仕事で関わる人を怖いと感じてしまいます

相談者名
みき
こんにちは。いつも心理学講座にお世話になっております。御社のカウンセリングを受けてみようか迷っていたところ、この無料相談を知り、ご相談させていただきます。

私(30歳、女)の長年の悩みなのですが、仕事で関わる目上の人達やお客さんが怖いのです。特に女性のほうが怖く、どの職場に行っても、萎縮してしまう対象が必ずいます。転職してもしても必ず出会うので、何か越えるべき課題があるのでしょうか。。
なぜか、男性でも同年代の人は怖くないですし、もちろん女性でも子供なら怖くないです。
歳下でも上でも、怖いと感じる女性達はとてもテキパキ仕事をこなす男性的な雰囲で、ザクザクしています。指導や指示はざっくりしていて、もっと詳しく知りたくても質問するのが怖い‥と感じてしまいます。いつも視界の隅に彼女達を捉えては、ビクビク萎縮し、自分の仕事に集中できずかえってミスをし、怒られる‥というループです。お客さんでも、ズバズバ物を言う方が怖く、今では、お客さんイコール怖い、と身構えてしまいます。本当は優しい人にまで。

私は、辛いことが積み重なった時期は、職場のクレーム対応中にお客様の前で泣いてしまったり、自分のミスが情けなくて上司に叱られながら泣いたり、トロくて仕事覚えも悪く「前にも教えたよね?」と言われたり‥仕事ができる彼女達とは正反対です。褒められるのは笑顔くらいですが、それも仕事用に作ってるところがあります。仕事ができないから、せめて笑っていないと‥雰囲気でカバーしないと‥!と。でも笑顔なんて誰でも出来るし、仕事がちゃんとできないと笑顔が良いところで意味がない、と卑屈に思ってしまいます。

叶うなら働きに出ずお家で旦那のためにごはん作ってたい、趣味の絵画をしていたい、猫と遊んでたい、、というように、キャリアウーマンとは程遠い人間です‥。

ふと思い出しましたが、母親はいつも不機嫌でイライラを撒き散らしていました。よく叩かれたり物を壊されました。また、一回り年上だった元旦那にはDVを受けて怒鳴られていたこともあります。そういった記憶を、職場の目上の人達に重ねてしまっているのでしょうか。

人を怖いと思ってしまう萎縮グセを治して、のびのび働く自分になるには、どうしたらいいでしょうか。
ご回答頂けると幸いです。

カウンセラー
大塚亘
みきさん、はじめまして。

今回担当させていただきます、大塚亘と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

みきさんの文章が、とても詳しく、分かりやすく心理的状況を表現されているもの
でしたので、みきさんのお気持ちやお悩みが、私なりにとても良く分かった気が
します。勇気を出して相談してくださったことに、まずは敬意を表したいと思います。

さて、それでは、少し想像してみてくださいね。あるお母さんが女の子を出産されたと
します。その子のお母さんやお父さんはとても優しい方で、女の子は両親からとても
愛され、伸び伸びと自由に楽しく育ったとします。

お母さんはイライラすることは全くなく、常にいつも女の子に優しく接してくれたと
します。女の子は学校でも先生や同級生に愛され、慕われて、とても楽しい学校生活を
送ったとしましょう。

そして、その女の子はさらに成長して、明るく朗らかで素直な大人になり、とても
優しい男性と出会い、恋愛をし、そして結婚しました。結婚生活も幸せそのもので、
ご主人は性格もよく経済力もあるので、いつも安心感を感じながら楽しく生活して
いたとしましょう。

みきさんの周りに、こんな絵に描いたような素晴らしい環境で育った大人っている
でしょうか?

さて、私共カウンセリングサービスのカウンセリングのベースとなっているビジョン
心理学の創始者、チャック・スペザーノ博士は、次のような言葉を述べています。

「99%の家族は、機能不全家族です」

実際には、上述のような「幸せしか知らない」ような方も、私の個人的考えでは、
この世にいらっしゃると思っています。しかし、まず私大塚が育った家庭も、
私の両親は離婚しましたから完全な機能不全家族でしたし、私の親族の家庭
ひとつひとつを見ても、程度の差こそあれ、全て機能不全家族です。必ず何らかの
問題を抱えています。

ご相談下さるクライアントさんについても、クライアントさん自身は100%の確率で
必ず素晴らしい価値をお持ちですが、一方で、そのクライアントさんのご両親などの
話しを聞くと、やはり高確率で機能不全家族であると言わざるを得ないのです。

