先の見えない関係にはまってしまうのはなぜ? ~不倫、遠恋、歳の差、経済的事情など~

自分では意識していないのになぜか先の見えない関係にはまってしまうことがあります。

その裏に隠された心理と対策をお伝えします。

まるで「私は結婚したくないの!」とばかりに、結婚できなさそうな相手ばかりを選んでお付き合いしてしまう方もいらっしゃいますね。

今日はそんな関係を何とかしたい方にお届けします。

自分ではもちろん、そんなつもりは無いんだけど、なぜか、そんな相手が続いてしまう場合もありますし、結婚を意識し始めるのと同時にそういう相手を選んでしまうこともあります。

それは結婚している相手を選ぶことかもしれませんし、大好きな人をとっても遠くに置いてしまうことかもしれませんし、はたまた「恋愛じゃないの、友達なの」って体だけの関係を作って深入りしないようにしたり、あるいは経済的、社会的な状況で結婚できない相手を受け入れてしまったり、色んなケースがあります。

と、ここで僕のある書き方に気付かれたでしょうか?

実際にそういう状況にある方は痛みに触れたりして気付いたかもしれませんが、「選ぶ」「置いてしまう」「深入りしないようにする」「受け入れる」って敢えて書いてみました。

自分ではそんなつもりはない・・・と思っていても、実はこの「自分が選んでいる」という見方が局面を打開するのにとても大切なんですよね。

一見、不可抗力に見えることであっても、そこで変わるチャンスはいくらでもあるんです。
もちろんその時々の事情が抵抗勢力になってしまうこともありますが、自分の幸せを手に入れる意識を持つことができれば、“今出来ること”も増えるのではないでしょうか。

●認めたくない気持ち、見たくない自分の心

「好きな人にたまたま奥さんがいた」
「彼が転勤になって離れ離れになってしまった」
「彼は不安定な仕事だけど、好きだから」
「恋愛は疲れるけど、エッチはしたいし」

理由はたくさんあります。
でも、どれも「私は悪くないの」という「正しさの証明」になってしまっているのかもしれません。

でも、もし不可避な現実だったとしても、それを自分の無意識が望んで選んでいるとしたら???
どうしてあなたはそうした辛い状況に自分を置いてしまうのでしょう?
そこに解決に至るヒントが隠れていることが多いんです。

「奥さんがいれば、結婚しなくてもいいじゃない。寂しくも惨めにもならないし」
「距離が離れれば、好きなことできるし、彼しか見えなくなることがない」
「愛はお金じゃないもの。それを証明するわ」
「深い関係になってまた傷つくのが怖いの」

全てが全てこういう理由じゃないかもしれませんが、今の恋愛や結婚に躓いていると感じるのならば、こんな心の声に耳を貸してみるのもいいかもしれません。
恐れや不安などの嫌な感情をたくさん押し殺している自分に気付けることもあります。

特にこういう場合って必ずたくさんのいいわけが出てくるものです
「でも・・・」「でも・・・」という抵抗がそれです。
そうやって自分を納得させなければ、今の関係を続けることが出来ない自分をどこかで感じているのかもしれません。
そんな不自然さに、その苦しみを見て取ることができるかもしれません。

そして意地を張っている自分の影に、傷ついた心が見えてくることがあります。
その痛みを隠すために僕たちは強い態度で「正当化」しようとしたり、現実から目を逸らすべく感じないように心を「麻痺」させようとしたりするんです。

●「好き」って気持ちで隠れてしまうもの

驚かれるかもしれませんが、「好き」って気持ちさえ、状況によっては、理由になってしまうんです。
本当なのか、それともそう思い込みなのか、判別が付かなくなることがあるんです。
「彼のことが好きなのかどうかわからなくなっちゃった・・・」なんて声もよく聞きますよね。
「逃げてるだけよ」とか「好きなくせに」とか思うこともあれど、本当に分からなくなってしまうこともあるんですよね。

「好き」という気持ちが思い込みになってしまう時ってどんな場合なんでしょう?

それは間違いなく、あなたがこの関係を頑張って頑張って維持しているときです。
もし「好きじゃない」って気付いてしまったら、非常に困るんですよね。
だって、今までの頑張りが無駄になってしまうから。

もちろん、「我慢」も頑張りの一つだと思ってもらってかまいません。

以前、カウンセリングの時に「好きって思ったから、こんなに頑張ったのに。私バカみたいじゃないですか」ってわーっと泣き出された方がいらっしゃいました。
その辛さがカウンセリングルーム全体にぱーっと広がったのを今もはっきり思い出せます。
彼女は何年も彼のために犠牲をして、我慢して、いい彼女を演じて、幸せを手に入れるために本当に頑張ってこられたんですよね。
僕ももらい泣きしてしまうくらい、強い痛みが伝わってきました。

後で彼女と話をしたのですが、「好きじゃない」自分に気付くことが怖くなっていたんです。
彼女は何度も何度も辛い目にあうたびに「私は彼のことが好きだから頑張れる」って自分に鞭を振るってしまっていたんです。
だから、本当はもう気持ちが覚めてしまっていることに気付くことが怖くて仕方がなかったのかもしれません。

●罪悪感や無価値感の罠

カウンセリングの世界では「どんな問題も掘り下げていけば、罪悪感か無価値感のどちらかの問題になる」なんて言われます。
さらにそこを掘り下げていくと「怖れ」が出てきます。

