誰かの顔色を伺って毎日を過ごすと、いつしか自分自身を見失ってしまうようになります。
自分を取り戻すための一歩目をご紹介。
人に気を使い、顔色を伺って生活していると、いつのまにか自分自身を見失ってしまうようになります。
どれくらい自分が見えなくなってしまっているかをチェックするとても簡単な方法があります。
今から僕が質問しますので、質問を読んでから頭に答えが浮かぶまで何秒くらいかかるかチェックしてみてください。
「あなたが今欲しいものはなんでしょうか?」
車、コーヒー、男、柔らかい布団、ラーメン・・・何でもOKです。
「え?欲しいものって、どういうこと?」と思ってしまったあなた・・・いつも何か考えすぎていないでしょうか?
しーん・・・となって何も浮かばない方。
もしかしたら、今のこの瞬間を見失ってしまっているのかもしれませんね。
きっとこのメルマガや心理学講座を読まれるのは、何か解決したい問題があったり、自分を知りたかったり、心理学やカウンセリングに興味があったり、少なくともあなた自身のためだと思うんですよね。
つまり、今これを読まれている瞬間は、自分自身のための時間といってもいいかもしれません。(例え、勤務中だったとしても(笑))
すなわち、これを読まれている今は自分自身に意識が向いている時間なんですよね。
その時に「何が欲しい?」と聞かれて、何も出てこないとしたら・・・。
それは自分の心をどこかに置き忘れている証拠なのかもしれません。
●カメレオンの私
カメレオンというと悪い表現のように感じるかもしれませんが、周りの環境に応じて自分の姿を変えられるわけですから、順応性、適応能力に関する比喩なんです。
でも、「あの子、男の前と、女の前では態度がぜんぜん違うのよね」と揶揄されるのは、ぜんぜんいい気分がしませんよね。
そこまで露骨にしないまでも、僕達は少なからず相手によって自分を変えているはずです。
彼氏の前と、上司の前で同じ態度を取れる人は・・・なかなか稀だと思うんですよね。
まあ、それが同一人物だったとしても、会社と二人っきりの場では、やはり態度は変わるでしょう?
そんな風に僕達はその場の状況に応じて、いろいろと自分の表情、態度を変えているものなのですが、これが度を過ぎると、前述の「自分が見えない」「分からない」状況になってしまうものですね。
●カメレオンの背景
そういう状況の時はいろいろな背景が考えられます。
感情ベースでみていきましょう。
何か不安や恐れが強いときは自分よりも周りに意識を取られます。
例えば、もし今あなたが地雷原を歩いてるとしたら、自分が欲しいものとか自分の気持ちよりも、地雷がいつ爆発するかに戦々恐々としてしまうと思います。
地雷原というのは大げさにしても、何か大きな不安や恐れを抱いているときは、自分が無くなってしまうことが少なくないでしょう。
また、あなたが自信を失ってしまっているとき。
大好きだった彼に「他に好きな女の子ができた」と振られてしまったとしたら、自分のすべてを否定されたように感じてしまうかもしれません。
そうすると、自分が何も無いように感じてしまうでしょう。
それから、意外かもしれませんが、怒りに包まれているときも案外自分が見えなくなります。
怒りを認識しているときは良いのですが、それを感じないように目を逸らしていると、自分から目を逸らすことになりますから、自分が分からなくなります。
実は「分からない」というのは、怒りの一つ表現と言えます。
また、あなたが自分をすごくちっぽけに扱っているときなどは自分が分からなくなりますね。
ちっぽけに扱う場合は自分の考えや思いなどにまったく価値を感じられませんので、仮に「○○が欲しい」と思っても、「そんなこと思っても無駄無駄」と、それを自ら叩き落してしまうようになります。
●カメレオンの誕生秘話
どうしてそんな風になってしまったのでしょうか?
それは一つは育ってきた家庭環境に注目してみる必要があります。
もし、感情の起伏の激しい両親の元で育ってきたとしたら、いつもあなたはご両親の顔色をうかがう必要があったのかもしれません。
機嫌が良いときは甘えさせてくれたものの、読み違えて機嫌の悪いときに近づいていったらボコボコに殴られるかもしれないわけですから、子ども心にそれは死活問題になりますね。
あるいは、もし放任されていたり、あまり構ってもらえない環境で育つと、いつも寂しさや孤独感を感じていますから「愛されたい私」の心が人の愛情を求めるようになりますね。
そうすると、愛されるように、嫌われないようにカメレオン化してしまうのかもしれません。
また、学校などの社会生活に目を向けてみることもできます。
例えば、いじめにあっていたとしたら、やはり嫌われないような行動を取らざるを得ないと思うんですよね。
いじめられないために。
自分の中のカメレオンな部分が気になるとしたら自分の生い立ちを見つめなおしてみるのも良いでしょう。
●心との繋がりを取り戻すために
周りに意識を向けすぎて自分を見失ってしまうとき、自分の心との繋がりを取り戻すことが、とても大切です。
そのためには、まずは感じやすい感情から受け入れていくのが一番です。
例えば「欲求」。
最初に「今欲しいものは何?」って質問をさせていただきましたが、すぐに答えが出てこなくてもいいので、思い出したときに
「今、自分は何が欲しいんだろう?」
と自分自身に聞いてみましょう。
他にも
「今、自分は何をして欲しいんだろう?」
「何をしたいんだろう?」
でも構いません。
そこでは答えを“考える”というよりも、答えを“待つ”という気持ちでやる方がうまくできると思います。
しばらく思い巡らせてみて答えが出てこなかったら、そこでストップしましょう。
長くやると感じることよりも、考えてしまいますから。
もう少し具体的には、自動販売機で飲み物を買うときに「今、何が飲みたいんだろう?」、レストランや居酒屋でオーダーするときに「今、何が食べたいんだろう?」と自分に聞いてみてください。
ちょっとしたオフタイムを見つけたら、そこで「何をして楽しもうか?」と自分に聞いてみてもOKです。
これらはこの答えを出すことが目的と言うよりも、心に聞いてみることが目的ですから、やはり、しばらく答えが出てこなかったら、そこでやめることが大切ですよ。