もしそうだとしたら、我々人間はみな、過去に傷つき、今でも心の傷を持って生きて
いることになります。私がみきさんにお伝えしたいのは、ほとんどの人間が心の傷を
持っているのだから、むしろそれが普通であるということです。

そして、自らが望んで傷ついたわけではないのは明白ですから、仮に心の傷が今の
心理に影響していたとしても、ご本人が悪いわけではない、ということです。

私大塚は、カウンセラーとして、クライアントさんの「心のクセ」を見つけて、
クライアントさん自身にそれを気付いてもらい、もし傷ついているならそれを
癒していき、今と、これからのクライアントさんの生活に好影響を与えたいと
思いながらカウンセリングをしています。

しかし、まれにですが、「心のクセ」は私大塚も含めた人間全員にあると言っても
過言ではないのに、カウンセリングで「心のクセ」の話しになると、

「私に原因があるというんですか?私が悪いんですか?」

と勘違いされてしまうことがあります。もちろん、自ら望んで傷ついたわけでは
ないのですから、悪いクライアントさんは一人もいません。

さて、前段が長くなってしまいましたが、みきさんの今の心理に影響しているのは、

>ふと思い出しましたが、母親はいつも不機嫌でイライラを撒き散らしていました。よく
>叩かれたり物を壊されました。また、一回り年上だった元旦那にはDVを受けて怒鳴ら
>れていたこともあります。そういった記憶を、職場の目上の人達に重ねてしまっている
>のでしょうか。

これだけが「心のクセ」の原因だとは限りませんが、ご自身で思われた通り、この経験が
大きく影響していることは間違いないでしょう。

みきさんのお母様がイライラしているとき、みきさんは「嫌な感情」を感じたはずです。
そして、「感情」とは怖いもので、発散できれば消えてなくなるのですが、発散しないと、
イヤな感情を感じるたびに心の中に蓄積されていき、何年も、何十年も、極端な話し、
死ぬまで心の中にとどまり続けて、我々人間の心に大きな影響を及ぼしてしまいます。

ただご安心ください。何年、何十年もとどまり続けた「感情」も、発散して減らして
いくことができます。これから発散していけば、心が軽くなり、自然と人間が怖く
なくなっていくと思います。

電話カウンセリングでカウンセラーに話すだけでも「感情の解放」になりますし、
面談カウンセリングのセラピーではイメージを使ってさらに効率的に「感情の解放」を
することもできますので、よかったらご検討下さいね。

さて、それでは、カウンセリングを受けること以外で出来ることをお伝えしたいと
思います。私のお勧めは、

「今の状態をそのまま受け入れて、認めてあげる」

ということです。みきさんのなかに、このような気持ちはないでしょうか。

「人が怖いという自分はダメだ」

みきさんの心の中に、ご自身を否定しているところはないでしょうか。全く否定して
いないのであれば良いですが、「卑屈」という言葉を使われていますので、少なからず
ご自身を否定されていると私は想像します。

昔から溜まってきた「嫌な感情」が影響していますから、昨日は人が怖いと感じたのに、
今日いきなり人が全く怖くなくなる、ということはありません。少しずつ少しずつ
気にならなくなっていく、ということになると思います。

まずは今の状態をそのまま受け入れてあげてほしいのです。それはこんな感じです。

「私、人が怖いからなあ。今日も怖いと思ったけど、まあいいか」

「怖いものは怖いし、別に悪いわけじゃない。カウンセラーも、親御さんの影響だと
言っていたし、私が悪いわけじゃない。怖くても、まあとりあえず良しとしよう」

「怖いと思わないでください!」なんて言ったところで、怖いという感情は
オートマチックに、自動的に浮かぶものなので、怖いと思わないようにする、
というのは無理な話しです。発想を転換して、そもそも「怖いと思うことは何も
悪くない」と思ってほしいのです。

怖いと思うことを否定せず、怖いと思ってもいい、怖いと思うことは何も悪くない
という感じで日々過ごしてみてください。怖いと感じても自己否定しないと、
卑屈さが少なくなっていき、逆に自己肯定感が高まっていきます。そうすると、
そもそもの「怖い」と感じること自体が、徐々に少なくなっていくと思います。

みきさんは、今の状態で全く悪くないのです。「怖い」を否定しないで、「怖い」を
「長年の悪友」ぐらいに思ってみてください。自己肯定感が高まっていくと、
その悪友はそのうちみきさんから離れていくと思いますよ。

読んでくださり、ありがとうございました。

大塚亘

この記事を書いたカウンセラー