自己承認や、自分を許すということは、心の柔軟さという強さを作っていきます。
それは、ストレスを受けても折れない強さです。そんな強さを手に入れてみませんか?
●鍛えて強くなる術●
私たちは、子供から、大人になる上で、自立という成長の術を覚えていきます。
自立は、成長する過程で、とっても大切なこと!
上手にできないことを、上手くできるようになろうと弱点を克服しようとしたり、
落ちこんだり、へこんでしまう自分や、弱音や、甘えがでる自分を律するなどの
術も覚えていきます。
そして少々のことで、落ち込まない強さや、弱音を吐きたいシーンでも頑張れ
る強さを身につけていきます。
それは、鍛冶屋さんが、柔らかい鉄を叩いて鍛えることによって、
丈夫な鋼を生み出す術と似ていると感じがします。
鍛冶屋さんが、鉄を叩くシーンは、テレビなんかで見たことがあるのではない
でしょうか?
刀鍛冶さんが、真っ赤に焼いた鉄を、大きなハンマーの様な物で叩きながら、
刀の形を造っていくシーンなんかはテレビでよくやっていると思います。
あのハンマーで真っ赤になった鉄をトン、テン、カンと叩くのは、
鍛造(たんぞう)と言うそうです。
鍛造とは、『鍛=きたえて』物を『造=つくる』という意味だそうです。
それと同じように、私たちは、自分を鍛えて、成長させていきます。
それは、とっても大切なことです。
ただし、鍛えすぎには要注意なんです!
●鍛えすぎに要注意!?●
鍛えて成長していくことは、とっても良いことのはず!?
なのに、なぜ、要注意かと言いますと、トン、テン、カンと自分を叩いて
鍛えてばかりだと、鍛えて強くするというよりも、自分を責めすぎたり、
自分を責めすぎて自己嫌悪に陥る面が目立つようになってくるからなんです。
つまり、叩きすぎちゃうんですね。
私たちは、自立をして成長していく上で、自分を律して強くなっていきます。
そうすると、自分のできていないところや、劣っているところを見つけて、
その部分を治していこうとする方法を身につけます。
それを続けていくうちに、自分を律する傾向が強くなってくると、
自分のできていないところ、劣っているところばかりを見つけてしまようになります。
それは、癖のようなものになっていき、自分のできているところや、優れているところに
目を向けず、ついつい、できていないところ、劣っているところなどの弱点を見つ
け出してしまいます。
学校の通信簿に例えるなら、5段階評価で、
国語が3 算数が2 理加が4 社会が3の通信簿をもらった時に、
得意な理加の4を5に伸ばそうと発想せずに、苦手な算数の2を3にしなければと、
つい意識が向いてしまう感じです。
良いところに心の目を向けず、弱点を見つけ出そうとあら探しばかりになって
しまうと、自ずと自己評価が低くなってしまいます。
また、自分を叩く癖がつくと、自己嫌悪に陥りやすいという面も持ちます。
硬くて打たれてもへこまないような、強さを求めるあまり、自分を叩きすぎて
しまうわけです。
鉄は硬いだけだと折れやすくなります。
たしかに、硬いと折れにくいのですが、その硬さ以上の圧力が加わると、
ポッキリと折れてしまいます。
自分を叩いて、律して、何事もはねのけるような強さを身につけた時も、
同じようなことが言えると思います。
その強さは、落ち込まない、へこまないというような、硬い鋼のような強さです。
しかし、その硬さで耐えられる強度以上のストレスが加わったり、強く自分を
責めすぎることがあると、ポッキリと折れてしまうと思いませんか?
打たれてもへこまない自分を求めて、自分を叩きすぎてしまっていれば、
今度は、叩くのを辞めていくことがテーマとして求められます。
それは、次の強さを身につけていく為に必要なことなのです。
●折れない強さ●
日本の刀鍛冶職人が作る“日本刀”というのは、折れにくい優れた刀という
評価があり、日本が世界に誇れる技術だそうです。
なぜ日本刀は折れにくいかと言うと、日本刀は柔らかい軟鉄が芯のほうにあり、
しなる性質を持っているからだそうです。
柳や、竹などのしなるものって折れにくいですよね。
強い力が加わっても、しなって外からの圧力を受けながすからなんです。
それって、すごい強さだと思いませんか?
私たちも同じで、折れずに、しなるような強さを持つことができます。
それは、自分を律しすぎず、今の自分を認めてあげることや、
できない自分を許してあげることで身に付く強さです。
それができると、ストレスに強い柔軟な心を作っていくことができます。
柔軟さは、硬さとは、また違うタイプの強さです。
この強さは、ストレスに対して、ものすごい強さを持ちます。
自分を認めてあげる強さや、自分を許す強さを持つことで、
落ち込んだり、へこんだり、自信を失ったり、などに強くなります。
自立度が強いタイプの方は、自分を律しすぎず、今の自分を認めてあげること
や、できない自分を許してあげる柔軟さを持つことは、自分が弱くなるような
イメージを持つ方も少なくありません。
しかし、それは逆で、より精神的な強さを身につけられるんですね。
●柳のようにしなる強さを手に入れる●
自分を律しすぎている時、自分を戒めすぎている時は、
今の自分を認めてあげる、できない自分を許してみる、今の自分を受け入れ
てみる勇気を持とうと思ってみることが大切なテーマになります。
自立度が強すぎているから、自立度を緩めることがテーマになるんですね。
逆に、依存度が高い場合は、時には自分を律して頑張ってみることがテーマに
なります。
多くの大人は、自立をする方法で頑張ってきていますから、
今の自分を認めてあげる、できない自分を許してみる、今の自分を受け入れて
みるということがテーマになることが多いです。
自分で自分の嫌っているところや、戒めているところを、
認めてあげる、許してあげる、受け入れてあげると言うのは、意外と難しいも
のだと思います。
難しいところから始めずに、最初は自分が認めやすいような自分の良い部分を
見つけて、自分を認めてあげるとか、「まぁ、こんな部分があってもいいかぁー」
と軽く自分を許せるところから自分を許してみようと思ってみるところから
始めてみるとスタートしていきやすいと思います。
スタートして、それを続けていくと徐々に、自分を認めてあげたり、
自分を許したり、自分を受け入れることができるマインドが育ってきます。
そのマインドが育ってくると、自分で自分の嫌っているところや、戒めている
ところを、認めてあげる、許してあげる、受け入れてあげることができるよう
になっていきます。
そうなれていくと、ストレスが加わっても、
まるで、柳がしなるかのように柔軟にストレスに対応できようになります。
それは、とても強い自分を手に入れていることでしょう。
その強さを手に入れる為に、スタートしやすいところから、
少しずつ、自分を認め、許し、受け入れてみることを始めてみませんか?