願望や欲求が減ってくるのはどうして?(1)~ハートブレイクとあきらめが願望や欲求を奪う~

いただいたリクエストを元に、願望や欲求が減ってくる原因やプロセスと、失った願望や欲求を取り戻していくプロセスとヒントをご紹介させていただきます。

昔はたくさんの夢と無限の可能性の世界に生きていましたが、年齢を重ねるにつれ、現実と限界を知り、「どうせ無理…」「こんなもんさ」と、望むものが少なくなっていく… そんな経験はありませんか?
それ自体は悪いことでもなんでもないのですが、願望や欲求のない世界というのは、単調で、モノクロ写真のような世界になりがちです。

辛くも苦しくもないけれど、楽しくもない。そんな毎日というのは、文字通り楽しくなく、その状態自体が苦痛であったりもします。
歳のせいと言ってしまえばそれまでかもしれませんが、積み重ねた年月と経験とそこで感じているものに目を向けてみることで、再びあの夢と無限の可能性に満ちた世界で生きていた頃の自分と同じような心の状態に戻れるかもしれませんよ。

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最近、昔よりも願望とか欲望が減ってきた気がします。
年齢を重ねていくとそのようになるものなんでしょうか。

今年26歳になるのですが、最近は昔よりもやりたいこととか欲しいもの、つまり願望とか欲望が減ってきた気がします。
高校生や大学生のときには、大学に受かったら~、社会人になったらこんなことをしてみたい!!とか、かなり欲望と願望があり、もてあましていたくらいなんですが、最近はそういうのがとても減ってきたように思います。

昔は、雑誌を見たり、ウィンドウショッピングをしてはあれも欲しいこれも欲しいと買い物に行ってかわいいものを発見したら、すごくウキウキしてたし、家に帰ってコーディネートを考えたり楽しい気分になれたのに、今は物を買っても昔のような気分にはなりません。
年齢を重ねると徐々にそうなっていくものなんですか?
だとしたら、それはなぜですか??

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どうして願望や欲求が減ってくるの?

「あれが欲しい」「こんなふうになりたい」といった願望や欲求というのは、人をイキイキとさせ、それを手に入れるために自分を前に進める原動力となります。

そうした願望や欲求が減ってくる心理的な背景を見てみると、絶望感という感情が関係していることが多くあります。
「絶望」というと大袈裟に感じる場合は、「あきらめ」という言葉の方がしっくりくるかもしれませんね。

私達は、生まれてきてから成長して大人になるまでの間に、多くのものをあきらめてきています。

小さな子供というのは、欲望のかたまりといってもいいくらい、欲しいものがたくさんあります。
欲しいものがたくさんあるのと同時に、それをそのまま表現することも得意なので、迷い無く欲しいものは欲しいと表現することができます。

例えば、お母さんに「今晩何食べたい?」と聞かれると、即座に「カレーライス!」「ハンバーグ!」と、自分が食べたいものを答えることができます。

そんなふうに、欲しいものがたくさんあるのですが、全てが手に入るわけではありません。
そして、欲しいものが手に入らなかった時、傷つきます。

スーパーのお菓子売り場やおもちゃ屋さんの前などで、はたして何回ハートブレイクをしてきたでしょうか?
その度に、腹が立ったり、悲しかったりして、結局お菓子やおもちゃをあきらめなければなりませんでした。

大きくなっていくにつれて、”欲しい→手に入らない→あきらめ”の経験が増えていきます。
そうすると、欲しいものが手に入らなくて傷つくという痛みを避ける方法を身につけるようになっていきます。

欲しいものが手に入らなくて傷つかないようにするのに一番効果的なのが、欲しいものを作らないようにすることなのです。

そうして、意識的、無意識的にかかわらず、願望や欲求を持たないようになっていきます。

また、私達は、成長していくにしたがって、限界や制限というものも増えていきます。

小さな子供に「将来何になりたいの?」と聞いてみると、どんな答えが返ってくるでしょうか?

「アイドル歌手!」「プロ野球選手!」「お花屋さんになりたい」などといった答えが返ってきますよね。
もう少し小さい子供だと、ウルトラマンやアンパンマンになりたいという答えが返ってくるかもしれません。

子供達は、自分に限界を感じていない分だけ、自由に発想し、それをそのまま答えます。
自分の将来に対する可能性が、無限に広がっている状態ともいえるでしょう。

「将来何になりたいの?」と聞いて、「健康に生きていけたらそれで十分です」とか、「う~ん、運動も勉強も今イチだし、人付き合いもあまりうまくなくて世渡り下手だから、どうせ何になっても中の下あたりをいければ御の字ということで、何でもいいよ」などと答える子供って、あんまりいませんよね。

逆に、「ウルトラマンになりたい!」と答える大人もあんまりいませんよね。

当たり前のことなのですが、大人は、自分がM78星雲出身ではないことや巨大化できないことを知っていて、ウルトラマンになれないことを知っています。

子供から大人に成長していく過程で、自分にはスペシウム光線を出せないことやジャムおじさんが実在しないこと、プロ野球で通用する実力やセンスがないといった、限界や制限を感じていきます。
そして、ウルトラマンやプロ野球選手になりたいというのをあきらめて、そういった願望や欲求を持たなくなっていきます。

このように、願望や欲求が減ってくる背景には、欲しいものが手に入らなかったハートブレイクから、自分に欲しいものを持たないように禁止したり、自分には無理だとあきらめる、といった心の動きがあります。

次回は、願望や欲求が減ってくる心の動きを、別の側面から見てみたいと思います。

>>>次回『願望や欲求が減ってくるのはどうして?(2)~罪悪感と無価値感が欲求を奪う~』に続く

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