どれも自分が幸せになることを妨げようとする心の痛み(エゴ)が作り出すものですが、心の深くに根を下ろす、厄介な存在なんですね。

罪悪感というのは簡単に言ってしまえば「私は罪深い女。だから、幸せになんてなれない」という観念であり、幸せにならないことで自分を罰しようとする感情です。

無価値感というのは「私は愛される価値なんてない。だから、やがて見捨てられるに決まってるわ」という観念であり、幸せを受け取れない自分を作る感情です。

僕たちは幼い頃の経験からそのどちらも持つものですが、よりフォーカスされている方が、当面向き合う課題になります。

こうした罪悪感や無価値感って感じたくないですよね。
だから、自然と抑圧する方向に僕たちの心は動いていきます。
つまり、それを感じないように感じないように、たくさんの防波堤を築いて、自分の痛みを守ろうとしてしまうのかもしれません。

その防波堤が「思い込み」とか「言い訳」のような形で意識の上に上がってくるんです。

そこではできるだけ素直に自分の気持ちを見つめてみる勇気が必要ですよね。

●自分は何が欲しいんだろう?

そうした関係を手放すために、見つめて行きたいポイントがあります。
手放すというのは必ずしも「別れ」を意味するのではありません。
相手の人との間に立ちはだかる障害を手放すことなのです。
それは相手の人とのより自然で、楽で、安全な関係を作るためです。

もちろん、その結果が「別れ」という形になるかもしれません。
でも、もし、それが自分にとって自然な選択、自分のための選択だとしたら、その先には、きっと希望の光が見えています。

形に拘らない・・・というのはすごく勇気の要る選択です。
でも、自分の幸せのために、自分の未来のために、今、選択するときなのかもしれません。

まずは、自分に意識を向けることが大切です。
心との対話、というとかっこよく聞こえるのですが、自分の本当の気持ちは何かを根気良く掘り下げていくことですね。
そのために「私が本当に望んでいる形って何だろう?」って考えてみることもとても効果的です。

すぐに結論は出さないようにして下さいね。
また、一生懸命“考えてしまわないように”注意してみましょう。
心は「感じる」ものであって、「考える」ものではないですからね。

それと・・・僕たちの心はやはりキレイ事だけでは片付けられないこともあります。
自分の心の中にすごく嫌な自分が存在しているとしたら、ホントにもうフタをしてしまいたくなるでしょう。
でも、そんな自分も自分なんですよね。
もっと言えば、長い間放って置かれた心の痛みなんです。

だから、1週間、1ヶ月と頭の隅に「私は本当は何が欲しいんだろう?」てことを置きながら過ごしてみるといいかもしれません。
できれば、一日の終わりののんびりした時間や、休日のホッとした一息の中で思い描いてみるといいかもしれません。

「私は本当はどんな関係が理想なのかなあ」
「彼とどうなるのが一番いいのかなあ」
「理想のパートナーってどんな人なのかなあ」

ちょっと妄想になってしまいそうな気がするかもしれませんが、その思い浮かべた理想と、今あなたがしている恋愛(現実)のギャップに注目してみましょう。

もちろん、それを埋めるべくチャレンジされていることと思いますが、もしかしたら、絶望とか心の痛みとか、諦めとか、そんなネガティブな感情がひょっこり顔を覗かせているかもしれません。

もし、そこに気付いたら、怖れることなく、その気持ちを向き合って見ましょう。
絶望している自分を受け入れるのは、とても辛いことかもしれません。
でも、今の自分がその気持ちを持っているとしたら、それは認めてあげることで、大きな一歩を踏み出すことができます。

●“時間”という余裕を作ってあげましょう

もちろん、すぐに受け入れられなくてもいいんですよ。
それも少し時間に余裕を見ながらやっていきましょう。
焦ってしまうかもしれませんが、ここで焦りはとても禁物。

今は7月ですから、最近初めてお会いする方にはこんな風にお伝えすることが多いですね。
「今年いっぱい、自分を癒すことを大切にしてみましょうよ。来年をすっきりした気分で迎えられたらいいですよね」
なんて風に。

半年くらい自分を癒す、変える時間を持つって意識を持っていただくための提案なんです。
そうすると腰をすえて、じっくり自分を見つめ、受け入れ、変えていくことができますね。

そんな風に時間という余裕を自分に作ってあげることで、受け入れにくいものも、容易に受け入れられることができます。
「今は無理だけど、少し時間を取ればできるかな」って思えるようになりますからね。

だから、例えば今不倫をしていて苦しいという相談を頂いても、すぐに「別れなさい」なんてことは言わないんです。
寂しさに負けてしまって体だけの関係をたくさん持ってしまうんです、なんてご相談の時にもすぐに「辞めなさい」なんていいません。

分かっていても無理だってことくらい分かります。
苦しいけれどどうしようもならないように感じてしまうことだってありますもんね。

自分をじっくり半年くらい見続けたとしたら、いろんなことに気付いて学べます。
だから、まずは「自分を見つめてみましょう」「本当の自分を生きられることを目標にしてみましょう」なんて風に提案することが多いですね

あなたにとっても性急に何か事を起こす必要はないと思います。
まずは自分自身をじっくりと見つめるところから、始めてみてください。

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