男と女のケンカの心理学3~異文化コミュニケーション~

男女間のすれちがい、それにはコミュニケーション不足が大きな要因のようです。

じゃあ、どうすればよいかをご紹介します。

●異文化コミュニケーション●

男女間のトラブルの多くは、コミュニケーション不足からくるものがほと
んどと言っていいほど、コミュニケーションというものは大事なものだと
いうことを、カウンセリングをしていて思います。

事実、コミュニケーション不足からくるケンカ、不仲、傷ついた経験、誤
解、離婚、というのは驚くほど多いのが事実です。

コミュニケーション不足になる要因は、
コミュニケーションが大事だと思っていてもできない理由があったり、
相手が不満を持っているにもかかわらず、本人的には、私は十分できてい
ると自負していたりする為コミュニケーション不足を改善できないもので
あったり、
コミュニケーションは頑張っているんだけども、相手に伝わっている手ご
たえがまったくつかめない為相手の気持ちがわからない等様々です。

コミュニケーション不足になる要因の一つに、女性からすればそれくらい
理解できて当たり前と思うことが、男性にとっては言ってくれなければ理
解できなくて当然だというくらいの認識の違いがあります。
この違いがわからずに、女性が男性に自分の気持ちを訴えかけると、

『じゃあ、お前はいったいどうしてほしいんだ』

というような、訴えかけてるにもかかわらず、
トンチンカンな答えが返ってくることがあるようです。
まるでちがう言語圏の人としゃべっているくらい言っていることが通じな
い感じです。
こうなると相手には腹も立つし、悲しい気持ちにもなるし、失望しちゃう
かもしれませんね。

これには、違う言語圏の人と話す場合、その国の文化を知っておく必要が
あるように、男女間の違いを知っておくことでこの手のトラブルは防げま
す。
まぁ、異文化コミュニケーションと思っていただければいいと思います。

●男性は感情を理解するのが苦手?●

こういうお話がありました。
女性からのご相談なのですが、彼女の悩みはデートの度に遅刻をしてくる
彼のことでした。
2時間、3時間といったような大きな遅刻ではないのですが、
毎回、毎回10分、15分と遅れてくるそうです。

毎回遅れられるのは当然気分がよくありませんから、
彼女は彼が遅刻するたびに、「今度から遅れないでね」と怒るそうです。
そうすると彼は「ごめん」とその場では誤るにもかかわらず、次のデート
も、あいもかわらず遅刻してくるそうです。

彼女は僕にこう言ってくれました。
「彼は私のことを馬鹿にしてるんでしょうかねー(怒)」

僕は彼女とのやりとりで、ピーン!ときたものがあったので、
一つの疑問を彼女に投げかけました。
「彼は、もしかしたらあなたの気持ちを全然わかってないんじゃないで
すか?」

すると彼女は、
「そんなはずないじゃないですか、毎回彼に遅刻はしないでって言ってる
んですよー」

彼女がこう言ってくれたので僕はこう提案しました。
「うん、たぶん彼は遅刻しないでって怒られてることはわかってると思う
んですね。
怒りという感情は通じているのかもしれません。
でも彼を待っている間のあなたの悲しい気持ちは全然わかってないかも
しれませんよ。
それを、伝えてみてはいかがでしょうか。」

「えー!そんなこともわかってないんでしょうか。」

そして、彼女に僕はこう提案しました。

(1)待っている間の気持ちを彼に伝えてみましょう。
(怒りの下にある、本当の気持ちをつたえましょうね)

(2)だから、どうしてもらいたいかを伝えて見ましょう。

(3)そうすると、どんな気持ちになれるのかを伝えてみましょう。

(4)だから(3)番のことを、できたらして欲しいと彼にお願いしてみましょう。
(必ず、ここは相手の拒否権を認めた上でのお願いです。
こうしてよ!と押し付けになると彼は拒絶感が大きくなりますから。)

この4つを提案しました。
そして、彼女はこの4つを実践してみました。

彼が、あいもかわらず遅刻してきた時のことです。
彼女は彼にいつものように怒る代わりに、こう伝えました。

「あなたが遅刻してくる時の待っている時間、私はいつも不安になるの
あなたが事故にあったんじゃないか、なにかあったんじゃないかと不安に
なるの」
((1)の実践をしています)

「だから、遅れる場合は10分遅れるよって、一言連絡が欲しいの」
((2)の実践をしています)

「そうすれば、私は安心して待ってられると思うの」
((3)の実践をしています)

「だから、よかったら遅れる場合は電話してもらってもいいかな」
((4)の実践をしています)

と、彼に伝えました。
女性からすれば、ここまで細かく言わなくても伝わるでしょうと思うかも
しれませんね。
でも、男性は感情や気持ちを理解することが苦手な場合が多いので
実際伝わってないことが多いんですね。
まさに、異文化コミュニケーションですね。

更に、彼女は彼にこう伝えました。

「あなたが、毎回遅刻してくる度に私は、あなたにとってそれだけの女な
のかなという悲しい気持ちがするの」
((1)の実践をしています)

「だから、できたら遅刻しないできてくれたら」
((2)の実践をしています)

「私はその日は機嫌よくデートができると思うの」
((3)の実践をしています)

「だから、できたら私の為に頑張って遅刻しないでくれる?」
((4)の実践をしています)

こう伝えました。

彼は次のデートから遅刻しなくなったそうです。

次のデートから遅刻しなくなったということは、今までは彼女の気持ちを
全然理解できてなかったんでしょうね。

●今日のまとめ●

男性には、自分の気持ちが伝わっているようで、伝わっていない時があり
ます。
これは、男女関係で特に多いだけで、女性同士でもありうることです。

伝わっていない時は、伝わるように
相手に伝わるだろう、察してくれるだろう、こういえばわかるだろうとい
う、『だろう』という推測や、『わかってよね』という期待をやめてみま
しょう。

そして、自分の気持ちを一つ一つ伝えて見ましょう。

その一つの方法を提案しますね。

(1)今、どんな気持ちだから

(2)どうすると(できるだけ具体的に)

(3)どんな気持ちになる。

(4)だから、こうして欲しいとお願いをする。

こうすると、相手に自分はどんな気持ちか、どうして欲しいか伝わりやす
くなります。
男女間には、感情を理解する感覚の違いがあるという
男女の違いの壁を乗り越える、一つの方法になりますね。
お試しください。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。