せっかく採用した新入社員が数ヶ月~数年の間に離職してしまう。
広告費や新人教育に、経費や時間、労力を投資してもアルバイトが根付かない。
こんなお悩みを抱えていらっしゃる会社って、少なくないと思うんです。
こういうとき、職場にいる人が何を感じているのか?「感情」にフォーカスしてみると、離職率が下がるヒントが見つかることが多いです。
というのも、人間は「感情の生き物」といわれていまして、
行為自体の好き嫌い、というよりも「そのとき、何を感じているのか?」に行動が左右されるんですね。
たとえば「電話をかける」という行為を例に挙げると
かける相手が「苦手な上司」だった場合、「あー、電話を掛けたくないなぁ」ってうんざりするけれど
相手が「大好きな彼」であれば「すぐにでも掛けたい!」って感じますよね。
でも同じ「大好きな彼」でも、ケンカしちゃったあとに電話を掛ける時には、とっても勇気がいったりします。
というように私たちは「そのとき何を感じるのか?」で同じ行為でもまったく違うものになってしまうんです。
ですから職場の場合も「どんな仕事をするのか?」よりも「その仕事をしているときに感じる気持ち」がポイント。
離職率を下げるためには、会社で働く人たちに「つらい」「しんどい」などネガティブな感情よりも「やりがい」「充実感」「楽しさ」などのポジティブな感情」を上回るような環境づくりを心がけてみるといいんです。
実際に取り組む際には、ネガティブな感情を感じる機会を「減らす」よりも、ポジティブな感情を感じる機会を「増やす」ことに意識を向けてみましょう。
なぜかといいますと、ネガティブな感情を感じる理由を減らそうとすると、現場的に仕方がない部分が出てきたり、すぐに改善することは難しいことも多いんですよね。限度もありますし。
でも「増やす」のであれば、小さなことからはじめられます。個人レベルで今日から始められることも多いですからね。
ポジティブな感情を感じやすい環境作りには、いろいろ方法があるのですが
今回は【挨拶のチカラ】をオススメしたいと思います。
「おはよう」「おつかれさま」「お先に失礼します」「お願いします」
「はじめまして」「ありがとうございます」
普段、何気なくしている「挨拶」ですが、
実は私たちは「挨拶」をしてもらえると無意識に「大切に扱ってもらえている」と感じ「自己重要感」が満たされます。
「自己重要感」とは「自分は、この人にとって重要な存在なんだ」と感じること。
この感覚は、仕事だけでなく、私たちが社会で人と生きていくためにとても大切な感覚です。
たとえば職場で、上司や仲間から「おはよう!」って挨拶をしてもらえたとき、
してもらった側は無意識に「私は、この職場で重要な存在なんだな」とか「私は、この職場で価値を見てもらえてるんだな」と感じます。
そうすると私たちはみんな「大切な人を愛したい」という欲求を持っているので、
自分を大切に扱ってくれる人に対して、自然と心を尽くしたくなり、仕事に意欲がわいてきたりします。
また、「ポジティブな感情」が増えることで「ネガティブな感情」より上回ってくるようになると、減り辞めたいなと感じることに遭遇しても「もうすこし、続けてみようかな」という選択を選ぶ人が増えてきます。
結果、困難が立ちふさがっても乗り越えやすくなるんですね。
ぴんと来ない方は、間逆の状態を想像してみてください。
なんだか、おざなりな挨拶をし合うだけ。
職場に行っても、誰も自分のことを気にしていない。
こういう状態が続いていたとしたら「べつに自分なんて、この会社にいてもいなくても一緒じゃないかな?」って感じやすくなりますよね。
直接的な原因には上がってこないかもしれませんが、離職の背景にこの感覚があることって多いんですよ。
さらに、挨拶のチカラのオススメポイントは「挨拶をした当人も、ポジティブな感情を感じる」という点。
挨拶をしたとき、なんだか気持ちがすっきりしますよね。
それは何故かといいますと自分の中の「大切な人を愛したい」という欲求が満たされるから、なんです。
つまり「挨拶をすること」は、自分も周りの人も「大切」にすることにつながるんですね。
ですから、ぜひ、お試しいただけたらと思います。
最後に「効果的な挨拶」のポイントをご紹介します。
・なるべく、顔を見て「挨拶」をする。
・自分から「挨拶」する。
・相手の反応関係なく、続ける。
挨拶なんて、たったの数秒・・なのですが、意識をすると案外難しいものです。
恥ずかしさが出てくる方も多いと思います。
だからこそ、人は「自分に挨拶をしてもらえる」ことが嬉しいわけですね。
参考になれば幸いです。