受け取り上手を目指そう~受け取る言葉“ありがとう”のお話~

想いや、愛を受け取る言葉に、ありがとうという言葉があります。

その言葉の偉大な効力のお話です。

● 受け取る言葉“ありがとう” ●

私たちは思いや、愛を、受け取ってもらえない時に、傷ついてしまいます。
逆に、思いや、愛を受け取ってもらえた時に、とても嬉しい気持ちになります。

受け取るということは、人間関係を作り上げていくのに、とても大切なことで
す。

そんな、受け取るという意味を含んだ言葉に、“ありがとう”という言葉があ
ります。

人の思いや、愛を受け取るのを上手くなる為に、
“ありがとう”という言葉を、いろんな場面で使えるように練習してみるのも良
いと思います。
受け取り上手になれれば、人との関係がとてもよくなれますから。

今日は、そんな“ありがとう”という言葉の効力のお話です。

● 心配させて、ごめんなさい ●

社会人になっていても、夜遅く家に帰ると、お家の方が心配してくれて、
寝ずに待ってくれている家庭があります。
心配して待っていてくれるというのは、本当にありがたいことです。

心配してくれるのは、ありがたいことですが、おまけとして、
「毎日毎日、遅く帰ってきて、何時だと思ってるの。(怒)」
というような、お小言が待っていたりします。

そうすると、心配してくれているという感覚よりも、怒られているという感覚
ばかりがしてしまいます。

怒られるというのは、私たち嫌なものです。
怒られるのは嫌ですから、飲みにいったり、カラオケに行ったりして、夜遅く
帰ってきた日には、なるべくお家の人に会わないように、そーっと帰りたく
なってしまいます。
その行動が、またお家の人の怒りを誘ったりします。

夜遅く帰ると怒られると分かっていても、誘いがあると断りにくかったり、
付き合いがあったり、どうしても遊びに行きたい日があったりします。
片思いの人が来る飲み会なんかには特に行きたいものです。

例えば、会社の先輩から仕事帰りに飲みに誘われると、
どうしても断りにくい時ってありますよね。

『いっつも断っているし、たまには行った方がいいのかなぁ・・・』
『忘年会くらいは、出ておいた方がいいかなぁ・・・』
こんな感じに思う時もあるかもしれません。

でも、最近、夜遅く帰る日が続いていて、つい最近、お母さんにお小言を言わ
れていたりしていると、断りにくいという思いと同時に、早く帰らなければと
いう思いもできます。

その為、夜遅くなり過ぎないように、夜12時迄に家に帰れるように、飲みの
一次会だけ参加をしようと決めて、先輩からの飲みの誘いに
「いいですよ」と答えたと思ってみてください。
こんなシチュエーションは、経験された人も多いかと思います。

しかし、夜12時までに家に帰ろうと決めても、
一次会がずるずる伸びてしまったり、
一次会だけ参加と決めても、その場の雰囲気で、帰りづらく二次会に参加する
ことになってしまったり、もしくは、飲みに行くと楽しくなってしまい、
ついつい当初の予定が狂ってしまうこともあると思います。

そうして、夜遅くなってしまい家に帰ると、どうなると思いますか?

そうです、お母さんが起きて待ってるんです。(恐)

お母さんに見つからないように、そーっと家に帰るんですが、たいていは見つ
かってしまいます。

「また、遅く帰ってきて、こそこそ帰ってくるくらいだったら、最初から早く
帰ってきなさい!」

なんて怒られてしまいます。

女の子だったら、

「夜道ひとりで歩いて危ないでしょう。
心配だから、もっと人通りの多い時間に帰ってきなさい。」

なんて言われるかもしれませんね。

こんなふうに怒られた時、あなたは、お母さんになんて言いますか?

謝るか、反発するかの行動に出る人が多いんじゃないでしょうか?
でも、この行動は、お母さんの怒りの炎に油をそそいでしまいます。

例えば、「ごめんなさい」というと、

「分かってるくらいだったら最初からしなさんな(怒)」
「毎回毎回、ごめんっていうだけやったら、ダメなんやで、ホンマにわかって
るんか(怒)」

というような答えが返ってくると思いませんか?
せっかく誤ったのにねぇ~

なぜならば、お母さんにとっては、心配するから早く帰っておいでと何度も
言ってるのに、わかっていないという風にうつるからです。
どれだけ、私があなたのことを心配しているか、あなたは全然わかっていない
というのが、怒りという感情になってしまいます。

● 心配してくれて、ありがとう ●

こういう場合は、お母さんがどれだけ私のことを心配してくれているのか、
どれだけわたしのことを思ってくれているのか、という、お母さんの思いを
受け取ってあげることが、必要になります。

例えば、お家に帰ってお母さんに会った瞬間に、

「お母さん、遅くまで私のことを、心配して待っていてくれて、
ありがとうね。
いつもいつも、お母さんが心配してくれてること感謝してるねん。」

なんて言うと、普段そんな言葉を聞きなれていない恥ずかしさもあって、
お小言なしで「も、も、もう、さっさと寝なさい」で終わったりします。

お母さんがどれだけ私のことを心配してくれているのか、どれだけ私のことを
思ってくれているのかという、お母さんの思いを受け取ってあげることで、
お母さんにとっては、自分の思いがわかってもらえた感じがするので、言うこ
とが無くなってしまうのです。

僕が昔、教育補助員として、ある高校で、高校生の相談役をしていた時に、
お母さんに怒られない方法として、この方法を子供たちに教えて人気者に
なった覚えがあります。(笑)
それだけ、効果がある方法だったわけです。
(もちろん、怒られない為だけでなく、お母さんがあなたのことを思ってくれ
てるんだよということを考えてもらう意味で、この方法を教えました。)

人は、わかってもらっていない時に、怒りを感じます。
そして、怒りという感情の下には、寂しさ、悲しさ、という感情が隠れていま
す。

相手が怒っている時に、怒っている相手を避けようとするのではなく、
“どんな思いを受け取れていないのだろう?”
“どんな思いを受け取る必要があるのだろう?”
と考えてみるとことで、解決できる問題は、いっぱいあると思います。

そうすることで、避けたい関係ではなく、良い関係が作れます。

受け取る言葉“ありがとう”を、今よりも、もっと使ってみることを
お勧めします。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。