忘れられない、自己嫌悪、許せない

相談者名
しい
もう進路が分かれる、生涯の仲間である1人の
独特のノリや類稀なる気配りを、人生で一番心地いいと思ってしまい
男女関係なく、他の人と話してると
その心地いい人の飾らない自然体さや、素をさらけ出させてくれる安心感、
自分の筋は貫く反面 些細な言葉も拾ってくれる所などを思い出し、
つい目の前の相手を比べてしまって、心から笑えずに満たされきれず、興味を感じられません…

どうしたらいいでしょうか
自分に厳しく他人に厳しい、友人に理想が高い状態…
その人でしか満足できないっていうのは、依存的でおかしいし もう卒業しなきゃいけないのに…。

それに、その人は自分をよく見せようとしない人で
私はその影響で人生が変わり、昔の私はすごい自分を飾る人だった
その分か、やたら顔文字を多用したり痛い発言をしたり、見え透いたアピールとかにどうしても引いてしまい
非常にKYだった自分を思い出して、虫酸が走るようで
空気を読めない、相手の反応に気を配れない人のことを、軽蔑してしまいます

人を嫌うと、その分結局自分の世界が狭まるって分かってるはずなのですが
それでもイライラとまらず許せずにいて…
あーこういう人なんだ って見下げてしまったらもう苦笑いばっかになってしまいます…
感謝や尊敬しててもそう感じる時もあって
そんな風に何様な自分の性格悪さが ほんと醜いなって どんどん自己嫌悪が深くなる

もう純粋には戻れないとは思いますが、
人の言葉の裏を読みかけてしまっても
その人をいとおしく感じ、まっすぐ受け入れるにはどうしたらいいでしょうか
特に教師になろうとする身として この冷めてる感じには危機感が…。
(幼い子どもに対しては、もう丸ごと可愛いなーと思うのですがその他は……)

また、どう頑張っても苦手だと感じてしまう場合
いい関係を保つためには、自分の本心を覆っても
相手を立てるような発言や行動を忘れずにいるべきでしょうか?
大事な友人は狭く深くで少なくていい、
媚を売らなきゃ続かないような関係なら、いらないや、
とか思うようになってしまった事にもよります……。表面的さが総じて鼻について…

カウンセラー
井上真由美
しいさん、こんにちは。
今回のご相談を担当します、井上真由美と申します。
よろしくお願いします。

しいさんは、生涯の友となるような素敵なご友人をお持ちなのですね。友人は人生の宝物となります。大切になさってくださいね。

ただ、その反面、今回のご相談をみると、そのご友人がしいさんにとって最高の存在であるがために、他の対人関係に対して、なかなか満足したものを感じられなくなっているのですね。

しいさん自身が書かれていますが、
>自分に厳しく他人に厳しい、友人に理想が高い状態…。
>その人でしか満足できない
これは、対人関係に対して、完璧を求める状態ともいえるのではないでしょうか。(ここでいう完璧とは、何もかもが100点という意味ではなく、しいさんにとっての完璧という意味です)。

完璧を求めるというのは、自分の首を自分で絞めるようなものです。
自分の求める完璧なもの以外は無意味なように思ったり、自分も完璧な友人でなければいけないように思ったり…。

まずは、この対人関係に完璧を求める気持ちを整理していきましょうね。

◎なぜ、完璧を求めるのか。
完璧を求める心理の裏側には、怖れが隠れています。
怖れの内容は様々ですが、失敗して傷つきたくない、という気持ちがあることも多いものです。
今回のしいさんの場合、もしこの怖れがあるとすると、過去にしいさんは、対人関係で失敗感があったり、傷ついた思い出がありませんか。
あるいは、対人関係における昔の自分が、まるで失敗作のように感じていませんか。

というのは、今回のご相談内容から、
しいさんは、
>やたら顔文字を多用したり痛い発言をしたり、見え透いたアピールとかにどうしても引いてしまい
>空気を読めない、相手の反応に気を配れない人
に強く反発を感じておられる、という印象を受けました。

簡単に言い換えると、“人に自分をいいように見せ、結局空気を読めずに相手に気配りができない人”ということになるのかと思います。

そして、この“人に自分をいいように見せ、結局空気を読めずに相手に気配りができない人”というのは、昔の自分と同じだと書かれていますね。
その自分のことを思い出すと、虫酸が走るとも…。

それ程しいさんは、対人関係における過去の自分のことを失敗作のように感じて、否定してはいませんか。
あるいは、対人関係で失敗したと思っているのではないでしょうか。

自分が失敗したと否定的に思っている度合いだけ、今度は失敗しないようにと完璧を求めるようになってしまいます。
そして、自分に完璧を強いると、完璧が自分の基準になりますから、周りに対しても自ずと完璧を求めてしまいます。
ここから、周りに対しては総じて批判的・攻撃的になったり、自分の基準をクリアした相手については、全面依存的になってしまいます。
また、失敗を怖れて、なかなか新しいことに取り組めなくなったりもしてしまいますので、もしかしたら、しいさんの対人関係を築いていくことへの抵抗感は、こういった影響もあるのかもしれませんね。

