こんにちは 平です。
私たちの中にはつねにいろいろな思考があり、その思考によって気分が決まるといわれます。また逆に、気分が思考を作るともよくいわれています。
その気分を変えるのに有効な手段の一つが、環境を変えることです。
心理療法の一つに“転地療法”と呼ばれるものがあります。自分の住んでいる地域から離れ、まったく新しい地域に入ることにより、気分が変わるという考え方です。
「旅の恥はかき捨て」という諺がありますが、人はどうも旅行をするとハイテンションになったり、気前がよくなったりしがちです。海外旅行に行ったときなどは、出会う人に対してフレンドリーになったり、妙にオープンな気分になったりすることもあるものです。
日常生活の中で、あなたは「見られている」という社会の目を感じています。それが海外に行ったりするとなくなって、心がものすごく自由を感じたりするわけです。
それと同じように、ものすごく美しい景色や壮大な景色を前にすると、沈みがちだった気分も晴れやかに変わるということがあるようです。
たとえば、あなたのお友だちが失恋してものすごく落ち込んでいたとします。そんなときは、出かけようという気分にもならないかもしれませんが、部屋の中はどこを見ても恋愛の思い出ばかりで、心はさらに落ち込んでしまうかもしれません。
そんなとき、あなたにできるのは、その部屋を訪ねていってお友だちを励ますことよりも、そのお友だちをその部屋から連れ出すということです。
そして、あなたの部屋に遊びにきてもらったとしたら、お友だちを自分の部屋という“落ち込みエリア”から脱出させてあげることができ、しかも、あなたの部屋までの道のりはよい気分転換にもなります。
初夏のように緑の美しい季節なら、自然のエネルギーを感じることで、気分が変わる効果も期待できるでしょう。
人間に覚醒作用をもたらすためのいちばんの薬は、日光だといわれています。日光を浴びる機会が少ないほど、心はふさぎ込む傾向が強いという研究があるのです。
それによると、雨の多いロンドンと常夏の国タヒチでは、ロンドンのほうがうつ病の発現率が50倍も多いともいわれています。たしかに、タヒチに暮らしていたら、なかなか落ち込みにくいような気がしますよね。
気持ちがふさぎ込んでいると、私たち人間はどこにも行きたくなくなったり、部屋に閉じこもってしまったりする傾向が強まります。
さらにそれが悪化すると、夜起きて、昼寝るという具合に昼夜が逆転してしまいます。
これは、昼の間に寝ることにより、日光を浴びることを避けて、それにより、たえずふさぎ込んだ状態を維持することができるからだといわれることもあるようです。
気分がふさぎ込んだときほど、「外に向かう」ことが大切になります。
そのためにいちばんシンプルで簡単な方法は、緑と太陽の光を体感することであるようです。また、美術館などで美しいものを見ることにも心を動かす作用があるといわれていますので、おすすめですよ。
では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!