バーゲン女の悲劇~無価値感が作るストーリー~

無価値感に縛られて、自分をバーゲンセールに出してしまう女性の悲劇に迫ります。

バーゲン女といっても、バーゲン好きな女性ってことではありません。
自分をセールに出しちゃう、そんなパターンを持つ女性のこと。
もちろん、同じことは男性にも当てはまりますが、カウンセリングをしていると、必要以上に自分自身に価値や魅力を感じられずに、恋愛や仕事で失敗を繰り返してしまう方によく出会うんです。
その姿がまるで、自分をバーゲンセールに出しているような感じに見えることがあるので、バーゲン女って付けてみました。

●バーゲンセールに出してしまうのはなぜ?

僕達の心には無価値感があります。
自分なんて愛される価値もない・・・という感情なのですが、育ってきた環境や過去の恋愛・仕事・対人関係で傷ついた心が作り出してしまうものです。
(詳しくは「無価値感の心理」を参照下さい)
また、年齢的なものからも、自然と自分の価値を引き下げてしまうケースもありますね。

この無価値感が強く出ると、自己評価がとても低くなり、周りの人からの愛情が受け取れないようになってしまいます。
例えば「○○さんって優しいよね」とか「キレイだね」と誉められても、「え、そんなことないです。本当に」と引いてしまうような感じです。
よく言えば謙虚な姿勢なのですが、謙虚さも度を越すと逆に嫌味になってしまうことだって少なくありません。

面談のカウンセリングでは「ルックスだっていいし、内面だって申し分ないのに、何で恋愛がうまく行かないんだろう?」って思う方に出会うこともすごく多いんですね。
「もったいないなあ」と思って、価値や魅力を妻と二人して伝えるんですけど、
「いえいえ、とんでもない。私はそんな女じゃないんです。本当に」
とおっしゃるんです。

謙虚さでそう言うときと、本心のときってやっぱり分かりますよね。
謙虚さの場合には、態度に「ありがとう。うれしいです!」って気持ちが現れています。
でも、本心でそう思われてるときには一生懸命否定しようとしたり、「私のこと全然分かってない!!」って強い否定的な態度になります。

●バーゲンセール中の悲劇(その1)

人はお金に換算できるものではないんですけど、仮にあなたが本当は10万円のバッグだったとしますね。
それを“無価値感セール中”につき、大特価6万円で販売してたとしましょう。

男性から見れば、あなたには10万円の価値や魅力を感じますから、10万円級の男性が近づいてきます。でも、あなたは「私は6万円」と思っているから、なぜかあなたには自分にはもったいないくらい魅力的な男性が声をかけてきたように感じてしまいます。

だから「あなたみたいな人には到底釣りあわないわ」とか「私にはもったいない人」と思ってしまいます。
一応彼を受け入れて、恋愛が始まってからも「私は6万のバッグよ」って主張しますから、彼が「君は本当は10万円なんだよ」って魅力を伝えたとしても、「そんなことないわ。ちゃんと値札を見てよ!(私のこと分かってるの?)」という気持ちになってしまい、ついつい卑屈な態度や彼の愛情を拒絶する態度ばかりを取ってしまいます。

そうすると、彼としては対等に付き合いたいし、10万円の価値を見ているのに、いつも下から見上げるような感じになってしまうんですね。
これでは彼もどんどんしんどくなってしまいます。

それに、このタイプの方は相手の気持ちを見落としてしまっていることがすごく多いんですね。
僕らカウンセラーとしてはそういう心の痛みも分かるから、強く拒絶されても傷つくことは滅多にないんですけど、一般の男性はあなたが思う以上に自信がなく、繊細ですから、あなたに近づいて魅力を伝えたとしても、その否定的な態度に「ああ、俺じゃダメなんや」と感じてしまうことも少なくないんです。
そんな風にまったく悪気は無いのに知らず知らずのうちに誰かを傷つけてしまうことがありますから、ご注意下さいね。

そして、「私なんて・・・」という思いが強い分、自分自身を彼の前で表現することが出来なくなりますから、彼もつまらなく感じたり、魅力を感じなくなったり、寂しく感じてしまうようになるんです。
そして、やがて「そっかー、こいつは6万の女なんや」と思ってなめられたり、ツレナイ態度を取られたり、あなたの愛情に胡坐をかいたり、振られてしまったり、浮気をされたり、といった悲劇を招いてしまいます。

●バーゲンセール中の悲劇(その2)

その一方で、魅力的に感じる男性を「私にはもったいないから」と振ってしまい、何となく妥協で男性を選んでしまうと、今度は自分自身が彼に魅力を感じられなくなってしまうようになります。
それは10万円の男性を拒絶して、6万円の男性を選んでしまうような感じです。

