失恋から学ぶもの

こんにちは 平です。

ティーンエイジャーなど若い世代の恋愛関係では、子ども時代のように、「愛されて当然」、「自分の依存を満たしてくれる人がパートナー」と思い込むことが多いようです。

すると、恋愛における問題も、「なんでわかってくれないの」とか「なんで愛してくれないの」という不満という形で出てきがちです。

本来、男女関係というのは、愛してあげたり、もらったり、わかってあげたり、もらったりと、2人の相互関係であることが望ましいわけです。

が、若いうちはなかなかそうはなれず、一方的に愛してもらったり、わかってもらったりするという思い込みから抜け出すことができないようです。

恋愛関係は愛が中心的な感情になるがゆえ、親子関係が恋愛に持ち込まれることも少なくありません。そして、親子関係で満たされなかった愛や理解を男女関係で満たそうするわけです。

若いうちは多くの人が、この「満たされていない」という不満をもって恋愛を始めます。

だから、相手が少しでも自分の期待外れだと感じると、かつての親子関係がそうだったように、失望させられるのを恐れ、ちょっとしたことでも許せなくなってしまったりするわけです。

大人になってから考えると、なぜ、あんな些細なことで激怒したり、許せない気持ちになったりしたのだろうと思えるようなことでも、若いころの恋愛はすぐに破綻してしまいます。

逆に言うと、それはまるでむき出しの神経に触れられるようなことなのです。

傷つきやすいがゆえに、傷つかないための防衛策として、これ以上関係を深めないようにする‥‥、つまり、恋愛を終わらせてしまったりするのです。

大人になると反対に「傷つかない」とか「気にしない」という防衛策をもって関係を続けていくケースも多いのですが、若いころはとにかく傷つきやすいものなのです。

そして、また、若い恋愛では、純愛を求めます。だれよりも一途に愛してもらえる自分、世界でいちばん愛しいと思ってもらえる自分になりたいわけです。

だから、一途な恋愛をする人は少なくありません。なぜなら、相手にも一途であってもらいたいからです。

すると、相手がちょっとした浮気心を見せたときや、自分が最優先されないという状況があると、大きな怒りが湧いてきます。

相手に対して期待があり、その期待が大きければ大きいほど、「こうするべき」、「ああするべき」という欲求を私たちは相手に押しつけます。

だから、そうではないふるまいを相手がすると、ものすごく失望するし、傷つくわけです。

また、じつは、若い時代の私たちは、自分はそんなに愛されるにはふさわしくないという強い思い込みをもっていることが多いものです。

そして、劣等感が強いほど、24時間、ずっとずっと、猛烈に愛し続けてもらうことができないと、愛を信頼できなかったりもします。

「自分はたくさん愛してもらうのにふさわしい」と感じていれば、心にもゆとりができ、寛容でいられます。

ところが、自分は不完全だと感じていると、そう感じている度合いだけ、相手の不完全や不十分を許せないのです。

そして、双方がこのように感じているわけですから、若いころの恋愛はぶつかりあいやすく、傷つきやすく、そして、破綻しやすいのです。

恋愛を重ねる中で、私たちは自分に自信をつけたり、相互に愛し愛されることの大切さを学んだりしていきます。

ある意味、失恋から学ぶことこそが、恋愛上達の早道ともいえるのです。

 

では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

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神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。