離婚の心理学2~相手を責めることは効果はあるの?~

浮気したパートナーにあなたが悪かったのよと解らせたい、でも、この効果はいかほどのものなんでしょうか?

夫の携帯を何気なくみたら実は浮気していたことがわかりました。
夫に問いただしてみたら逆ギレをしてきて離婚っだって言われたんです。
その日はそれで終わったんですが・・・
私も苦しくてそれから度々浮気のことで夫をなじるようになってしまっ
たんです。
すると夫から一緒に住みたくないって別居しようって言われました。
私、もうどうしていいか・・・・

何気なく見た夫(妻)の携帯電話のメールから浮気が発覚そして離婚問題
へ発展。最近多いケースです。
今までの仲がよかった関係が、何気なく見た携帯電話のメールで突然崩れ
てしまう。すごいショックだと思います。傷つくと思います。

自分が夫(妻)の携帯電話を勝手に覗き見した罪悪感から、夫(妻)
に、問いただせないこともあるでしょう。苦しいですね。

問いただしたら問いただしたで、「ごめんなさい」って謝ってくれず、
それどころか逆ギレされて、余計に傷つく場合もあるでしょう。

では、どうしたらいいんでしょう?
今回は、そのポイントをいくつか見ていきましょう。

● 相手をなじってしまう時 ●

浮気が発覚!
傷つきますよね、すごいショックですよね。
そんな時、私たちは浮気をしたパートナーを責めてしまいがちになります。
それは、ごく普通の反応だと思います。
だって悲しいですし、腹がたちますから。

そして、一度話し合いが終了しても「あの時裏切ったことで私すごい傷つい
たのよ」としつこく相手をなじってしまいます。
しかも何ヶ月もです。

もう裏切られない為に反省させなくてはいけないという思いからしつこく
なじり続けることもあります。

でも、どうなんでしょう?
しつこくなじってしまうことって効果あるんでしょうか?

では、まず、浮気をした相手側の心理をちょっと見ていきましょう。
仮に夫が浮気したということにしましょう。

浮気をした時の心理はまずは罪悪感でいっぱいです。
えっ!あんな態度をしているのに、反省しているようにみえないのに
罪悪感を感じているの? そう思われる方もいるかもしれません。
でも罪悪感はあるんです。

もちろん悪いことをしているな、裏切っているな、人を傷つけることをし
ているなという感情は感じたくない感情ですから、その感情を感じないよ
う、見ないようにして、本人は意識はしていなかもしれません。
でも心の深いところに罪悪感は存在しているんですね。

するとこの罪悪感は行動としてあらわれます。

罪悪感を感じる対象である妻に攻撃をしだします。
「お前が魅力がないから浮気したんだ。」「お前が携帯みるからこんな大
事になっただろう」と反省するどころか攻撃をしてきます。

逆ギレですよね。奥さんとしては、たまったもんじゃありません。

罪悪感の心理として、罪悪感がある時は自分を責めた後に相手を責めるん
だすんですね。なぜならば相手を責めてる時だけ自分を責めなくてもいい
ですから。そうすることで罪悪感を感じることを避けようとします。

罪悪感を感じる対象を攻撃する行動に出るか、
もしくは罪悪感を感じる対象から距離をとろうとします。
一緒の部屋ですごさない、仕事が終わってもなかなか家に帰ってこない、
別居したいと言いだす。等です。

相手と遠く離れようとすることで、罪悪感を感じることを避けようとす
るんですね。

要は罪悪感と直面して受け止めたくないんですね。

では、この浮気した夫は罪悪感を感じているんだということをふまえて、
しつこくなじってしまったとしたら、夫はどんな心境なんでしょうか?

そうなんです。
責められてるし、あなたが悪いのよと言われてる感じがするので、とって
も罪悪感を刺激されている心境です。

そうすると罪悪感の心理からでる行動は、
罪悪感を感じる対象を攻撃するか、もしくは罪悪感を感じる対象から距離
をとろうとするでしたよね。

なじり続けることで、「お前みたいな奴と一緒にいたくな離婚だ」「お前
みたいな奴と一緒に住みたくない別居だ」と事態の悪化を招きかねません。

罪悪感を刺激し続ける、なじり続ける行為はやめたほうがいいでしょう。

しかし、なじり続ける行為はやめたほうがいいと行っても、
夫に裏切られた気持ちをわからしてやりたい。
そんな気持ちになるかもしれません、だから、なじってしまう。
その気持ちはわかります。

でも、そこで立ち止まって考えて見てください。
夫に裏切られた気持ちをわからすことができた、そして手に入れた結末は、
夫は罪悪感でいっぱい、私は傷ついた気持ちでいっぱい、そして二人の仲
は最悪・・・それでは悲しすぎませんか?

もし、二人の関係を修復していくことを目指される場合は、こんなときこ
そ許すことがいるのかもしれません。

● でも、どうしてもなじってしまう時 ●

なじりすぎるといけない、相手を責めすぎてはいけない、こんなことを続
けていたらどんどん二人の関係が壊れていく。
そうは解っていても止められない自分を嫌いになっていく。

そんな時はあると思います。

わかっていても、止められない。そんな時はたぶんいっぱい傷ついている
時なんでしょうね。

寂しさでいっぱいの時、悲しさでいっぱいの時、自信を失ってしまったり、
いっぱい傷ついている時は、相手を責めたくなります、怒りたくなります。
人間ですから仕方がないことだと思います。

だからこそ、自分自身のケアーが必要だと思います。
傷ついていっぱいいっぱいの時は心に余裕がなく、相手をどうしても責め
てしまいがちになってしまいます。

二人の関係をこれ以上壊さない為にも、まずは自分自身が心の余裕を取り戻
せることに意識をフォーカスしてみてはいかがでしょうか?
そうすることで相手を許す余裕が生まれてきますから。

傷ついた気持ちを一人でなんとかしようとせずに、
誰かにサポートを求めてください、助けを求めてみてください。
一人でこの傷ついた気持ちを何とかしようと思う時に、この離婚問題をな
んとかしようと思った時は、とてもしんどい気持ちになりますから。

今、自分が抱えている気持ちを人に話すことで楽になっていくことができ
ますし、誰かにサポートを求めることで一人でこの問題を乗り越えなくて
いいんだと思える状況が作れるので心が軽くなっていきます。

自分の心をケアーしていくことで、心に余裕を作っていくことで、
相手をなじり続けたり、責めすぎたりしなくなっていきます。
相手の為に、自分の為に、そして二人為に誰かにサポートを求めてみてく
ださいね。

● 次回予告 ●

今回の心理学講座だけでは、ポイントを書ききれませんでしたので、
再来週の心理学講座“離婚の心理学3”でこの続きのポイントを
紹介させていただきますね。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。