粗探しの恋愛~無価値感がさせてしまう罠~

無価値感という感情が、幸せな恋愛に、ブロックをかけてしまうことがあります。

無価値感の罠に、はまらないために、無価値感がどんな作用をするのかご紹介します。

●恋愛と無価値感●

ここ数ヶ月、恋愛に関してのカウンセリングをしていると、
無価値感という感情がキーワードになるカウンセリングが多かったように思い
ます。

たまたま、ここ数ヶ月、無価値感という感情がテーマのカウンセリングが、
多かったのですが、カウンセリングの経験上、全体的に見ても恋愛において
“無価値感”という感情がキーワードになる方は、少なくないように思います。

無価値感というのは、まるで“自分には価値が無い”と感じてしまうような、
感情や、感覚です。

その無価値感という感情が恋愛のブロックになり、恋愛が思うように前に進め
なくなったり、苦しい思いになったりとすることがあります。

僕も、無価値感という感情が、恋愛においてブロックを作ってしまった経験が
あります。

無価値感という感情が、恋愛のキーワードになられる方へのサポートの一端に
なればと思い、今回の心理学講座のテーマは無価値感について扱わせて頂こう
と思います。

また、ご自身は、無価値感という感情が恋愛のブロックにならなくても、
パートナーの無価値感が、恋愛のブロックになっている場合は、無価値感の
心理を知っておくことで、その苦しみを理解してあげるサポートになれるかと
思います。

●魅力的じゃないパートナーにしてしまう心理●

パートナーの悪いところが目について嫌になる、そんなお話を聞かせていただ
いていると、実は相手が悪いだけでなく、無価値感という感情が、パートナー
の悪いところを探すことへ意識をむけさせていた、そんなことがわかってくる
ことがあります。

無価値感という感情が強いと、パートナーの粗探しをしてしまうことがあるよ
うです。

その理由は、パートナーが魅力的で、自分が魅力的でないと感じると、
二人の関係に安心感がもてないというところにあるようです。

無価値感という感情は、先ほど述べさせていただいたように、
自分には価値がないと感じてしまう感情や、感覚です。

表現を変えると、まるで、自分は魅力的じゃない、自分はとりえが無い、
自分はちっぽけな人間だ、そんなような感じを感じてしまう感情や、感覚です。

そうすると、パートナーが魅力的に見えているのに対して、
自分は魅力的じゃないと感じると、自分のちっぽけさや、自分は魅力がない感
じ(無価値感)を刺激されます。

無価値感を刺激されると、自分はちっぽけな感じがしてしまい苦しくなったり、
二人がつりあってないような感じがしてしまったり、魅力的な人が魅力的じゃ
ない自分と一緒にいてくれることに安心感を持てなかったりと、いろいろ感情
が刺激されてしまうようです。

無価値感を刺激されないように、パートナーの粗探しをすることで、
パートナーを、ちっぽけな人や、魅力的でない人のように感じようとします。

魅力的じゃないパートナーを感じると、自分のちっぽけさや、自分は魅力がない感
じ(無価値感)を刺激されないので、ホッと落ちつけるんですね。

しかし、その安堵感を得ようと心理的に粗探しをしてしまうのですが、
そうすると手に入るのは、魅力的でないパートナーが手に入ることになってしまい、
今度は、パートナーへの不満という形や、パートナーに魅力を感じない、
という新たな問題を作り出してしまうようです。

今回の説明を、カウンセリングでも、ちょくちょく出るようなケースとして紹
介させてもらおうかと思います。

こんな感じのケースがあります・・・

自分は魅力が、あまりないなぁと感じている女性の方がいました。

その方には、とってもステキなパートナーがいるんです。
やさしくて、気が利いて、仕事も上手く行っていて出世街道まっしぐら、
会社でも異性からも、同姓からも好かれる人気者、プライベートでも友達が
いっぱいいるようなステキなパートナーです。

パートナーは、人気者ですから、会社の女性からバレンタインデーに、
たくさんチョコレートをもらうことがあったり、飲み会でも彼と話したがる
女性が多かったりする話を小耳にはさんだりします。

そうすると、自分は魅力的じゃないと感じている度合いだけ、
彼氏が、人気者であることに対して、無価値感を感じてしまうんです。

彼氏が女の子に人気があることも、私のパートナーは人気があると自慢のタネ
になるよりも、不安を感じる材料になってしまいます。

その無価値感を払拭する為に、無意識的に彼の荒探しを始めちゃうんです。
『会社で、皆から、凄いって言われてても、家では靴下を脱ぎっぱなしで、
洗濯籠にも入れられないだらしない人なのよね』
『皆から、凄いって言われてても、普段は、頼りないとこあるのよね』

10点満点の彼と、3点くらいしか持ってないと思っている自分だと、
7点分の差を感じてしまい、一緒に居ても落ち着かないので、
『だらしないところ見つけた、-1点』『頼りないところ見つけた、-1点』
と粗探しをして、自分と一緒くらいの点数にしようとするような感じです。

