理解しているんだけど、前向きに考えてみているんだけど、気持ちが引っかかってしまうことはありませんか?
そんな時の気持ちの処理の仕方をご紹介。
● 思考と感情 ●
今回は僕のプロフィールのコーナーで書いているプチ心理学でも書かせていた
だいた内容をもう少し掘り下げて書かせていただいた内容です。
皆さんは、嫌~な気持ちを感じた時はどうされてますか?
いい気持ちの時はいい気持ちでそのまま楽しめばいいんでしょうが、
嫌な気持ちを感じた時は、多くは“怒りをぶちまける”か“我慢する”かが
多いんじゃないでしょうか?
なぜ“怒りをぶちまける”か“我慢する”が多くなっちゃうかと言うと、
たぶんこうじゃないでしょうか?
嫌な気持ちをどう扱っていいかわからないからじゃないでしょうか?
一般的に私たちは“感情”というものをどう扱ったらよいかよくは分かりま
せん。
なぜならば、習っていないからです。
小学校の授業で感情の扱い方という授業ってあったでしょうか?
対人関係ので起こる感情の授業ってあったでしょうか?
男女関係の気持ちの授業ってあったでしょうか?
ストレスの処理の仕方の授業ってあったでしょうか?
なかったですよね。
多くは、そんなことは社会で勝手にまなびなさい、お友達関係で学びなさい、
自力で覚えていきなさいというスタイルで成長されてきた方がほとんどだと
思います。
そうだとしたら、どう扱っていいかわからないかが普通だと思います。
学校で教えてくれることは理論偏重なことが多く、頭で考えることがほとんど
だと思います。
理論とか、思考とかそういうようなものです。
そうすると理論的な考え方を身につけていきます。
こういう時は、ああ考えよう、こう考えようと思考を使って物事を考え、
対処していけるようになります。
理論的な考え方を身につけること自体はとってもいいことですし、大切です。
しかし、嫌な気分になった時にああ考えよう、こう考えようと色々考えても
上手く気持ちが納まらない時があります。
それが胸の中のモヤモヤになったり、常にストレスを抱える形になってしまっ
たりします。
なぜ治まりがつかないんでしょう?
それは感情というものと、思考という理論的なものは別物だからです。
感情を理論で処理しようとしても上手くいかない時があるんですね。
“頭で分かっていいるけど気持ちがついていかない”
こんな経験皆さんはありませんか?
思考を使って理解をしているし、どうすればいいか分かっているけど、感情的に
は気持ちの納まりがついていない時はこういう感じになりますね。
思考を使って感情処理ができる時はいいんですけど、
思考では感情の処理ができない時は、感情をダイレクトに見て行って処理して
いくと処理がとっても早いですし楽です。
思考で処理するのではなく、感情をダイレクトに見ていき処理していく方法を
いくつか紹介します。
● 自分の感情を感じて受け止める ●
なんかモヤモヤするって時には、
くよくよしてもしょうがないから前向きになろおうとか、色々考えても上手く
気持ちの処理ができない時ってありませんか?
