エリートの心理~その内側に秘めるもの~

人々の憧れや羨望を受けるエリートたち。その内面には意外な心理が見え隠れしているんです。

エリートというと、高学歴で、一流企業や公官庁に勤め、自信に溢れる態度で街を闊歩する人達を思い浮かべるでしょう。
実際に彼らは優秀な頭脳や行動力を元に多くの競争を勝ち抜いて、その自信やプライドは並々ならぬものがありますね。
「鼻持ちならん」と批判されたり、嫉妬される一方で、憧れのシンボルでもあろうかと思います。

でも、その内側に秘めるものにフォーカスを当てると意外な一面が見えてきます。
僕はエリートと言われる方やその奥さん、恋人とお会いする機会が不思議と多いんですね。
そんな出会いを通じて分かってきた世界を今日はご紹介しようと思います。

●劣等感と自信の無さ

エリート達は幼い頃から勉強・勉強で激しい競争社会の中を生き抜いてきます。
一流の大学を目指して、両親や周りのプレッシャーを感じながら必死に勉強を重ねてくるわけです。
中には、遊ぶことも我慢し、クラブ活動も最低限にし、ひたすら塾に通ったり、家庭教師を付けて「目指せ!○大!」と頑張りつづけるわけです。

そして、念願の一流高、一流大学に入学できたりします。
ところがそこで、トンでもない奴らに出会うことがあるんです。

例えば、これは僕も経験しましたけど、クラスのほとんどの生徒が「この先生の説明いい加減で全然分からへんわ」と言っている授業をぼーっとしながら聞いていて全部理解してしまう奴。
難解な宿題をあれよあれよと言う間に完成させてしまって遊び呆けてる奴。
実力テストの前の日というのに、ちょこちょこっと勉強しただけで、たっぷり睡眠を取ってトップの成績を取る奴。

ま、いわゆる“天才”って言う人達の存在です。

そして、ここで強い劣等感を感じてしまいます。
自分が必死に1週間勉強して学年で5位だったのに、数時間しか勉強していなくて1位を取る奴がいたら、自分の能力に疑問を持ち、強い不安と自信の無さを持つようになります。
そこで別に自分の価値を見出していれば、何とも思わないんですよね。
でも、大学受験を控えていたりして、そんな奴をライバルと見てしまうと大変です。
ものすごい劣等感を抱いてしまいます。
もちろん、表では平静を保ってますけど。
そして、必死に彼らを追いかけようとしたり、逆にその存在を見なかったことにしたりします。

これは勉強の世界だけじゃなく、プロスポーツの世界でも同じですね。
プロ野球の選手。
そのほとんどが高校時代までは4番でエースだったような人達ばかりです。
そんな人達が集められて、実際に4番を張れたり、エースと呼ばれる人達はほんのわずかですね。
一般社会ではものすごい選手なんですけど、実際にプロの世界では通用しない人もたくさんいます。

●プライドと特別意識

プライドの心理でもお話しましたが、そんな劣等感や敗北感などを隠すのがプライドです。
「自分は偉いんだぞ」ということで、人にそんな心の内を見せないようにしてしまうんです。
そして、心の中に強い“特別意識”を求めるようになるんです。
ステータスやお金、有名人の知り合いの多さなど、自分がいかに特別であるかを証明しようとしますし、自分を特別扱いしてくれる人だけと付き合うようになってもしまいます。

そうすると、例えば自分の正しさを非常に強く主張しなければならなくなります。
仮に間違っていたとしても、それは認められません。
だって、競争社会では「負けたら終わり」ですから、「間違い=負け」としか思えなくなってしまうんです。
もちろん、負けを認めたり、間違いを認めたときには、かつて嫌というほど思い知らされて劣等感、屈辱感を味わってしまいますから出来るだけ避けたい方向ですよね。
だから、ちょっとでも自分に非があるようなことを言われると、劣化のごとく否定して、“力の証明”をしようとするんです。
しかも、賢いですから、理論立てて攻撃されたら、ほとんどの人は太刀打ちできなくなってしまいますね。
(それで傷ついてしまった方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか)

そんな高いプライドを持っていますから、彼らには言ってはいけない言葉も出てくるんです。
「役立たず!」とか「中身無いよね~」とか言ってしまうと、その何万倍もの暴言が返ってくるものですからご注意を。

●抑圧しているもの

面談には風俗店に勤める女性がいらっしゃることも多いのですが、彼女達が教えてくれたことがあるんですね。
それは、彼女達の常連の多くがエリート達である、ということ。
そして、ちょっと変わった性癖や性的嗜好をお持ちの方が多いそうです。