そんな粗探しをしてしまい、彼の位置付けを、“結構だらしなくて、頼りない
男”と心の中でしてしまいまいます。

このレベルでは、無価値感を刺激されなくなるので、一緒にいても、嫌な感情
を感じなくて、安心して過ごせる様になります。

ただ、“結構だらしなくて、頼りない男”を感じるわけですから、
一緒にいても、嫌な部分が目に付いてしまい、パートナーに魅力を感じること
が減っていく恋愛になってしまいました。

パートナーの良い所が、目に付いて『やっぱ、この人選んで良かったわ~』
そう感じながら一緒に過ごせるほうが幸せのように思います。
自ら、自分のパートナーを、つまらない相手のようにしてしまうのは、
もったいないですね。

●減点方式の恋愛●

無価値感から、粗探しをしてしまうパターンというのは、
パートナーシップを持ってから起きることだけではなく、パートナーがいない人
にも、起きるようなことなんですね。

パートナーを作りたいという話を聞かせていただいていると、

「いい人がいない」
「すてきな人がいない」
「出会いが無い」

そんなお話を聞かせていただくことがあります。

でも、よくよくお話を聞いていると、出会いがないというよりも、出会った人
に、『Aさんは、ここは良いけど、こんなところはダメ』『Bさんは、ここは
良いけど、ここと、ここは、ダメ』『Cさんは、ここも、ここも、ダメ』
そんな相手のダメなところを無意識的に探してしまってるんです。

ダメなところが目立つので、付き合いたいと思う人が、見つからなかったそう
です。

パートナーを探す時、心引かれる魅力的な人を探す反面、
減点方式で、ある基準以下にならない人や、減点するところがないような人を
見つけようとするようなパートナー探しになるようです。

●無価値感の克服へのチャレンジ●

パートナーの嫌なところを見つけ上手になっていたり、粗探しをしてしまう癖
のようなところが、自分にもあるかな?と思われる方は、もしかしたら、自分
の無価値感を感じてるから、そうしてしまってるんじゃないか?って要チェッ
クかもしれませんね。

もちろん、人間誰しも、完璧ではありませんから、嫌なところ、ダメなところ、
誰にでもあるようなものなのかもしれません、その嫌なところに意識をフォー
カスしてしまうようになってしまうと、パートナーシップがつまらないものに
なっていくと思います。

もし、無価値感が、パートナーの嫌なところに意識をフォーカスさせてしまう
ようでしたら、自分の無価値感の克服は大切なテーマのように思います。

相手に嫌なところを直してもらうのもパートナーシップで大切なことですが、
無価値感から、パートナーの嫌なところに意識をフォーカスしてしまうようで
したら、パートナーが嫌なところを直してくれても、また、新たな嫌なところ
を発見してしまうでしょうから。

まずは、“自分の無価値感を克服をしたい”そう思ってみることからスタート
してみましょう。

“まずは、そう、思ってみる!”

単純かもしれませんが、とっても大切ですし、結構難しいことのように思います。
「ふ~ん、無価値感を克服することが大切なんだな~」と知識として分かって
いても、実際に克服してみたいと、前に進む動機や、意思を持つことは、なか
なか難しいもののように思います。

でも、その意思を持てたとき、克服の扉が開いていきます。

昔、ある先輩カウンセラーから、「カウンセリングルームの扉をノックした時、
問題は半分解決に向かっているんだ、後は、もう半分なんだよ」という言葉を
教えてもらった覚えがあります。
それほど、実際に克服しようと動き出す意思をもつことは、大切という意味の
ことを後から説明してくれました。

無価値感の克服「実際、どうやったらいいの?」「どうしたらいいの?」
そんな方法論も大切になってくるかと思います。
その第1歩として、まずは、そう思ってみる!をお奨めしたいと思います。

無価値感とは、“自分には価値が無い”そう感じてしまうような感情や、
感覚なんですから、無価値感を克服するために、一つ一つ、自分の価値を
見直していかれるといいと思います。

自分の良いところは?認められるところは?一つ一つ見直していくんですね。

少し、手間と根気がいる作業ですが、
日常生活でも、できる無価値感克服方法の一つとして、自分の価値を見直し
ていかれると良いと思います。

また、無価値感が強くある場合は、心の痛みを伴っていることが少なくなく、
無価値感が強くなっていった、原体験的なものを癒やしていかれると良いと
思います。

カウンセリングでは、その原体験の痛みを見ていき、その時感じた感情を感じ
てもらい一旦その痛みを受け止めてあげるんです。
そして、解放していくアプローチを取っていきます。

“無価値感”の克服というテーマは、カウンセリングをしていると、
恋愛で多くでてくるテーマのように思います。

無価値感の克服にチャレンジしていった方から、幸せになった、より幸せ度が
あがった、そんなお声を実際にも聞かせて頂きました。

無価値感を克服してみたい、癒やしてみたいと、思われましたら、
チャレンジしてみられることをお奨めしたいと思います。
パートナーシップの幸せ度が、上がって行くことでしょうから。

そのチャレンジに、応援の気持ちを送りたいと思います。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。