感情を感じることを取り戻すと、「あれがしたい」「これが欲しい」という願望や欲求を、自分で感じられるようになります。
しかしながら、長い間抑圧や分離の状態があると、なかなかそれがわからなかったりもします。
そんな時に、自分が欲しいを探すのに役に立つヒントと、もう一度自分に願望や欲求を持つことを許すのに助けになるヒントをご紹介します。
前回は、願望や欲求を取り戻すために、分離したり抑圧して感じられなくなっている感情を取り戻すことと、感情を取り戻すのに役に立つヒントをご紹介しました。
今回は、それをさらに発展させて、もう一度自分に願望や欲求を取り戻すアプローチと、そのために役に立つヒントをご紹介します。
本当に欲しいものは何だろう?
願望や欲求を取り戻すというのは、「私が欲しいものは何だろう?」というのを探していくことです。
今、欲しいものが見つからない時には、昔、願望や欲求があった時代を振り返ってみるといいでしょう。
願望や欲求があった時代の自分は何を欲しがっていたのでしょうか?
それを探してみましょう。
洋服や携帯電話といったお金を出したら手に入れることができる、形のあるものかもしれませんし、それらのものを手に入れることができるお金そのものかもしれません。
あるいは、外国に行ってみたいとか、こんな職業に就きたいといったものかもしれませんね。
恋人とラブラブでいたかったのかもしれませんし、志望校を目指して燃えている自分というものかもしれません。
そうして、自分が欲しかったものが出てきたら、「それを手に入れたらどんな気分になるのだろう?」という感情に注目してみてください。
心の世界から見てみると、私達が本当に欲しいものというのは、物や状態ではなく、物や状態が手に入った時に感じることのできる感情や感覚なのです。
その感情や感覚を感じたいというのが一番の願望や欲求で、洋服を買うことや海外旅行に行くことというのは、その感覚や感情を感じる手段なのです。
「海外旅行に行きたい」という願望や欲求は、実は、海外旅行に行くことで感じることができる感情や感覚、例えば、ドキドキやワクワク、未知の世界や異文化に触れることで感じる驚きや新鮮さなどを感じたいというのが本当の願望や欲求であったりします。
極端な話、海外に行かなくても、隣町で同じ感情や感覚を感じることができたとしたら、それで心は満たされるのです。
このように、願望や欲求を取り戻すというのは、「どんな感情や感覚を感じたいのか?」というのを探すということになります。
そのためにも、感情を感じることを取り戻す必要があるのです。
●もう一度願望や欲求を持つことを自分に許す
「願望や欲求が減ってくるのはどうして?(2)」でご紹介したように、無価値感や罪悪感があると、自分に願望や欲求を持つことを禁止してしまいまいます。
もし、そういった無価値感や罪悪感が自分に願望や欲求を持つことを禁止してしまっている部分があるならば、その無価値感や罪悪感に向き合う必要があります。
自分の本当の価値を受け取り、断罪した自分を許して、十字架に張り付けになっている自分を十字架から降ろしてあげることは、同時に、自分に願望や欲求をもう一度持つことを自分に許すということでもあります。
●人との繋がりからパワーをもらう
自分に願望や欲求を持つことを再び自分に許すというのを、なかなかうまくできないことが出てくるかもしれません。
そんな時には、人との繋がりに目を向けてみるといいかもしれません。
どんな繋がりに目を向けるかというと、あなたが願望や欲求を取り戻すことで、あなたがイキイキと輝いているのを見て喜んでくれる人達との繋がりです。
あなたがイキイキと輝いている姿を見て、その人達はどんな表情になったり、どんな声をかけてくれるでしょうか?
あなたが再び輝き出そうと今頑張っているのを、その人達は、どんな目で見てくれているでしょうか?
その人達に「自分を許したいんだけど、許せないの…」と言うと、その人達は何と言うでしょうか?
その言葉に耳を傾け、その目に見られて、その想いに触れて、それを受け取ることで「もう少し頑張ってみよう」と思えたり、「自分がイキイキと輝くのを願って待ってくれているその人達のためにも自分を許そう」という心の状態になっていきます。
願望や欲求が減ってくることは悪いことでも何でもないのですが、それらを取り戻すことで、イキイキと輝き出したり、意欲的に前向きに生きるようになり、充実感や達成感などをも手に入れることができます。
あなたの心の中に「それ、いいなぁ~」という願望や欲求が感じられたら、チャレンジしてみてくださいね。
(完)