相談者名 | kimu |
彼とはあるプロジェクトで一緒に仕事をしました。 しかし、社長と考えが合わなくなってきたからか、彼はリーダーとしてグループを引っ張っていこうとしませんでした。 結果、彼は会社をクビになり、私もその後クビになりました。 今、そんな彼が会社を立ち上げようとしていますが、提携を考えている企業との話し合いで、前の会社は潰れるだろうと言ったことを本人から聞きました。 その会社との提携の話がどうなるかわからない席で、前の会社の批判を堂々としてしまうことを注意したら、激怒されてしまいました。 クビになったときの屈辱感を思い出したからかもしれません。 しかし、私の中には彼がやるべきことから逃げたため、私もクビにされたという思いがまだ残っています。 新しい会社で一緒にやろうとしていますが、まだまだ前の会社での出来事を引きずってしまいそうです。 被害者意識を捨てなければと思いますが、彼の前の会社での振舞いを思い出し、また同じことを繰り返すのではと注意してしまいました。 会社を興すときは誰しもが足元を見ることを忘れたりという経験をするのかもしれません。 仕事の能力の面でも、彼には勝てません。 何か見下したい気持ちもあるのかもしれません。 彼は今、いろいろなことで大変ではあるけれど、無職でうつうつとしている私からは、羨ましいところもあります。 気持ちをすっきりさせる方法がありましたら、よろしくお願いします。 こちらのご返答の前に電話で相談させていただくかもしれません。 | |
カウンセラー | 中村ともみ |
kimuさん、こんにちは。ご相談をいただきありがとうございます。カウンセラーの中村です。 ご相談内容からkimuさんの性別と「彼」との距離がいまひとつ分かりにくいのですが、とりあえずビジネス上のパートナーであり、非常に親しい間柄であるのではないかと思いますので、そう言った観点からお話を進めさせていただきますね。 まず、彼とあなたの位置的な関係は、彼がいつもひっぱりあなたは支えるというポジションのようですね。察するにあなたはこの位置に大きな不満を持っていはいないけれど、あなたの意見も聞いてもらいたい、認めてもらいたい、と言うお気持ちがお有りではないでしょうか。彼の、前の会社に対する批判をあなたが注意したと言うことは、彼との信頼関係の深さを思います。なかなか言いにくいことではないかな、と思うのです。そしてそんなあなたに彼が激怒した、と言うことは、彼の中に一体どんな想いがあったのでしょう。少し探っていきましょう。 「君だけは解ってくれると思っていた」と言う気持ちが彼の中に大きく存在していたのではないでしょうか?さらにkimuさんがおっしゃるようにクビになった時の屈辱感ももちろん大きいでしょう。彼の言動は「あの会社・社長が悪い」「自分を認めてくれなかった」「だからリーダーシップなんてとれなかった」と言うことを正当化しようとしているかのようです。事実、全くそういったことが無かったかどうかはkimuさんご自身が一番ご存知なのだと思いますが、そのあなたが > しかし、私の中には彼がやるべきことから逃げたため、私もクビにされたという思いがまだ残っています。 と言うことですから、あなたの中にも彼にはもっとできることがあり、うまく会社・社長のサポートをできた人材であることへの理解を感じます。考えが合わないからリーダー的在り方を放棄するのではなく、社長とコミュニケーションと取り、自分の意思を伝え、社長の真意を知って欲しかった、と言うことではないでしょうか。と言うことは、kimuさんご自身が社長の真意をどこかで解っていたのではないかと推測されますが、如何でしょうか。 彼の取っている行動には権威的な存在との葛藤を引き起こしやすいパターンが見受けられます。上司と言っても人間ですから、得意不得意があるのは当たり前ですね。社長と言えども会社の全てを自分ができるわけではないと思います。これは得意でないとと言うことだけではなく、時間的、物理的なことも踏まえて、そう思います。 > 会社を興すときは誰しもが足元を見ることを忘れたりという経験をするのかもしれません。 企業を構えておられる方、つまり社長には、目先のことだけで無く、遠い将来の展望や幅広い視野をもっての考えがおありだと思うのです。それをどう叶えていくか、また、その見えているヴィジョンの先にはもしかしたらさらに大きな何か目的があるのかもしれないと思います。自分の夢をかなえるという観点で見ると、社長も彼も同じなのでしょう。彼はきっとそんな社長と一緒にやっていこうと思っていたのかもしれません。ところが、彼の中に在る「自分のやり方」が社長の考えと合わなくなってしまった、と感じたのでしょうね。一般的な話ですが、自分のやり方と合わない時に多くの人はがっかりしてしまい、あきらめてしまったり、彼のように反抗的になってしまったりしますが、考え方を少し変えて見ると、彼のやり方があわないと言うよりも社長にはない発想や展望を彼が持っていると言う事になると思いますから、本当はその辺りのコミュニケーションがうまくいけば会社も彼ももっと成功したのでは、とkimuさんは感じておられたのではないでしょうか。 kimuさんもこの経験でお解かりのように、リーダーと言うものはより高い物を要求されます。そして、見上げる立場の者は、尊敬や評価を持ちながらもどこかで足りなさを見つけた時に攻撃的になってしまったりします。実際には攻撃をしようと言う意図でないとしても、見上げられる立場の者にはそう感じられることも少なくないでしょう。そして、この気持ち・・・自分にとってのリーダーを攻撃してしまう・・・はkimuさんの中にもおありのようですね。 > 仕事の能力の面でも、彼には勝てません。 kimuさんの正直な想いだと思います。そしてどこかで置き去りにされるような寂しさ、不安感があるのではないでしょうか?でも、彼はどう思っているのでしょうか。もしかしたら、あなたなしにはやっていけないと言う思いがあるからこそ、新しい会社で一緒にやっていくと言う選択があるのではないかと思います。でも、これがなかなか感じられないのではないでしょうか。なぜならあなたにとって彼は「偉大」だからです。これは彼にとっての社長も同じだと思うのですが、kimuさんはどうお考えになりますか? 整理してみますと、彼の社長に向けていた思いはkimuさんご自身が彼に持っている思いと似ているのではないでしょうか。だとしたら、kimuさんがこの気持ちを整理し、本来持っている彼への尊敬や評価を活かしてゆける存在に意識が向いた時に、彼の気付きを誘い新しい上司やあるいは取引先などとの対応で彼が同じことを繰り返さなくても済む事になるのではないかと思います。つまり、kimuさん自身が変わっていく事が彼にとっての最大のサポートになり、それはまたあなた自身の成功でもあると思います。kimuさんご自身の問題としては、自己評価をもっともっと正当なものにできたら良いな、と私は感じています。少なくとも彼はあなたを全面的に信頼しているのだと思いますから。 頭で解っているけどこれがまた、行動に移すとなれば大変ですね。応援しています。お話できる機会があれば嬉しく思います。 |