投影が問題を作っていたと分かると、その投影のもとである関係で傷ついた心を癒やすことをテーマにしていったり、最終的にはその人を許せるようになることをテーマにしていきませんか?というご提案をすることがあります。
でも、嫌な感情を抱いている人を許せるようになることを目指すのは抵抗感がでてくるのは分かる気がしませんか?それにはコストパフォーマンスがいいからという理由があるのです。
コスパが高い投影の元を癒すやり方
前回からの続きです。
前回は上司との関係が上手く行かない原因を探っていくとお父さんへのわだかまりを上司に投影していたということがわかることがあるという話でしたね。
わだかまりがあるお父さんを上司に投影していたのがわかった時は、お父さんとの関係で傷ついた心を癒やすことをテーマにしていったり、最終的にはお父さんを許せるようになることをテーマにしていきませんか?というご提案をすることがあります。
こういうご提案をすると「父との関係で傷ついた心を癒やしていきたいと思う。でも父を許せるようになるって・・・それはちょっと」と抵抗感がでてくる方もいらっしゃいます。
嫌な感情を抱いている人を許せるようになることを目指すのは抵抗感がでてくるのは分かる気がします。
私が似た立場で同じように言われたら『え~それはちょっと・・・』と思っちゃうかもしれません。
それなのになぜお父さんを許せるようになることをテーマにしていきませんか?というご提案をすることがあるかというと、それが効率的だからなのです。
仮にカウンセリングや1DAYワークショップなどで、お父さんとの関係を扱って行くのではなく、上司との関係を扱っていくとします。
上司はどういうつもりで仕事を頼んだのかを理解する、
上司の気持や、立場を理解していく、
上司の至らなかった部分を許していく、
上司に自ら近づいていき誤解していたところを無くしていく、
そういうことをしていき上司との関係が良くなったとします。
しかし、一般的な会社では上司というのは人事異動で変わります。
人事異動で上司が変わり新しい男性で目上の上司がやってくると、またその上司との関係でお父さんの投影がはじまります。
そして
『自分の考えを理解してくれていない』
『上司の考えを押し付けられている』
『自分のことを理解しようとせずに勝手なことを押し付けられている』
と感じ、また上司との関係が上手く行かないということが始まります。
そして、またカウンセリングや1DAYワークショップで上司との関係を扱っていくことになります。
新しい上司はどういうつもりで仕事を頼んだのかを理解する、
新しい上司の気持や、立場を理解していく、
新しい上司の至らなかった部分を許していく、
新しい上司に自ら近づいていき誤解してところを無くしていく、
そういうことをしていき新しい上司との関係が良くなったとします。
そうして良くなったかと思うと、また今度の人事異動で・・・
こうなると上司と上手く行かないという問題を解決する為に費やすエネルギーも時間もカウンセリングにかかるお金もすごくいることになりますよね?
だとしたら問題を作っている根っこを何とかしたほうが効率がいいわけです。
お父さんへのわだかまりがあり、その投影が問題を引き起こしているのだとしたら、お父さんへのわだかまりを何とか解消することができると、男性で目上の上司にお父さんを投影をするということがなくなり、女性が上司である時と同じように上司との関係が上手く行くようになるわけです。
しかも人事異動で上司が変わり、新しい男性で目上の上司がやってきても、お父さんへのわだかまりを投影するということがおきないので新しい上司とも上手くいくわけですね。
ね、こちらのほうが効率的そうでしょ!
●上司以外の関係も良くなっていく
そして男性で目上の人は上司だけではありません!
取引先の顧客の中にも男性で目上の人はいるでしょう。
習い事の先生にも男性で目上の人と出会うかもしれません。
病気になった時に病院にいった先のお医者さんにも男性で目上の人がいるかもしれません。
買い物にいった先の店員にも男性で目上の人もいるでしょう。
この先、生きていく数十年の人生の中に男性で目上の人と出会う人数は多々いるはずです。
これからの人生で出会う何十人、何百人の男性で目上の人との関係でお父さんを投影すると、その人との関係で余分なストレスが加わっていきます。
その余分のストレスが無くなるとどうなると思います?
心が軽いと思いませんか?
楽に行きやすいと思いませんか?
健やかな気持ち、楽しい気持でいられる時間が多くなると思いませんか?
たぶんそうなります。
投影のもとであるお父さんとのわだかまりを何とかすることができ、心の中でお父さんと和解できれば、上司だけではなくこの先、生きていく中で出会う何十人、何百人との関係で感じる余分なストレスが無くなり、その人との関係が上手くいきやすくなるのです。
投影のもとであるお父さん一人をクリアーできれば、上司との関係だけではなく、人生で出会う何十人、何百人との関係も良くなるわけです。
たった一人との関係を癒やすことで何十人、何百人との関係が良くなるとしたら効率的だと思いません?
現代風にいうとコスパがいいわけですね(笑)
上司と上手く行かない問題でお父さんとの関係を投影しているという例え話を使って説明させてもらいましたが、仕事の問題だけではなく、恋愛の問題で過去の誰かを投影していたということもありますし、ご近所づきあいで苦手な人がいるということを見ていくとそれも誰かを投影していたということがわかることがあります。
その誰かというのは、お父さんの場合もあれば、お母さんの、兄弟、おじいちゃん、おばあちゃん、過去の友達、私をふった彼氏(彼女)を投影していたという場合もあります。
この問題は誰との関係を投影しているのか?
その視点を持ち、仮に誰かを投影していることがわかったら、
その投影の元との関係で作った心の痛みを癒やし、その投影の元の人を許すことは、とっても効率的で、コスパが良い解決方法なのです。
もし、あなたが今上手く行かない関係があった時は誰との関係を投影しているのだろうか?という視点で一度探ってみられるといいかもしれませんね。
>>>『投影を使った問題解決方法(3)~くまさんの心~』へ続く