不満の正体

こんにちは 平です。

人との絆を断ち切りたいと思うとき、そのいちばんの理由は“不満”であるようです。

私たちは「こうあってほしい」とか「こうするべきだ」といった期待をもっています。そして、不満とは、それが期待どおりにいかなかったときに生じる感情の一つです。

口に出すか出さないかは別として、私たちはいろいろなものに対して非常に多くの不満をもっています。

その数多い不満の下側には、じつは「自分自身は粗末に扱われるのがふさわしい」というような自己概念が隠れていることが多いようです。

さらに、自分自身を粗末に扱っている度合いだけ、「外の世界の人たちからは、自分のことを大切に扱ってもらいたい」という欲求が出てくるようです。

しかしながら、まわりの人がどれだけあなたを大切に扱ってくれたとしても、あなたが自分を粗末に扱うのをやめないかぎり、あなたの不満は解消することはなく、あなたが文句を言う対象はますますいろいろな方向へと向かっていきがちです。

その文句の代わりに、まわりの人があなたに与えてくれた愛情を受け取ることさえできれば、もしくは、その人があなたのことを大事にしてくれたと認識することができれば、状況はガラリとかわります。

あなたの心が“感謝”という感情を感じはじめると、あなたを愛してくれた人との間にまるで架け橋ができたかのように、心の絆を感じられるようになってくるようなのです。

私たちはみな、自分で認識している以上にじつに多くの不満を抱えているものです。

あなたがその不満に目を向けてみることができたなら、その不満を感じている相手に向けて、あなたは一片の愛情も示していないということがすぐにわかるでしょう。

じつは不満というものは、その相手を愛していないことに対する言い訳のようにして存在しています。

あなたが文句を言う代わりに、その人に心を向け、理解したり、愛情を注ぎ込んだりすることができれば、「文句は言いますけど、なにもしません」という立場からあっというまに状況がかわり、不満も解消することができます。

そう、文句を言っているかぎり、あなたはそのことについて、きっとなにもしていないはずですよね。つまり、自分が「していない」ということについて、いちばんの不満が生じているのです。

言い換えれば、あなたは「なにかをしたい」ようなのです。

私たちには2つの選択肢しかありません。「愛をもって関わるか」、「不満を言いつつ、なにもしないか」の2つです。

不満をもつことの裏側には、「自分にはなにもできないのではないのか」とか「自分のような者が関わっても、なに一つ状況は変わらないのではないか」というような思いが隠れていることが多いようです。

それでも、あなたの心は「自分が関わることで、状況をなんとか変えたい」という思いにあふれているようです。

ところが、それができていない自分への不満‥‥、これがいちばんの不満であり、いうなれば、不満の正体であるわけです。

それゆえに、「なにもできない自分には価値がない」、「そんな自分には愛を受け取る資格がない」などと感じ、人との関わりから後ずさりしてしまい、自ら絆を切るような態度をとってしまうのですね。

「文句を言う代わりに、私にできることはないだろうか?」

こう自分にやさしく問いかけるとき、あなたの心にはなんらかのインスピレーションが生まれ、あなたらしいリーダーシップの道が開かれていくことでしょう。

 

では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

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神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。