彼らは普段、高いプライドを持っていますし、社会的な目を常に意識していますので、人間ならば誰でももつネガティブな感情や欲求を押し殺しがちになります。
つまりは弱さや寂しさや、あれして欲しい、これして欲しいといった欲求を表に出せなくなってしまうんです。

そこに歪が生じます。
ぐぐぐっと強い力で抑圧せざるを得ませんから、その欲求を満たすために相当の刺激が必要ですし、弱みを見せられないとしたら女王様に傅いてバランスを取ろうとするんですね。

また、中には小さい頃から勉強一筋で遊びたい気持ちも我慢し、気が付けば大人になっていて、人付き合いやコミュニケーションを学べないことが少なくありません。
そうすると、口では立派なことを言っていても、態度はすごく子どもっぽかったりする矛盾を持つようになるんです。

そこが魅力的に見えることもあるのですが、浮気をしてもばればれで、開き直ってみたり、目の前にある餌にすぐに飛びついてしまったり、周りの人が首をかしげるようなことをしでかすことも少なくないですね。

●どうすればいいんだろう?

エリート意識、特別さへの憧れなどがあると素直じゃない自分に嫌悪してしまうものです。
そして、分かってもらえない孤独感と、自分をついつい大きく見せてしまう不安感や、自分の本当の価値が見えない無価値感に苛まれてしまいますね。

そんなあなたの弱さを誰か一人でもいいですから、表現してみようと思ってください。
パートナーでもいいし、親友でも、家族でも、カウンセラーでも。

弱いことは悪いことではありません。
誰でも弱く、また、劣等感を持っています。
そんなあなたがその部分を見せたとしたら、周りの人はきっとあなたの人間らしさをとても魅力的に感じることでしょう。

抑圧して、変な形で出してしまうよりも、勇気を持って自分自身の弱さや自己嫌悪を表現するチャレンジはあなたをより魅力的にしてくれます。

「そんな部分は無いに決まってるだろ」と思われたとしたら、もしかしたら、それくらい傷つきすぎているあなたがいるのかもしれません。

●そんなパートナーを持つ方のために

エリート達とお付き合いしていく上で、彼らの自尊心を尊重してあげることがとても大切です。
劣等感が強い人に対して、そこを突っつくようなことを言うとすごく傷つくように、彼らの繊細な心を“守ってあげる”愛情が必要になることが多いようです。
それはまるでお母さんのような、女神様のような慈愛や深い優しさなんですね。
そして、彼らが隠している欲求や劣等感を優しく包み込んであげるんです。

彼らの多くは本当はそんな自分の弱さや劣等感、自信の無さを知っているんです。
そして、それを理解し、受け入れてくれる存在をいつも探しているんです。
でも、素直になったら惨めで、最悪な気持ちになりますから、できるだけ「わかってはいるけど、そこには触れないで居てくれる人」が望ましいわけです。
ま、わがままなんですけどね(笑)

理解してあげることも大切ですし、価値を見つつ叱ってあげることも時には必要です。
逆に言えば、彼らとお付き合いすることで、そうした母性や女性性がとても成長していきます。

でも、エリートの奥さまとお話しすると、周りの社会の目も厳しいんですね。
周りの奥さん仲間から嫉妬されることもよくあるでしょうし、奥さん自身が孤立してしまうことも少なからずあるものです。
それで、家のことを一人で抱え込んで行き場を失ってしまうこともあるでしょう。
また、奥様繋がりで知り合った人が、夫のステータスを鼻にかけているような、付き合いづらい奥さんであることもあるかもしれません。

その一方で、旦那さんの大きさに押しつぶされてしまうことだって少なからずあるんですよね。
「夫は立派な人。でも、あたしは・・・」なんて風に。
パートナーが劣等感や無価値感を抑圧している分だけ、バランスを取るために自分自身のその感情を強く感じやすくなるんです。
でも、これは二人の関係が前に進まないようにする罠なんです。

そこでは自分自身を見失わないようにすることが大切なんですよね。
そして、社会の中で窮屈にならざるを得ないパートナーのために、奥さん自身が自由や楽さ、開放感を受け取り、パートナーに与えてあげることが求められるんです。
つまりは「好きなことを遠慮せずにする」ということです。
自分自身のために、パートナーのために。

パートナーがSMクラブで「女王様~」なんてことを言わなくても済むように、あなた自身が女王様になってあげるわけです。
偉そうにしろってわけじゃなく(それはむしろ逆効果)、大きな母性(女性性)と自由を持つ女性になるんですね。

そうすると彼の中の騎士(ナイト)の部分がより成長し、仕事の中でもより大きく羽ばたけるようにサポートしてあげることにもなるんですね。
あなたのパートナーがさらに大きく、強くなっていくとうれしいですよね。
それを目指していきましょうね。

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