キイロイトリさん、はじめまして吉原と申します。 よろしくお願いします。子供の頃からのコンプレックスをバネに、 今まで頑張って来られて、ひとつの業界で職を極められたこと。 また、自分の苦手な面を克服して人前で堂々と振舞える様になれたこと。 それはすごいことだと思いますよ。 並大抵の努力では無かっただろうし、 自分を克服する事の厳しさは、僕にはすごくよく解ります。 今までの生き方としても、キイロイトリさんは、 ひとつの目標を達成されたのだと思います。 ただ、今、仕事においても生き方においても、 何か行き詰まりを感じておられて、迷っていらっしゃるのだと思います。 転職を考えられていることも、心の中で、 もう少し違った生き方を模索されているのでしょう。 まず大切なことは、 今までの生き方ややって来たことを、否定せずにちゃんと認めて、 評価してあげることです。 キイロイトリさんは、今まで立派にやってきたし、 すべてのことに勝ち抜いてきたのです。 それは誰が見ても違いの無いキイロイトリさんの評価です。 そうして自分を認めてあげた上で、次の話を聞いてください。 僕たちは、人間としていつの時点でも変化し成長し続けています。 ただ成長する方向は一方向では無いということです。 例えば、人の成長を見てみましょう。 僕たちは、何一つ自分ですることが出来ない赤ん坊として、 この世に誕生します。 そして、周りの人の愛情や愛をたくさん受け取って成長します。 いわゆる「依存」という成長のステージです。 ここでは、どれだけ周りの人に愛されるか、 人の愛情を受け取るかというテーマが主体となっていますよね。 どれだけ人に上手に甘えられるかと言う風にも言えます。 その時代が過ぎて行くと、今度は「自立」のステージに入っています。 親のしつけがはじまったり、また学校教育の中で自分の力で生きて行くことを 身に付けますよね。 このステージでは、自分の甘えているところ、自分の苦手なこと。 自分の弱いところをすべて否定して、嫌って、より良い自分になろうとします。 もちろんこの時期を通り過ぎないと、 僕たちは大人になって文字通り「自立」出来ないし、 自分の能力や才能もまったく開発できないでしょう。 大人として、人として成長するのは欠かせない時期であります。 ただこの方向「自立」だけが人の成長する方角では無いのです。 この「自立」というステージが終ると、次にもう一度「依存」を受け入れないと 成長できないステージがやってきます。 例えば、子供を持って親となる時期を考えて見ましょう。 この時期は、まったくの「依存」の状態で生まれてくる子供と向き合わないと、 いけなくなります。 心の中で、前のステージで嫌っていた「依存」や「甘え」を、 そのまま嫌っていると、子供と接する事が本当に苦痛になってしまいます。 また、子育てをいう大変な仕事は今までのように、自分ひとりでは出来ません。 パートナーや周りの人の援助や協力をどれだけうまく受け取れるかが問われます。 今まで嫌っていた自分の弱いところや、否定してきた面を、 もう一度受け入れて行くということが必要なステージです。 今までと違った方向で変化し成長していくこと。 カウンセリングでは「成熟さ」という言う言葉をよく使います。 人は、こう言ったまったく違う方向への変化を受け入れたり、 またそれを繰り返したりして成長していきます。 人として、またある組織や会社の一員として、恋愛関係でも、 こんなことを繰り返して成長していくのです。 お話を伺っていると、 キイロイトリさんがちょうど、「依存」や「甘え」を受け入れる、 転換期に到達されているのだと思います。 今まで嫌っていた自分や、否定してきた面をももう一度受け入れて行く。 そしてそこで、もっと成熟した魅力や才能を手にされていくのです。 今までのやり方が間違っていたのでは無く、次のステージに行き着いたのです。 ファッションの業界については、あまり詳しくありませんが、 何かを表現するアートの世界だと、 いわゆる「自立」という心の面が持っている洗練された美しさもありますし、 「甘え」という心の面がもっている寛容なやわらかさも美しさです。 キイロイトリさんが、今までのステージで嫌ってきた心の一面を受け入れた時、 その一面が持っているものが、キイロイトリさんの新しい表現となる可能性も 多分にあると思います。その一面も実はたくさんの才能を持っています。 ぜひ、今まで嫌ってきた自分を受け入れて、 次のステージでも存分に輝いてください。 具体的な転職などのアドバイスは出来ませんでしたが、 解らないことがあればいつでもお電話してください。 ご相談有難うございました。 吉 原 直 人 |