セルフセラピー講座2: 原因と目的と方法と~問題・悩み解決への道筋~

なかなか問題が解決しない時は「原因」か「目的」が間違っていることが多い、なんて言われるんです。

なかなか問題が解決しなかったり、うまく進まない時は「手段・方法」が間違ってる、というよりも、「原因」か「目的」が間違っていることが多い、なんて言われるんです。

ちょっと今回はそんな「方法論」についての講座を開いてみました。

●“方法”にこだわっていませんか?~今を見つめよう~

ちょっと皆さん考えてみて下さいね。

「もし、大阪に行こうと思ったら、どうやって行きますか?」
(大阪にお住まいの方は「東京に」と読み替えて下さいね)

カウンセリング中にそんな質問をさせていただくことがあります。

『えーっと、新幹線とか飛行機ですよね・・・。
あと、船でも行けますし、夜行バスって手もありますね。』

僕は続けてこんな質問をするんです。
「それって、どこから出発することを前提にしてます?」
『え?あ、あぁ、東京ですけど・・・』と東京の方は答えられますね。

これを読んでいる皆さんもたぶん自分が住んでいる地域から大阪へ行くことを前提にしてると思うんですよね。

京都や神戸の方はJRとか阪急、阪神、京阪電車、
名古屋の方だったら、新幹線か近鉄、バス・・・というところかな。
それ以外の地域の方は、海外も含めて飛行機という選択肢が一番大きいかもしれません。

自分の今居る場所が分かって初めて大阪に行く道筋を立てられますよね。
もし、今自分がハワイに居るとしたら、「新幹線」という選択肢は出てこないと思うんです。

問題を乗り越えたい、悩みを解決したい、って目標を立てる(=大阪に行く)とき、すぐに僕達は「どうやって?」と方法を考え、その方法に拘ってしまうことってありませんでしょうか?
新幹線がいいかな?飛行機がいいかな?という風に。

「新幹線」に拘ると辿り着けなかったり、遠回りしてしまうこと、お金が余計にかかってしまうことだってありますよね。

まずは自分が今どんな状態なのかをきちんと受け入れることが大切なんじゃないでしょうか。
この部分、分かっているつもりでも案外分からないことってよくありますね。

例えば「自分を大切にしよう!」という目標を立てるとしましょう。
でも、僕達はすぐに「どうしたらいいの?」「どうしたら自分を大切にできるの?」という方法を考えてしまうのではないでしょうか。

そして、肝心なのは、今ここには「自分を大切にできない自分」が居る、ということ。
その今の自分を否定してしまったとしたら、自分の居場所は分からなくなってしまいます。

だから、まずは今の自分の状態をきちんと見つめてみることが大切なんですよね。
そして、その上で「方法・手段」を考えることが大切なんです。

じゃあ、今の自分の状態ってどんなか?というと、心理学的に見れば「今のぶっちゃけた気持ち」なんですよね。

「好き」と「嫌い」が同居するのが僕達の心です。
理屈も何もあったもんじゃないんです。

でも、それを受け入れるのってすごく勇気が要りますね。
「“好き”なのに“嫌い”なんて変なんじゃないの?」と思ってしまったりします。
完ぺき主義者ならば「そんな自分が許せない」ということになります。

これが罠になっちゃうんですよね。
「大切にしよう!」と目標を立てたとしても、自分で自分を否定してしまう、という。

「自分にはこんな気持ちがたくさんあるんだなあ・・・」というところが出発点です。

彼のことを手放して、次のステップに進みたい・・・と思っているのに、でも、彼のことをいつも考えてしまう自分がいる・・・。
だとしたら「今も彼のことが好きな気持ちもあるんだなあ・・・」と受け入れてあげること。
これが今の自分を見つめることになります。

「浮気した旦那を許せない・・・でも、許さなければいけない・・・早く何とかしなきゃ・・・どうしたらいいんだろう?」
そう思ってしまったら、まずは、「怒ってる自分、傷ついている自分がいるんだな・・・」ということを受け入れてあげる。
そうしたら「じゃあ、その怒りを解放してあげよう」「痛みを癒そう」って目標が見つかるかもしれません。

●“目標”をきちんと設定しましょう。

先ほどは目的地を「大阪」とさせていただいたんですけど、自分の居場所が分かって、次に行き先が分かれば、自然と方法は限られてきます。
そこでは制約条件がいろいろ入ってきますよね。
時間とかお金とか目的とか。
そこで、更に方法が限られてくるんです。

カウンセリングを受けるために、関西以外からもたくさんの方がいらしてくださいます。
あるときは関西以外の方ばかりで一日が埋まることもあります。

そこでは「お財布の中身が乏しいから在来線を乗り継いで東京から来ました」という方もいらっしゃいますし、「朝が早いので東京からのぞみに乗ってきました」という方もいらっしゃいます。

自分の居場所と江坂のカウンセリングルームって目的地が定まって、その方法が選ばれるわけですね。

でも、その目的地が曖昧だったとしたら・・・?