◎完璧を求めることをやめるには
ですから、もし、私が今仮説的に言っているものに心当たりがあるならば、どうぞ過去の自分・完璧でない自分を許してあげてくださいね。

もちろん、すぐに許せなくてもいいんです。
ただ、過去の自分・完璧でない自分を許せないと思っている分、“人に自分をいいように見せ、結局空気を読めずに相手に気配りができない人”たちを許すこともできず、現在の対人関係は苦しくなってしまいがちです。

ですから、最初は昔の自分を理解しようとするだけでも構いません。
理解することは、許しへの第一歩です。

下記に、少しばかり“人に自分をいいように見せ、結局空気を読めずに相手に気配りができない人”の原因として考えられるものを書いていますので、自分の当時の心理状態と合わせて見てみてくださいね。

自分を飾ることばかりに意識が向いてしまったり、空気を読めない、または自分のことを優先して人に気配りできないタイプの方というのは、心の底には自分が“負けている”という気持ちを持っていることがよくあります。そして、その“負け”を感じていることから、防衛の手段として、自分を必死で認めてもらおうとします。
その方法が、自分を飾ることであったり、見え透いたアピールをすることであったりして、自分にばかり意識が向くことで空気を読めなくなっていたり、人に気配りができなくなったりすることが多いのです。
対人関係の中で競争意識を持っているのだけれども、それは主に劣等感を抱えている状態と言えるかもしれませんね。
かつてのしいさんも、どこかでそれを感じていたのではないでしょうか。

しかし、しいさんは幸運なことに、素晴らしいご友人に恵まれましたね。
しいさんは書かれていますね。
そのご友人は、
>飾らない自然体さや、素をさらけ出させてくれる安心感、
>その人は自分をよく見せようとしない人
だと。

そのご友人といると、しいさん自身も自然体でいられたのではないでしょうか。
それまでのように自分を飾る必要もなく、そのままの自分で受け入れられている実感が持てたのではないでしょうか。
だとしたら、そのご友人は、しいさんを競争意識や劣等感から解放してくれた救世主のような人であるのかもしれませんね。

ですから、ご友人がしいさんに接してくれたように、これからはしいさんが自分自身に対して、そのままの自分を受け入れてあげるようにしてください。

そうやっていくうちに、過去の自分・完璧でない自分を許すことができるようになっていくでしょうし、人の不完全さにも理解を示すことができるようになっていくでしょう。
(完璧にはできなくてもね!^^)

◎これからの対人関係について
ただし、しいさんは相手と無理に友人関係を築いていく必要は、もちろんありませんよ。
しいさんが仰るように、大事な友人は狭く深くで少なくてもいいと思います。
また、他の選択肢として、広く浅くつきあいつつ大事な友人は大事にする、ということも“あり”だと思います。
要は、しいさんがどんな自分でありたいか、どんな関係を人と築いていきたいのか、が大事です。

ただ、これまでにも述べたように、完璧を求める気持ちは自分の中で消化しておきましょうね。

そして、ぜひ、しいさんに合うご友人を探してください。
しいさんに人生で一番心地いい思いをさせてくれたご友人が、しいさんとここまで親しくなり、尊敬でき、信頼できるようになるまでには、二人の親交を深めるそれ相応の時間の経過ややり取りがあったのではないでしょうか。
だとすると、そのご友人を越える人が、ある日突然現れることはあり得ません。

必要なのは、自分の価値観や性格と合う人を見つけ、大事に関係を育てることです。
そうすれば、自分の本心を隠す必要もなく、媚を売る必要もない友人は、必ずできます。

そして、大事に関係を育てるというのは、しいさんにとっては、完璧でない自分を許し、完璧でない相手への理解を深めることです。

また、人の価値観は人それぞれだということも知っておいてください。
しいさんは、人に対して飾らないことや空気を読むこと、人に気配りができることを重要視するかもしれませんが、人によってはそこは重要ではなく、むしろ空気を読むのではなくてちゃんと自分の個性を主張できることがお互いの尊重に結びつくのではないか。人への気配りはできるに越したことはないけれど、してほしいことがあるならば自分もちゃんと言わなきゃだめだよ!という考え方もあるはずですよね。

考え方の違いを受け入れることができれば、しいさん自身の人間性に幅をもたせることができるはずです。
自分一人の考え方だけが正しいと思っているのは、これからしいさんが成長していく上でとっても偏った考えだということはおわかりのことでしょう。

そして、人は多面的な生き物であるということも、おわかりですよね。
明るい部分と無神経な部分が混在していたり、冷たい部分もあれば優しい部分もあったり。
完璧な人間はいませんから、長所があれば短所もあります。
そんな長所も短所も含めて、この人とは価値観が合うな、一緒にいると楽しいな、という相手を探してください。
それは、しいさんにとって、また生涯の友の一人となるでしょう。

今回の回答は、私の憶測に基づいた仮説の色合いが強いですから、よかったらまたお話聞かせてくださいね。
しいさんの、豊かな友人関係が発展していくことを祈っております。

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