「いい人がいないなあ」と思ってしまうとしたら、あなたの恋愛暦に学び忘れた経験はないでしょうか?
「最近、人を好きになるって感覚が分からないんです」
「昔は本当に“大好き!”って恋人に対して思っていたんですよね。でも、今付き合っている人にはそこまでの情熱は感じられなくて」
「結婚しろって声がうるさくて、だんだん恋愛するのが億劫になってしまって」
「恋愛するのが面倒。友達や仲間と遊んでた方が面白くて」
そんなご相談をよく頂きます。
そういう時に僕はこんな風にお答えしたりします。
「そうすると、あなたの心の中にある“恋するハート”が凍てついてしまって、開店休業状態なのかもしれないですよね・・・」
かつては情熱的にフル回転していた“恋するハート”も、色々な恋愛を経るに従って、徐々に活力を失ってしまったのかもしれません。
そうすると、恋愛そのものに興味がなくなったり、人を好きになれなかったり、彼氏が出来ても遊びの延長だったり、何か恋愛につきものの“どきどき・わくわく感”が無くなってしまうようです。
これは、結婚して数年後の夫婦にも言えるかもしれません。
付き合って、何年も経ったカップルにも言えることかもしれません。
あなたの恋するハートを蘇られせることで、素敵な恋ができる自分を取り戻していきましょう。
●恋するハートが開店休業になってしまうわけ
皆さんの初恋の頃を思い出していただけますでしょうか。
その人とお付き合いできるなら、たとえ四畳半でもいい、ずっと一緒にいられたらそれでいい、そんな気持ちを抱いていはいませんでしたか?
それが・・・十数年あるいはそれ以上経った今、いかがなものでしょう?
「うーん・・・やっぱ年収は最低でも750万は欲しいし、今の不況でも乗り越えられそうな安定した会社の彼がいいわよね。最低でも一部上場企業だわ。もちろん、それなりの遊びも知っててさ、私を楽しませてくれる男、が理想だよ。でも、そんないい男いないしさあ」
ちょっと極端かもしれませんが、そんな風に色々と「恋する条件」を身に付けてしまってはいませんか?
中には、心の中に彼氏として相応しいかどうかをチェックするリストを持っていて「うーん。この彼はいいポイント突いてたんだけど176点なんだよね。180点以上が合格だから、ちょっと惜しいけどダメだな」なんて、採点してしまっているのかもしれません。
でも、どうしてなんでしょう?
それはそれくらいあなたが傷ついて来たってことなのかもしれません。
最初に好きになった彼、お付き合いした彼。
あなたは何も求めずに、ただ大好きだっただけでしたよね。
でも、その彼が自分勝手で全然優しくしてくれなかったとしましょう。
そうすると、あなたは次の彼に何を求めるでしょう?
そう、“優しさ”です。
彼から優しさがもらえなくて、傷ついてしまった分、その優しさを求める気持ちは強くなります。
そうして、とても優しい彼を見つけたとしますね。
あなたは彼からとても優しくされて、前の彼からもらえなかった優しさをたくさん享受することに成功したと思ってください。
ところが・・・、彼は優しい反面、仕事面ではなかなか埒のあかない男で、あなたが彼の食事の面倒まで見てしまったとします。
結婚資金として貯めていた貯金までちょっと減らす羽目になってしまったとしましょう。
そして、その彼とも別れてしまいました。
だとしたら、次の彼に求める条件は「優しくて、仕事をきちんとする人」かもしれません。
そして、その条件に会う男性と付き合って、でも、その彼とのセックスがイマイチだとすると・・・、「セックスの相性がばっちり」なんて条件が加わって行くでしょう。
そうして、どんどんと「男に求める条件」が増えていってしまうわけです。
その条件がたくさんある分だけ、合致する男性の数は相対的に減ってしまうわけですから、なかなかあなたのお気に召す男性が現れなくなってしまうんですよね。
これが“開店休業中の女”を作り出すのかもしれません。
●開店休業中の罠~ギャンブラーの誕生~
こうした開店休業中に陥ると、ある種のギャンブラー的心理が蠢いてきます。
「この年まで独身貫いてきたんだから、ちょっとやそっとの相手じゃ・・・ね」
こう書くとすごく傲慢な女のように見えるものですけど、案外心の中に眠っているものではないでしょうか。
そうすると条件をより厳しく吟味して、恋愛に挑むのですが、なかなか最初から合格点を与えられるような人は残っていないものです。
先日カウンセリングに来られた方はこんなことをおっしゃってました。
「この人、素敵だな・・・と思うと、たいてい既婚者なんですよね・・・」
これは心が結婚や恋愛することに非常に焦りを感じ始めている証拠でもあります。
“彼を磨いていい男にする”というよりも、ついつい既製品を求めてしまうような感じですね。
「私には時間がない。ダメ男を鍛えるほどの余裕なんて無いわ」なんて思っているのかもしれません。
そして、ますますギャンブラー的に、かつ、テクニックを駆使した女になってしまい、ますます寂しさの募る毎日を送ってしまうようです。
●あなたの心の痛みに向き合ってみましょう
過去に辛い失恋が今のあなたに大きな影響を与えている、としたら、信じてもらえるでしょうか?
「もう顔さえ忘れてしまってるのに?」
「えー、もう10年以上も昔ですよ?」
なんて気持ちになるかもしれません。
でも、僕らの心は色んな感情や出来事をすべて覚えています。
ただ認識できないだけで。
辛い失恋をすると、もう二度とそんな思いはしたくないので、必死になって彼や彼との幸せな時間を忘れようとしますね。
この痛みが無くならなければ恋なんて出来ない!って感じる分だけ、とても必死に頑張るものです。
でも、それは「忘れよう」「諦めよう」とする態度なので、痛みを心の中にどんどん抑圧していくようになってしまいます。
そして、意識の中からは無くなったんだけど、潜在意識や無意識の中にたっぷりと溜め込まれてしまうわけです。
それは、見たくない元彼からの贈り物を押入れに放り込んでおくようなものかもしれません。
目には見えないけれど、押入れの中にはちゃんと存在しているんですよね。
もし、恋するハートが閉じてしまっていると感じたら、過去の恋愛を改めて振り返ってみましょう。
そこでは、恋愛とは言えないけれどショックだった関係もあるかもしれません。
そして、もしまだ痛みがあったとしたら、それを忘れるのではなく、手放そうと思ってください。
“手放す”というのは“卒業する”ことです。
ちょっと寂しいような、甘酸っぱいような、懐かしいような、でも、その時間が自分にとってとても大切だった、と思える思い出に変えていくことです。
大学でも取り忘れた単位があると卒業できないように、あなたの恋愛暦に学び忘れた経験はないでしょうか?