「私、北海道なんですけど、東京で受けるか、大阪まで行こうか凄く悩んだんですよね」という方と先日、お会いしたんです。

結局「東京の方が少し近いんですけど、なかなか予約が取れないので大阪にしました。」と、江坂でお会いしたのですが、もし彼女が東京か大阪かを決めないまま旅行代理店に出かけていたとしたら、きっと代理店のお姉さんに怒られると思うんです。
「どっちに行くんですか!?」と。

目標がきちんと定まらないと行き様が無いんですよね。

多くの問題では、その目標が定まらないことも多いんです。

「彼に浮気されたんです。それでも“好き”という気持ちがあって、“信用できないから別れたい”という自分と葛藤しちゃうんです」と。

そういうとき、僕はこういう風に提案するんです。

「その方向性が決められないのもちゃんと理由があるんですよね。まずは、そこを見つめてみませんか?そして、その上で、最後はあなた自身で選択していきましょう。」

つまりは今の自分を見つめ(今居るところはどこ?)、制約条件(例えばリスクとか、可能性とか)を見つけていけば、自然と選びやすくなります。

(それでも、こういう場合は「別れたい:別れたくない=7:3」くらいになったりするんですけどね。)

そして、目標さえ定まれば、後は方法はいくらでもあったりします。
上の例では「別れる」「別れない」どちらを選んでも、あなたが幸せになることは出来るんですよね。

「別れる」を選び、一度、一人になって、また信頼できる人を見つけよう!とすることもできますし、
「別れない」を選び、もう一度彼と向き合い、信頼を深めていこう!とすることも出来ます。

どちらも、ちょっと辛い気持ちや痛い気持ちを乗り越える必要はありますが、可能性から言えば、どちらも出来ることだと思うんです。

だからこそ、この「目標設定」がすごく大切なんですよね。

あなたも、大好きなアーティストが来日して東京でコンサートを開くとしましょう。
「絶対行きたい!」と思えば、友達や親からお金を借りてでも行こうとするんじゃないでしょうか。
仕事だって休みを取ってしまうかもしれません。

目標が定まれば、後はやる気さえあれば、何とでもなりますし、何とでもしようと思えるのが僕達の心の強さでもありますね。

●さて、方法は・・・?

今の自分が分かり、目標が定まったとすれば・・・次は「方法・手段」ですね。
でも、このプロセスまで辿り着くと、実は「方法・手段」というのが、あまりたいしたことじゃないことに気づけます。

東京から大阪に行くのに新幹線だろうが、飛行機だろうが、辿り着けたら同じですよね。
それよりも「大阪に行ったらたこ焼き食べようかなあ・・・お好み焼きかなあ・・・。やっぱり帰りは京都にでも寄ってみようかな・・・」なんてその先のことをすでに考えてると思うんです。

僕達の心理学も「癒されるのなら何だっていいじゃん」という考え方があるようで、心理学なんですけど、癒しの手法にはあんまり拘っていないんですよね。

目標達成のためなら手段を選ばない・・・というと、ちょっと誤解を招きそうなのですが、そのくらいの気持ちがあれば、大抵の問題は克服されていきます。

カウンセリングでは、あなたにとって、より楽な方法を考えていったり、その方法に付随する感情的なリスクや可能性なども見ていきます。
だから、いわゆる「手段は選ばない」とやたら強引な方法ばかりを提案することは無いので、ご安心下さいね。

実は目標が定まれば、後は勝手にその方向に進みだすのが僕達の心の面白いところです。

皆さんも、何かある一つのことに興味を持ち始めたら、次々とそのことに関する情報が目に入ってくるようになった・・・ということってありませんでしょうか?

だから、方法に拘るよりも「今の自分を見つめ、そして、きちんと目標を立てる」ことを大切にしてみてください。

「どうしたらいいんだろう???」と思ってしまったら、「あ、違う、違う。今の自分の気持ちはなんだろう???」って思い返してみる。
その上で「私はどうしたいの?」って自分に聞いてみる。

それだけで、だいぶ、心が落ち着いてくることもあると思います。
不安なときやサポートが必要と感じたら、ぜひ、僕達を頼ってみて下さいね。

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