私たちは嫌な感情を感じるのはいい気分がしませんから、あまり感じたくなか
ったりするもんです。
その嫌な気分を感じないようにするのではなく、モヤモヤの正体がわかるよう
に、モヤモヤした気持ちに注意を向けてあげるんです。
そうすると、そのモヤモヤした気分の正体がだんだん見えてきます。
寂しかった、悲しかった、申し訳ないと思ってるんだ、とかね。
その気持ちをほったらかしにせずに自分自身で十分感じて受け止めてあげるん
です。
『私寂しかったんだなー』とか、『悲しい気持ち抱えてたんだなー』とか、
『申し訳ないなーと思っていたんだな』とか受け止めてあげるんですね。
こうすると瞬時に気持ちが切り替わるというものではないですが、モヤモヤし
た気分の正体は霧の中に隠れたままではなく、ちゃんと受け止めてあげれてま
すから、その気持ちは徐々に解放されてその感情は癒されていきます。
また、その気持ちを人に話して共感してもらったり、受け止めてもらうことを
してもらうことで癒しのスピードは加速することができます。
● 引っかかっている気持ちを外に出してみる ●
なにかモヤモヤした気持ちを注意深く見ていけば、
「ごめんなさい」や「ありがとう」という気持ちが言えてなくて心に引っかかって
しまっていることがあります。
カウンセリングをしていくと、別れた彼に「ありがとう」ということが言えてな
くて前の恋愛を引きずっているとか、死んだお父さんに「ごめんなさい」という
一言を伝いけど伝えれていないことが引っかかって胸のつかえを作っていたり、
人間関係に影響を及ぼしていたりというケースがあります。
そういう時は、別れた彼や、死んだお父さんに伝えるつもりで、
伝えれていない気持ちを言葉にだしてみるんです。
心のしくみとして、十分に感じてそれを吐き出すことができれば、
理論的には実際の彼やお父さんに言っていないということは分かっているんですが
潜在意識の世界は理論の世界ではないですから潜在意識的には納得するので
心のひっかかりが取れていくんですね。
● 感情を感じきってみる ●
失恋した時に夜中泣いて泣いて泣ききって朝起きたらスッキリしていたという
ようなお話ってきいたことはありませんか?
感情は感じきることができれば消化していくことができ消えていきます。
イメージとしては感情という燃料が灰も残らないくらい完全燃焼するような
感じかもしれませんね。
しかし、感じきれずにその感情に浸ってしまうと、炭火のようにブスブスと
燃え続けてしまいます。
下手をすると何年も燃え続けてしまいます。
感情を感じきる時は、嫌な感情も受け止める力もいります。
受け止めた感情を、少し強めて感じるつもりで感じてみるんです。
そうして燃え尽きるまで感じ続けていきます。
この方法をやる時は感情が燃え尽きて無くなるまで辞めないでください。
嫌な気持ちがでてきたからやっぱりやめたと途中で辞めちゃうと、
辞めた時点での嫌な気持ちが残ってしまうことがありますから。
● 怒りの下の感情を吐き出す ●
怒りをどれだけぶちまけてもなくならないどころか、どんどんヒートアップし
てきて苦しくなってきたことはありませんか?
怒ってスッとすることもあるでしょうが、ますますイライラしてしまうことも
あるんですよね。
それは、怒りを作っている本当の感情が処理できずにいるからなんです。
心理学的に怒りという感情を見た時に怒りという感情は本当の感情ではない
という見方をします。
本当の感情を感じたくなかったり、感じたらやってられない時に私たちは、
怒りという感情を作って本当の感情に蓋をしてしまいます。
怒りという蓋の下にある本当の感情って何なんでしょう?
それは、寂しさか、悲しさか、もしくはその両方かだと言われます。
怒りを作っている素である寂しさや悲しさがそのままになっているので、
怒りがなくならず、ますますイライラしてしまうのです。
その寂しさや、悲しさをほったらかしにせずに、こんだけ怒っているという
ことはどんな寂しさがあるのかな、どんな悲しさがあるのかなと注意を向けて
みてください。
その寂しさや、悲しさが見つかればまずは受け止めてみましょう。
それが癒しの第一歩目になりますから。
そして誰かにその寂しさや、悲しさを聞いてもらい、受け止めてもらったり、
共感してもらう経験ができれば心の癒しは進んでいくことができるでしょう。
● カウンセリングの薦め ●
カウンセリングやセラピーなんかでもこの感情処理の仕方をいろんな手法を
まじえて感情の処理をしていています。
一人でやるのは難しいそうだなと思う時や、頭では心理学講座の内容は理解
できるけど感覚的につかめない時や、やってみたけどコツが上手くつかめない
時などはカウンセリングを感情処理に上手く利用してみてください。
虫歯になった時に自分でペンチを持ってきて引っこ抜くのは大変ですけど、
歯医者にいけば楽に虫歯が治るように、感情も自分ひとりで処理しようとする
のは難しいことがありますからね。
そういう時、感情処理の道具としてカウンセリングを使ってくださいね。