そうするとあなたは本来10万円のバッグなわけですから、6万円の男性にはどこかしら面白みを感じられなくなっていきます。
そのギャップがある分だけ、なぜかあなたが我慢しなきゃいけなかったり、気を使ったり、お母さんやお姉さんのような態度で接しなければいけないケースが増えてくるんです。
そうすると結果的に関係がこじれてしまい、あなたの方が浮気をしてしまったり、別れたくなったりしてしまうようになります。

このどちらかの悲劇を経験すると「ああ、6万円でもうまくいかないのね。だったら、思い切って3万円にしようかしら。それでも売れないかもしれないわ」と更に値段を切り下げてしまいます。
そして、更なる悪循環を招いてしまい、最終的にはワゴンセールレベルになって、「誰でもいいから買って・・・」と自分を叩き売ってしまうようになってしまいます。

●その一方で・・・プレミア女の喜劇

その一方で、本来は10万円のバッグなのに、なぜか20万円で売られていることがあります。
そうすると近づいてきた10万円の男性には見向きもせず、ひたすら20万円の男性を追い求めるようになります。
いわゆる、高望みをしてしまうわけです。

そうするとなかなか彼を手にすることができないばかりか、彼が出来ても遊ばれてしまったり、相手にされなかったり、まったく釣りあわなかったりして、結果的に酷く傷ついてしまうことになるんですね。
これはプライドの高い女性に多く見られる傾向ですが、傷ついたとしてもプライドがそれを許さない分、「相手が悪い」ということにして見過ごしてしまうことがほとんどなんです。
彼ができてもどこかしら「私には相応しくない男だわ。私にはもっと素敵な男がいるはず」と感じているものですから、なおさらですね。

そうすると「この程度の男しか来ないんだから、もっと値上げしていい男をつかまえなきゃ」と30万円の値札をつけてしまったりします。
そうするとどうなるかはお分かりですよね。
更に喜劇な目にあってしまいます。

●自分の魅力を受け入れること

「じゃあ、どうやったら私が10万の価値があるバッグだって気付けるのよ!」
と多くの方がお思いだと思います。
「恋愛がうまくいかない、だから、値段を切り下げたり、切り上げたりしてるのに」
という気分かもしれません。

○エクササイズ(その1)

ポイントは自分の魅力は自分自身だけが決めるものではない、ということです。
他人の評価というと、無価値感の強い方の場合はそればかり気にしてしまうものですが、試しにあなたの友達に「私の魅力や価値ってどんなところ?」って思い切って聞いてみてください。
そして、「優しい」とか「気が利く」とか「かわいい」とか言われたら、こう思ってみてください。
「ああ、この人は私の魅力をそう感じるんだな」って。
つまり、完ぺき主義に陥らずに「この人はそう感じるんだな」ととりあえず受け取ることが何よりも大切です。

それは同時にその人のあなたへの思いを受け取ってあげることにもなるんですね。
あなたも経験があると思いますが、人を誉めたときに「ありがとう!!」って喜んでくれたとしたら、あなたも嬉しいと思うんです。

○エクササイズ(その2)

周りの人に聞いてみる勇気がない、という方は今度は“投影”を使ったエクササイズをやってみましょう。
これは過去にも読まれた方もいるかと思うんですが、あなたの周りの人や憧れの人を思い出して、その人のどんなところに価値や魅力を感じるのかを思い巡らしてみてください。
その人に感じた魅力というのは、実はあなた自身の魅力をも表します。
もちろん、既に表に出ている魅力なのか、ダイヤの原石のように心の中に封印されているものかは分かりませんが、少なくともあなた自身のものです。

これについてもさっきのエクササイズと同様、「私にはそういう魅力があるんだな」と思ってみることがすごく大切です。
まずは、受け入れてみること。
否定したくなる気持ちを感じながらも、受け入れることを選択してみてください。

●カウンセリングという現場で。

面談のカウンセリングならば2時間以上、一緒にいるわけですから、お話や態度を通じて、全ては分からなくても、その人のエッセンスというものは伝わってくるんですね。
そうすると、今まで色んな方にお会いしましたけど、誰一人として価値や魅力の無い方にめぐりあったことって無いんですよ。

これは無料の電話カウンセリングでも同じ思いを抱きます。
以前にもどこかで書いたんですけど、45分話していれば、その方の価値の部分っていうのは少なくても4,5個は見つかります。
さらに長い2時間も一緒にいれば、10個くらいは優にお伝えする自信があります。

僕は面談などで価値を伝えようと思ったときは、セッションをして、何らかの気付きや癒しを体験していただいた後に伝えるようにしてます。
その方が心にスペースが出来て、受け取りやすい状態になっていますから。
そんな時には、お尻がむずむずしたり、恥ずかしい気持ちになってしまったりするものですが、けっこうニコニコと受け入れられるようですね。

あなたにも必ずあなたなりの相応の魅力があるものです。
その魅力を捨てることなく、磨き続けて行きましょうね。

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