嘘で何がしたいのかわからない - カウンセリングサービス心理学講座

相談者名	ウジ
はじめまして。今年２４才になるフリーターの者です。誰にも言えない悩みがあり、１人で悩み続けて疲れてしまい、相談させていただきます。私は大学卒業前に内定の辞退をしました。情けないですが内定後のＯＪＴで同期との人間関係についていけなかったことが原因です。建前的に親にはやりたい夢（ラーメン屋を開くこと）があると話して、フリーターをすることに目をつぶってもらっています。友達や先輩など知り合い全員にはそのまま内定の会社で働いていると話しています。そしてこれは全部嘘です。親、友達、バイト先に自分以外全員に嘘をごまかしながら１年間フリーターとしてバイトだけをして過ごしてきました。最近では親にも友達にも「おまえ何考えてるんだ？」「そろそろ将来考えて就職しろ」と言われ、その度に曖昧に返事をして衝突を避けてきました。いい加減自分の苦しい嘘に疲れましたが、偏った高いプライドがあるため本当のことは絶対に話せません。元々本当は「自分でお店をやりたい」という漠然な夢がありました。けれど、漠然すぎたからこそ１年経っても具体的に動くこともせずに、とりあえず資金は必要ということだけで、ほとんど遊びも洋服も買わずに、バイトでお金を溜めるだけの生活をしてきました。今はやりたいことも特になく夢もないモラトリアムなフリーターですが、就職するという答えにも至りません。それは大学３年次に就活を真面目にやってきて内定辞退したことへの矛盾であったり、悔しさでフリーターとして１年お金を貯め続けてきた意味が欲しかったせいも理由です。全員に嘘をつき続け、本当は目的もなくただバイトでフリーターをダラダラやり、就職に対するモチベーションも湧かない。でもいつか本音で話し、嘘を解消することだけは決めています。自分は今何をしてる状態なのか自分でもわかりません。長くなりました、感じたこと、アドバイス宜しくお願いします。
カウンセラー	近藤あきとし
はじめましてウジさん。近藤あきとしと申します。今回はご相談をお寄せくださいまして、ありがとうございますどうぞよろしくお願いいたします。 > はじめまして。今年２４才になるフリーターの者です。 > 誰にも言えない悩みがあり、１人で悩み続けて疲れてしまい、相談させていただきます。 > > 私は大学卒業前に内定の辞退をしました。情けないですが内定後のＯＪＴで同期との人間関係についていけなかったことが原因です。 > 人間関係についていけなかったと言う事は、同期の仲間や先輩とのコミュニケーションが上手く出来なかったんでしょうか？ただでさえ学生というある種限定された世界から、広大な実社会へ社会人としてエントリーし様々な人たちと関わっていくのですから、ウジさんも新しい世界での生活に夢と希望と、そして同時に不安や怖さも感じていたことと思います。となると、励ましあえる仲間や頼りになる先輩がいるのといないとでは全然不安の度合いも違ってきますものね。何か周りと上手く人間関係が築けなかったことで自信を無くしてしまったのかもしれませんね。だとすると、これから新しい世界へ出て行こうとしていたウジさんとしては仲間がいないという事はとても寂しく不安になりますよね。おそらくその場に居ることすら苦しい、ずっとこんな気持ちで仕事をしていくのかと想像したらとても辛い気持ちが出てきたのではないかと思います。私自身も就職をして同じように研修を受けていた時には、同期の人たちに自分から上手く話しかけられなかったり話していても話題についていくコトに必死で、楽しかったりホッとする気持ちにはなれなかったので、もしかしたらウジさんも私と同じ気持ちだったのかなと思いました。 > 建前的に親にはやりたい夢（ラーメン屋を開くこと）があると話して、フリーターをすることに目をつぶってもらっています。友達や先輩など知り合い全員にはそのまま内定の会社で働いていると話しています。 > そしてこれは全部嘘です。親、友達、バイト先に自分以外全員に嘘をごまかしながら１年間フリーターとしてバイトだけをして過ごしてきました。どうして嘘をつかなければいけないと思ったんでしょうね。就職先を蹴ってしまったコトへの負い目や、その理由を正直に言えないコト、本当の理由を言ったら周りから怒られたりバカにされるのではないか、という思いや、もしかしたら、もっともっと複雑な感情もあるのかもしれませんが、ウジさんが一番強く感じたコトは、本当の自分を見せられない、というコトかもしれませんね。 > 最近では親にも友達にも「おまえ何考えてるんだ？」「そろそろ将来考えて就職しろ」と言われ、その度に曖昧に返事をして衝突を避けてきました。本当自分を見せられないからこそ、周りの人たちからはウジさんが何をしたいと思っているのか？将来への見通しをどう考えているのか？というコトが分からないんだと思います。だから色々とウジさんの意思を確認したくなってしまうのでしょうね。 > いい加減自分の苦しい嘘に疲れましたが、偏った高いプライドがあるため本当のことは絶対に話せません。 > > 元々本当は「自分でお店をやりたい」という漠然な夢がありました。けれど、漠然すぎたからこそ１年経っても具体的に動くこともせずに、とりあえず資金は必要ということだけで、ほとんど遊びも洋服も買わずに、バイトでお金を溜めるだけの生活をしてきました。 > 今はやりたいことも特になく夢もないモラトリアムなフリーターですが、就職するという答えにも至りません。それは大学３年次に就活を真面目にやってきて内定辞退したことへの矛盾であったり、悔しさでフリーターとして１年お金を貯め続けてきた意味が欲しかったせいも理由です。お話を拝見させてもらいながら私が感じたことは、ウジさんにはたくさんの不足感、満たされていない感じ、がある印象を受けました。そして、その不足感を埋めたいと感じて遊びもせずお金を稼いだりしたけれど、満足するには至らなかったのではないでしょうか。そこで私からの提案をさせて下さいね。私がお薦めしたいモノは、今よりも一歩高い視点から問題を見つめなおすというコトです。コレはどういうコトかと言うと、たとえばお金が無いという問題があるとしたら、働いてお金を稼ぐことでその問題は解決できますよね。でもそこから得られるのはお金が無いという問題の解決という結果だけですよね。そういった対処療法的なやり方も場合によっては悪くはないと思うのですが、さらなるプラスアルファは期待できないと思うのです。また、そういったやり方は時間も労力も必要にですし、なにより犠牲にしないといけないものも出てきます。働いてお金を稼ぐ為に家族や恋人との時間を犠牲にしていたら、お金は手に入ったけれど大切な人達との良い関係を失った、というコトにもなりかねませんよね。お金を通して得るモノはお金だけではないように思います。お金があると手に入るモノ、それは自由かも知れませんし、余裕かもしれませんし、安心感かもしれません。仕事を通して得たいモノも同じで、それを通して手に入れたいモノがきっとあると思います。一歩高い視点とは今までとは違う視点から問題を見てみるコトです。就職、お金という悩みから、それら以外の財産を見つけるコトです。そして自分自身をもう一度見直していくコトでもあります。それが出来るように心がけていくと、ウジが今価値を置いているコトのそのさらに奥にある価値観に気付けると思います。そして、ウジさんの根源にある価値観を明確にしていく中で、きっとウジさんは自分は何がしたいのか、何を感じている時が幸せなのか、そして、どんな生き方をしていきたいのか、というコトが見えてくると思います。人生の中で何を大切にするかは人によってマチマチです。それが何であろうが正しいも間違いもありません。ぜひウジさんの価値観、ウジさんの感じ方を大切にして下さいね。今回はご相談ありがとうございました。近藤あきとし