も、見ていますか?
どうか、認めてあげてくださいね。

いくら自分のミスがきっかけとはいえ、「非常識」「給料泥棒」など、ひどいことを面と向かって言われたり、無視されるのはとてもつらいことですよね。
ところが、このひどい言葉を、一番高い頻度で言っているのが、実は亜季さん自身であると言ったら、驚かれるでしょうか。
「頭がオカシイ」「給料泥棒」といわれたのは、最初の会社でのことですよね。
その後の会社でもあったかもしれませんが、少なくとも、ここ4ヶ月は職場から離れているわけですから、こんなことを言うひとは、「今ここ」にはいないはずなのです。
では、誰が言っているのでしょうか?
そうなんです、自分が、頭の中で繰り返し、繰り返し、何度も何度も、頭のなかでリピート再生してしまうんです。
無意識かもしれませんが、これは叱責している先輩に、自分自身も加勢しているような状況なのです。
それも、実際以上に、辛辣に執拗に繰り返してしまうのです。
私たちは、他人にはしないようなひどいことを、平気で自分にしているものなんですね。
四六時中そんな言葉がエコーする中で、力を発揮できるひとがどれくらいいるでしょうか。
誰だって、萎縮してしまいますよね。

萎縮して行動すれば、誰しもちぐはぐなことをしてしまいがち。
それがもしかしたら、いわゆる「非常識」に映っているのかもしれません。
そのときの自分は言ってみれば冷静な状況ではないのです。
萎縮してしまって、冷静な判断ができていないのに、そのまま刷り込み式に自分は常識がない、と思い込んでいるのかもしれませんよね。

この、心のエコーを減らしましょう。
減らそう、減らそう、と思うと、またそれがエコーになって悪循環です。
ここでは、悪いところを直す→いいところを伸ばすという考え方にスイッチする必要があります。
そのためには、少し心を緩める必要がありますね。
誰しも、緊張状態では本来の自分の良さを引き出せません。

亜季さんの周囲に、会社でひどく責められて自信をなくしている友達がいたら、亜季は何と言ってあげたいですか?
亜季さんがお友達にしてあげるように、自分にも接してあげて欲しいのです。
気持ちを理解して、そばにいてあげる。
プチ・スイーツを差し入れする。
こんないいところがあると知っていると伝えてあげる。
絵を描いてあげる、描かせてあげる、描く環境を整えてあげる。
励ましてあげる、慰めてあげる、何でもいいのです。
優しくしてあげてくださいね。

亜季さんが会社でしっかりするためではなく、ただただ、亜季さんのしあわせのためだけに、やってください。
そう、亜季さんのしあわせが先なんです。
亜季さんが会社でしっかりする中に、亜季さんのしあわせがあるのではありません。
亜季さんのしあわせの中に、会社が含まれているのですから。

こんなことを考えてみるのもいいかもしれません。
亜季さんの幸せの中には、彼も、友人も、絵も、ゆったり過ごす時間も、それから、それから……。
亜季さんは、亜季さんのしあわせを、何で構成したいですか?

亜季さんのしあわせを応援していますね。
ご相談、ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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