人生の頂点のようなイベント“結婚式”を終えた夫婦は、第一線を引いたように家族になろうと頑張ります。
問題を起こさないように、壊れ物を扱うようにお互いの顔色を伺い我慢大会になってしまうのです。その結果、ロマンスのない寂しい毎日と家政婦のような毎日、そして、服一枚買うのにも気を使う日々がやってきてしまうのです。ほんとうにそれでいいのでしょうか?
●結婚するとどうしてロマンスが無くなるの?
私達は無意識のうちに結婚式が「人生最大のイベント」であり、「喜びの頂点」であり、「人生のゴール」であるように刷り込まれています。
だから結婚式の後に“祭りの後の虚しさ”を感じられた方も少なくないんじゃないでしょうか?
もちろん、頭では『結婚はスタートで、これからが本当の関係性が始まるんだ』と思ったとしても、男性ならば「お前も所帯を持って落ち着いたんだから、これからは仕事に精を出せよ。期待してるよ」と持ち上げられ、女性ならば「○○ちゃんはもう売れちゃったもんね」とまるでもう女ではなくなったように世間からは見られたりします。
そして、次は「子ども」が主役。
「いつ作るの?」と言われ、生まれたら生まれたで、どこに行っても子ども中心の生活。
そうすると、いつしか、「元恋人で今夫婦」というより「元恋人で今家族」になってしまうようです。
セックスレスに悩んでいる、ある奥様の言葉。
「子どもが生まれてから、セックスするのにも子どもが起きないか気にするようになって、全然気持ち良くなくなっちゃったんですよ・・・」
私達は「夫婦を楽しむ」ということをどこかに忘れているのかもしれません。
それは子どもが生まれた後であったとしても大切なことではないでしょうか。
結婚して子どももいる方に「最近夫婦でどんなデートをしましたか?」と質問すると「そんなこと、とんでもない。家族ならまだしも、夫婦で出かけるなんて・・・」という答えが返ってきたりします。
でも、夫婦ってそのようなものなのでしょうか?
寂しくない?つまらなくない?せっかく出会い、付き合い、結婚までして子どもをもうけた仲なのに。
(もし、最近二人でデートしてないなあ・・・と思われる方は、ぜひ、万障繰り合わせの上、“待ち合わせ”付きのデートを企画してみてください。「何をいまさら・・・」と思いつつも、けっこういい刺激を感じられますよ。
結婚によって、私達は無意識に「安定」を求めます。
家庭がギクシャクするのは良くないから、とお互いに我慢をし、気を使い、いい関係を築くことに骨を折ります。
また、世間もそれを求めるので、周りの顔色を伺いながら、まるで“FRAGILE(壊れ物)”のタグがついた荷物を扱うように夫婦関係を保とうしてしまうこともあります。
少々のことは「私が我慢すればいいのよ」と思い、大きなことがあっても「俺が悪いんだから」と一人で背負おうとします。
いい関係を築いて幸せになるために頑張ってるはずなのに、いつしかそれが「どっちが我慢強いか?」という我慢大会になり、そして、「あたしがこんなに頑張ってるのにあなたは・・・」と不満が溜まるようになります。
また、夫は奥さんに「母」を求めることが多いんです。身の回りのことをきちんとしてくれる便利な女性として。
それは私達にとって(それは男性も女性も)、「お母さん」は安心と安定のシンボルだから。必然的に女性である奥さんは、その役目を背負わされることになるんです。
そして、奥さんの方もお母さんを見てるから、どこかでそうならなければならないように感じて無意識にそれを受け入れてしまうのかもしれません。
でも、「あたしは家政婦じゃないのよ!」と感じた事がある奥さんってすごく多いんじゃないでしょうか?
「女」として見て欲しいし、愛して欲しい・・・。
そう思うけれど、夫の稼ぎに頼るようになると、服を一枚買うのにもすごく気を使うようになります。
オシャレという言葉が自分の中でどんどんタブーになり、やがては自分の中の女がどんどん磨り減っていくのを感じるのです。
だから、そんな中で、どう女を生かすか?というのがカウンセリングでも大きなテーマになるんです。
>>>『結婚するとどうしてロマンスがなくなってしまうんだろう?(3)』へ続く